マンション売却の手数料無料は本当にお得?注意点やデメリットを解説
「マンションを売りたいけど、仲介手数料が無料の不動産会社に依頼しても大丈夫?」「実際に仲介手数料ゼロでのマンション売却は可能なの?」
マンション売却の仲介手数料についてこのような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、マンション売却時の仲介手数料を無料にできる理由の詳細や仲介手数料無料の不動産会社に依頼するリスクと注意点を紹介します。
また、マンション売却時にコストを最小限に抑えて高値で売る方法も解説するためぜひ参考にしてください。
[監修]宅地建物取引士
市野瀬 裕樹
中古マンション売買仲介を累計1200件以上監督。株式会社groove agentにおいて不動産売買の業務に3年従事。買い手をサポートしてきた経験を活かし、どうすれば高く売れるのか?を、買い手目線で不動産売却仲介のアドバイスを行う。
目次
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1.マンション売却で発生する仲介手数料とは
マンション売却の際は不動産会社への仲介手数料の支払いが必要となります。まずは仲介手数料の基礎知識として以下の4つを紹介します。
- 不動産会社へ仲介を依頼した際に発生する
- 仲介手数料は不動産会社の主要な収益源である
- 支払われるタイミングは契約成立時と引き渡し時の2回
- 仲介手数料の上限額は宅地建物取引業法で定められている
それぞれ確認していきます。
1-1.不動産会社へ仲介を依頼した際に発生する
不動産会社はマンションを売りたい「売主」と買いたい「買主」の仲介活動を行なっています。
不動産売買の仲介を依頼する媒介契約を不動産会社と結ぶと、マンション売却の際に仲介手数料が発生します。
不動産会社が行う仲介活動には、不動産査定や複雑な手続きのサポート、売却活動や広告活動などがあります。
マンションそのものは個人での売却も可能ですが、不動産売買は複雑な手続きが発生するためあまりおすすめはしません。また、個人がマンションの買い手を見つけることも難しいためマンション売却の際は、不動産会社と媒介契約を結ぶことが一般的です。
1-2.仲介手数料は不動産会社の主要な収益源である
一口に不動産会社と言っても、各業者の主要事業は様々です。
都市開発を請け負う開発会社もあれば、賃貸物件や不動産売買の仲介を専門に取り扱う不動産会社も存在します。
中でも、不動産売買や賃貸の仲介を事業の中心としている不動産会社にとって、仲介手数料は主要な収入源となるのです。
つまり、不動産売買の仲介会社にとって仲介手数料は、物件仲介の報酬であることを覚えておきましょう。
1-3.支払いのタイミングは契約成立時と引き渡し時の2回
仲介手数料はマンションの売却価格で変動するため売買契約が成立した際に支払う費用が決定します。
また、仲介手数料は以下の2つのタイミングで支払うこととなります。
支払うタイミング | 売買契約の成立時 | マンションの引き渡し時 |
支払い割合 | 50% | 50% |
仲介手数料を2回に分けて支払うのは、売買契約が成立してから引き渡しの間にもさまざまな手続きにおいて不動産会社のサポートを受けるためです。
1-4.仲介手数料の上限額は宅地建物取引業法で定められている
仲介手数料は法律により以下のとおり上限が決められています。
条件 | 上限額の計算式 |
売却額のうち200万円以下の部分 | 対象金額の5%以内+消費税 |
売却額のうち200万円を超えて400万円以下の部分 | 対象金額の4%以内+消費税 |
売却額のうち400万円を超える部分 | 対象金額の3%以内+消費税 |
例えば、マンションの売却額が1000万円であった場合は以下の計算で仲介手数料を求められます。
条件 | 計算 | 仲介手数料 |
200万円までの部分 | 200万円×5% | 10万円 |
200万円から400万円までの部分 | 200万円×4% | 8万円 |
400万円から1,000万円までの部分 | 600万円×3% | 18万円 |
合計36万円+消費税3.6万円 |
したがって1,000万円の仲介手数料は39.6万円(税込)と求められます。
2.マンション売却で発生する仲介手数料のからくり(仕組み)とは
先ほど、仲介手数料は仲介業務に対する報酬だとお伝えしました。
実は、不動産会社にとって、この仲介手数料を最大化するため「からくり」が存在します。
そのからくりとは、同じ一つのマンション売却の取引で「売手」と「買手」の両方から仲介手数料を受け取れるケースです。
このことを両手仲介と呼び、売手と買手どちらからも仲介手数料を受け取れるため不動産会社は十分な利益を見込めるのです。
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3.マンション売却で仲介手数料が無料になるケースとは
マンション売却の際に仲介手数料が無料となる3つのケースを紹介します。
- 買手からも収益を得られる場合
- 不動産会社が買い取りしている場合
- 値引き交渉できる場合
それぞれ詳しく解説していきます。
3-1.買手からも収益を得られる場合
マンション売却の際に売手だけでなく、買手の仲介も行う「両手仲介」の場合、不動産会社は両方から仲介手数料を得られます。
このように買主から収益を得られる場合にはマンション売却で売手の仲介手数料が無料になるケースがあるのです。
反対に、売手と買手がの仲介会社が異なる場合を片手仲介といいますが、片手仲介で買手から仲介手数料を受け取れない場合は、仲介手数料が無料とならない場合がほとんどです。
ただし、両手仲介だからといって必ず仲介手数料が無料になるということではありません。
不動産会社によって取り決めが異なるので、注意しましょう。
3-2.不動産会社が買い取りしている場合
マンション売却の仲介ではなく、不動産会社自体がマンションの買い取りをするケースもあります。
「買い取り」とは買主を探してもらうのではなく、不動産会社に直接不動産を買い取ってもらうサービスのことです。
不動産会社がマンションの買い取りをしているケースの場合、マンション売却の仲介が発生しないため、基本的に仲介手数料はかかりません。
仲介手数料がかからないのは大きなメリットですが、一点だけ注意が必要です。買い取りの場合は一般的な売却相場よりも安い値段で引き取られるケースがほとんどのため、最終的な手残りが手数料を差し引いた売却価格よりも低くなる可能性もあることは覚えておきましょう。
3-3.値引き交渉できる場合
マンション売却時の仲介手数料は、必ずしも金額が固定というわけではありません。
前述のとおり、仲介手数料の上限は法律で決められているものの、実際の金額は不動産会社によって異なります。
そのため、場合によっては仲介手数料の値引き交渉に応じてもらえるケースもあるのです。また、期間限定で仲介手数料無料のキャンペーンを行う不動産会社もあります。
4.マンション売却時の仲介手数料を無料にできる3つの理由とは
仲介手数料で儲けているはずの不動産会社が、手数料を無料にできるのはなぜでしょうか?「何か裏があるのでは?」と気になる人もいるでしょう。
通常、仲介手数料のみが不動産会社の利益となるため、仲介手数料を受け取ることで売却活動を行ってくれます。そのため、仲介手数料を無料にできるケースは、他からの利益が見込める場合のみ可能となります。
マンション売却時の仲介手数料を無料にできる主な理由として、次の3つが挙げられます。
- 買取業者から仲介手数料を受け取っているから
- 手数料以外の収入源がある会社だから
- 人件費・店舗費用などの経費を削減できるから
手数料無料になる正当な理由を知っておくことで、信頼できる会社を見極める際の参考になるでしょう。
4-1.買取業者から仲介手数料を受け取っているから
1つ目の理由は、不動産会社がマンションの買取業者から仲介手数料を受け取っているケースです。
通常、マンションの売却を不動産会社に仲介してもらう場合、売主のみ、もしくは売主と買主の両方に仲介手数料が発生します。
しかし、買主が一般消費者ではなく買取業者の場合、不動産会社が買取業者から手数料を受け取り、売主の仲介手数料を無料にすることが可能になります。
マンションの買取業者は、物件を仕入れて再販売することで利益を上げています。このビジネスモデルにおいて、不動産会社の仲介は必要不可欠です。そのため買取業者は、商品を仕入れさせてもらうお礼として、不動産会社に仲介手数料を支払います。
このように不動産会社は買取業者から仲介手数料をもらえるため、売主の手数料を無料にできるのです。
4-2.手数料以外の収入源がある会社だから
2つ目の理由は、仲介手数料以外で収入を得ているケースです。
不動産仲介業以外に賃貸業やリノベーションなど、別の事業を展開している不動産会社も存在します。以下のような他の収入源がある会社は、売主と買主両方の仲介手数料を無料にする場合もあります。
【仲介手数料以外の収入源の例】
- 賃貸業の家賃収入
- 賃貸管理業の手数料収入
- 住宅・土地の販売による収入
- リフォーム・リノベーションによる収入
基本的には、仲介手数料が不動産会社のメインの収入源です。しかし、不動産仲介とリフォーム・リノベーションをセットのサービスとして売ることで、結果的に仲介手数料を値引きできる会社も存在します。
4-3.人件費・広告費・店舗費用などの経費を削減しているから
3つ目の理由は、不動産会社が企業努力により経費を削減し、浮いた利益を手数料無料という形で還元しているケースです。運営上かかるコストをカットすることで、仲介手数料無料を実現している不動産会社もあります。
【企業努力による経費削減の例】
- システムの効率化による人件費削減
- 少数精鋭のスタッフで運営することで人件費削減
- 店舗数を絞りテナント賃料削減
- 設備の簡素化による店舗費用削減
以上の3つのケースが不動産会社が仲介手数料を無料にできるからくりです。このように、手数料無料の会社が必ずしも怪しいというわけではありません。
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5.マンション売却で仲介手数料が無料となる2つのメリットとは
マンション売却で仲介手数料が無料となることのメリットを2つ紹介します。
- 売却費用が抑えられる
- 自己資金が増えるため住宅ローンの審査に通りやすい
それぞれ確認していきます。
5-1.売却費用が抑えられる
マンション売却で仲介手数料が無料となる最も大きなメリットは、売却費用が抑えられる点です。
マンション売却は仲介手数料だけでなく、以下の費用も必要となります。
- 印紙税
- 司法書士や抵当権抹消費用への報酬
- 売却益に課される税金(所得税や住民税など)
売却費用を抑えられれば、マンション売却によって手にできる金額が大きくなります。
5-2.自己資金が増えるため住宅ローンの審査に通りやすい
マンション売却で仲介手数料が無料になると自己資本が増えるため住宅ローンの審査に通りやすくなります。
自己資金がない場合でも住宅ローンの借入が可能なローン会社もありますが、資金が十分にある場合と比べると住宅ローンの審査の難易度が高くなることが一般的です。
また、自己資金が増えれば余裕を持った返済計画を立てられるでしょう。
6.マンション売却で仲介手数料が無料となる2つのデメリットとは
マンション売却で仲介手数料が無料となるのには、メリットだけでなくデメリットもあります。仲介手数料無料の主なデメリットは以下の2つです。
- 「囲い込み」されるリスクがある
- 十分なサービスや対応を受けられない可能性がある
- 別の名目で請求され費用負担が増える可能性がある
それぞれ確認していきます。
6-1.「囲い込み」が行われるケースがある
不不動産会社が両手仲介をすることで、マンション売却の仲介手数料を無料にできるケースがあるとお伝えしました。
しかし、両手仲介をするためには買主を自社で見つける必要があるため、他の不動産会社から購入希望者を紹介されても断ってしまう場合があります。
場合によっては、他社に売却情報を知られないために売却する不動産の情報を公開しないことも。
このように他社からの購入経路を断ったり、情報を遮断することを「囲い込み」と呼びます。囲い込みが行われるとマンションの購入希望者が見つからなくなる可能性や、売却に時間がかかる恐れがあります。
その結果、マンションの売却価格を下げなければならなくなり、売主は売却益が減るなど不利益を被ることになるのです。
6-2.十分なサービスや対応を受けられない可能性がある
仲介手数料無料の会社に依頼すると、十分なサービスや対応を受けられない可能性もあります。
4章で、手数料無料が可能な理由として、「人件費・店舗費用などの経費を削減していること」を挙げました。ところが、これらのコストカットがマイナスに働く場合もあります。
例えば、少数精鋭で優秀なスタッフが対応してくれる反面、常に担当の営業スタッフが忙しく、急な内覧希望が入っても対応してもらえないことがあります。また、打ち出す広告の露出が少なかったり、広範囲のエリアをカバーしている分、知識面で地元密着の会社に劣ったりすることも考えられます。
このように、サービスや対応が不十分になり、売却のチャンスを逃すことにつながるリスクもあるのです。
6-3.別の名目で請求される可能性がある
仲介手数料無料の不動産会社はマンションの売手にとっては魅力的です。
そのため、マンションの売主からの問い合わせを増やすためにあえて仲介手数料の無料を謳い、別の項目でその分の費用負担を請求されるケースがあります。
【仲介手数料以外の請求項目の例】
- 広告費
- 物件調査費
- コンサルティング手数料
仲介手数料が無料であっても、トータルでかかる売却費用が変わらなければ意味がありません。
仲介手数料が無料の不動産会社と契約する際は、媒介契約を結ぶ前にマンション売却にかかる諸費用の詳細や別途支払う必要のある費用がないかを事前に確認しておきましょう。
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7.仲介手数料を抑えるよりも高値で売却することが重要
仲介手数料無料だからという理由で会社を選ぶことはおすすめしません。
リスクも抱えた手数料無料の不動産会社に依頼するよりも、マンションを高値で売る方法を実践することで、結果的に多くのお金を手にできる場合が多いからです。
そこで、無駄なコストをかけずに高値で売却するために大切なポイント4つを紹介します。
- 売却スケジュールに半年以上の余裕を持つ
- マンションが売れやすいタイミングを狙う
- 高く売るためのリフォームは不要
- 高く売ってくれる不動産会社を選ぶ
7-1.売却スケジュールに半年以上の余裕を持つ
マンションを高値で売却するためには、売却スケジュールに余裕を持つことが重要です。
仮に今すぐマンションを売って資金を作らないといけない状況では、希望額より安くてもマンションを手放さざるを得ません。売り急いで底価格での売却とならないために、売却活動に使える時間を十分に確保しておきましょう。
売却期間としては、少なくとも半年以上を見ておくことをおすすめします。
一般的に、マンションの売却に必要な期間は3ヶ月程度といわれています。しかし、不動産・住宅情報の総合サービス「LIFULL HOME'S」の調査によると、マンションを3ヶ月未満で売却できたのはたったの5人に1人。調査対象者の半数以上が売却期間に6ヶ月以上を要していました。
【出典】マンション売却経験者にアンケート!売却期間は?売却方法は?体験談もご紹介
スケジュールに余裕があれば、一定期間売れなかった場合にも売却活動を軌道修正し、希望額で買ってくれる人を探すことが可能です。
ただし、売却期間が長引くと取引価格が下がる傾向があるのは事実です。
一定期間売れなかった場合の対処方法としては、単に価格を下げるだけでなく、以下のような方法が有効です。
【マンションが売れない場合の対策例】
- アピールポイントや広告の打ち出し方を見直す
- 内覧の対応を見直し、売主だからこそ分かる情報を伝える
- 売却を依頼する不動産会社を変える
詳しくは、「マンションが売れない3つの理由と対策|売れ残った場合の対処法付き」の記事を参考にしてください。
臨機応変に売却活動を見直し、大幅な値下げを防ぐために、6ヶ月〜1年ほど余裕を持って売却活動を進めましょう。
7-2.マンションが売れやすいタイミングを狙う
売却スケジュールに余裕を持つことも大切ですが、マンションが売れやすいタイミングを狙うことで、短期間での売却が成功しやすくなります。
会社の異動や子どもの進学で転居する人が多い2〜3月や9〜10月は、不動産が売れやすい時期です。
実際に、2023〜2024年の首都圏における中古マンション成約件数を見てみましょう。
【2023〜2024年首都圏中古マンション成約件数】
【2023年】
5月:2,737
6月:3,111
7月:3,236
8月:2,367
9月:3,191
10月:3,287
11月:2,900
12月:2,941
【2024年】
1月:2,711
2月:3,350
3月:3,810
4月:3,251
【出典】月例速報 Market Watch サマリーレポート2024年4月度|公益財団法人 東日本不動産流通機構
4月からの新生活を目前に控えた2〜3月は、需要がかなり高まるタイミングです。異動が多い10月頃も成約が増える傾向があります。
マンションを早期に高値で売るには、需要が多く、売れやすいタイミングの売却活動に力を入れることが重要です。
また、成約を狙うタイミングから逆算し、早めに準備に取りかかりましょう。2〜3月の売却を目指すなら半年前の10月頃から、9〜10月の売却を目指すなら5月頃には査定を受け、売却活動をスタートすることをおすすめします。
7-3.売却前のリフォームは要検討
マンションを高く売るために、売却前のリフォームやリノベーションを推奨する不動産会社もあります。しかし、最終的に手元に残るお金を増やすためには、必ずしもきれいにリフォームしてから売ることが正解とは限りません。
なぜなら、中古物件を購入して自分の好みに合わせてリフォームしたい人も一定数いるからです。
東京・神奈川・埼玉・千葉に住む20~50代の男女3,000人を対象に実施した、リフォーム・リノベーションへの関心についての調査結果(grooveagent調べ)では、「会社によるリフォーム・リノベーション」は24.5%、「自身(DIY)でリフォーム・リノベーション」は9.8%と、自身の好みに合わせて中古物件に手を加えたいと考えている人は34.3%いることがわかります。
自分でリフォームしたい人にとってリフォーム済みの物件は、リフォーム前よりも販売価格が高くなったり、一度きれいにしたものを再び壊すことへの後ろめたさといったデメリットも多いです。
リフォームにコストをかけると、マンションがリフォーム前より高く売れても、結果的にそれほど差がないこともあります。また、リフォームにはお金だけでなく時間も労力もかかります。
マンション売却時のリフォームに関して詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
7-4.高く売るサポートをしてくれる不動産会社を選ぶ
マンションを高値で売却するには、高く売ってくれる不動産会社選びが重要です。
高く売ってくれる不動産会社とは、例えば「営業力のある不動産会社」です。営業力のある不動産会社は、マンションの売り出し価格を適正に設定し、写真を多用しながら魅力的な広告・販売図面を作成するなど、購入希望者を集めるノウハウを持っています。
【営業力のある不動産会社の具体例】
- マンションの適正な販売価格を見極めてくれる
- マンションの魅力が伝わる広告・販売図面を作成できる
- マンションのアピールポイントを的確に言語化してくれる
- 部屋が明るくおしゃれに見える掲載写真を撮影してくれる
- 売却したいエリアの不動産情報について詳しく、潜在顧客を抱えている
上記のような不動産会社は、営業力が高く、購入希望者を早期に見つけてくれる可能性が高くなります。
もし購入希望者が複数現れれば、相手に物件を取られないための競争心理が働き、値引きなしで売れる可能性もあるでしょう。
8.マンションを高く売れる不動産会社の選び方
仲介手数料無料の不動産会社を探して売却コストを抑えることよりも、マンション自体を高値で売ることができれば、結果的に多くのお金を手にできる可能性が高くなります。
ここでは、高く売れる不動産会社を選ぶためのポイントを4つ紹介します。
- 取り扱い物件の多い会社を選ぶ
- 「囲い込み」をしないか確認する
- 実際に売却したマンションの販売図面を見せてもらう
- 査定価格の根拠を丁寧に説明してくれる会社を選ぶ
不動産会社に売却を依頼したら、最低でも3ヶ月ほどは一緒に売却活動をすることになります。以下のポイントを把握し、会社選びの参考にしてくださいね。
8-1.取り扱い物件の多い会社を選ぶ
まず、取り扱い物件が多い不動産会社を選びましょう。
マンションの購入者側の気持ちになってみると、なるべく多くの選択肢から気に入る物件を探したいはずです。
売主は取り扱い物件が少ない会社に売却を依頼しても、買主がなかなか現れない場合があります。
マンションの売却は、物件数が多く、購入希望者が集まりやすい会社に依頼するのがおすすめです。
取り扱い物件の多い会社を探すには、売りたいマンションがある地域の不動産会社を調べ、各会社のHPを確認してみてください。公開されている売却中のマンションの数を比較することで、物件数の多い会社が分かります。
ただし、「物件数No.1」という謳い文句を掲げている不動産会社があれば、注意が必要です。
基本的に不動産会社が持っている物件情報は、レインズという不動産会社向けのシステムで共有されています。レインズ会員の不動産会社は、他社が取り扱っている物件も紹介できる仕組みです。レインズを介して紹介できる物件数は同じであるため、「物件数No.1」に該当する不動産会社は存在しません。
多数の取り扱い物件を持ち、買主が集まりやすい会社を見極めるためには、1社ずつ丁寧に比較してみましょう。
8-2.「囲い込み」をしないか確認する
仲介手数料無料のリスクとして、仲介物件を自社のみで抱え込む「囲い込み」をされると、マンションが売れにくくなり、売却価格も下がりやすいと述べました。
先ほど、仲介手数料が無料の不動産会社を例に挙げて説明しましたが仲介手数料を取る不動産会社も、売主・買主の両方から手数料を取りたいために、囲い込みをする場合があります。
会社にとってはメリットの大きい囲い込みですが、売主にとってはデメリットしかありません。
囲い込みを防ぐためには、不動産会社と契約する前に、囲い込みをしないか確認しましょう。
また契約後、実際に囲い込みをしていないかを確認することも大切です。聞きにくいことかもしれませんが、会社は定期的に売却活動の状況を売主に報告する義務があります。遠慮せずに聞いてみましょう。
8-3.実際に売却したマンションの販売図面を見せてもらう
不動産会社を選ぶ際は、各会社が営業活動に使っている販売図面が良い判断材料になります。
買主は最初に広告などの販売図面を見て、興味を持って初めて内覧や交渉などを進めます。そのため、物件の魅力が伝わる販売図面を作成してもらえるかどうかが重要なポイントです。
依頼を検討している不動産会社があれば、実際に売却したマンションの販売図面を見せてもらいましょう。
不動産会社は業務の効率化を図るために、決まった雛形を使って販売図面を作成するケースが多いです。同じ会社に依頼した場合、だいたい同じ構成や情報量の販売図面が出来上がると考えられます。
営業力の高い会社や担当者かどうか見極めるためには、次のポイントをチェックしましょう。
【良い販売図面のチェックポイント】
- 物件のアピールポイントが強調されているか
- 情報がひと目で分かりやすい構成になっているか
- 明るく鮮明な写真を使用しているか
逆に、次のような販売図面の場合、高値でのマンション売却はあまり期待できません。
【悪い販売図面の特徴】
- 間取り図が見にくい
- 情報が少ない
- 物件の魅力が伝わらない
良い販売図面を作成できる担当者は、物件の良さを理解し、買主に伝える能力が高いといえるでしょう。マンションを高く売却するには、売却済みマンションの販売図面を確認し、営業力の高い会社を選んでくださいね。
8-4.査定価格の根拠を丁寧に説明してくれる会社を選ぶ
複数の不動産会社に査定を依頼し、査定価格の根拠をしっかりと説明してくれる会社を選ぶことも重要です。
マンションを売却する際は、売り出し価格が高すぎると売れなくなり、安すぎると損をしてしまいます。
一方で、最初の査定価格は実際の相場よりも高めに出されることが一般的です。単純に査定価格が高い会社を選ぶと、売却期間が長引いたり、結果的に値引額が大きくなってしまう可能性もあります。
そのため、「本当に売れる価格」を見極めてくれる不動産会社を選ばなくてはなりません。市場価格や過去の売却データといった根拠を示し、納得できるように説明してくれる会社に依頼しましょう。
地域情報に詳しく、マンションの適正価格を根拠と共に説明してくれる会社は、すでに「近くで新しい物件が出たら教えてほしい」という顧客を抱えていることもあります。売り出しの時点で買い手の目星がつくのはかなり有利です。
手数料無料だけにこだわると、このような重要なポイントを見逃し、営業力の低い会社や営業活動をおろそかにする会社を選んでしまう可能性があります。結果的に手元に残る金額が少なくなり、損をしないように注意しましょう。
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9.マンション売却における手数料無料のまとめ
本記事では、マンション売却において仲介手数料が無料になる理由や注意点を紹介しました。
仲介手数料無料でマンションを売却することで、売却のための費用が抑えられ自己資産を増やすことができます。
一方で、囲い込みによってなかなか売却が決まらなかったり、十分なサービスを受けられなかったりするリスクもあります。
マンション売却の仲介手数料が無料の不動産会社を選ぶ際は、口コミや評判を参考にしてリスクを抑えて選ぶようにしましょう。
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【1】中古マンション売却を現状のママで高く、早期に売却できる。
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