更新:2024.02.05

マンション売却の内覧の流れとは?好印象を与えるコツと事前準備

マンション 売却 内覧

「売却マンションの内覧申し込みは来るのに、なかなか成約に繋がらない」

「マンション売却の内覧をする際の注意点はなに?」

物件売却の内覧は、売却活動を行う上で最も重要なプロセスと言っても過言ではありません。購入者は内覧によって物件を購入するかどうか決断に至ることが多いからです。

マンション売却の内覧においては、以下の3つのステップがあります。

  • 事前準備
  • 当日準備
  • 当時の対応

この記事では、マンション内覧を成功させるための事前準備や好印象を持たれやすい当日の対応について紹介していきます。

この記事をお読みいただくことで、マンション売却の内覧にどのように臨めばよいのかが分かります。ぜひ、この記事をマンション売却の内覧準備に役立ててください。

[監修]宅地建物取引士

市野瀬 裕樹

中古マンション売買仲介を累計1200件以上監督。株式会社groove agentにおいて不動産売買の業務に3年従事。買い手をサポートしてきた経験を活かし、どうすれば高く売れるのか?を、買い手目線で不動産売却仲介のアドバイスを行う。

目次

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    1.マンション売却の内覧の流れ

    1.マンション売却の内覧の流れ

    それではまず、マンション売却の内覧の流れを見てみましょう。マンション売却の際には以下のようなステップで内覧が行われることが一般的です。

    1. 内覧予約の申し込みを確認
    2. 購入希望者の内覧を行う
    3. 成約まで繰り返す

    1つずつ解説していきますね。

    1-1.内覧予約の申し込みを確認

    まずは、購入希望者が不動産会社に内覧予約をしたいという連絡をします。不動産会社は購入希望者に大まかなスケジュールを確認し、売主に内覧のスケジュール確認を行います。

    内覧のスケジュールはできる限り購入希望者に合わせることが望ましいでしょう。購入希望者は数日後や1週間後等希望の日時を指定してきますが、場合によっては「今日これから行きます」ということもあります。

    もちろん、売主のスケジュールがどうしても合わない場合には、スケジュール調整は可能です。

    しかし、スケジュールの調整が上手く行かずにせっかくの内覧がキャンセルになってしまうことは非常にもったいないことです。できる限り購入希望者のスケジュールに合わせられるようにしておくことをおすすめします。

    内覧希望は一般的には土日に入ることが多いです。

    1-2.購入希望者の内覧を行う

    購入希望者の内覧に立ち合います。

    内覧の際には不動産会社の担当者が購入希望者を車で迎えに行ったり、待ち合わせをして物件を案内することが一般的です。

    売主はしっかりと準備を整えて対応しましょう。購入希望者が見たい場合には、キッチンの引き出しやクローゼットに至るまでできる限り見せる必要があります。

    内覧にかかる時間は30分で済むこともあれば、2時間程度かかることもあります。

    内覧が終わると購入希望者は不動産会社の担当者とともに退室します。すぐに購入に至ることもありますが、しばらく考えてから不動産会社に返事を出す、ということが一般的です。

    1-3.成約まで繰り返す

    内覧が終わったら、購入希望者の返事を待たずに引き続き売却活動を行います。もしも返事をもらうまでに他の購入希望者が内覧を希望してきたら迷わず内覧を受けましょう。

    そうして、成約に至るまで内覧を繰り返します。

    成約に至るまでの内覧数は、月に3~4回、売却に至るまでに10回程度が一般的と言われています。

    とはいえ、物件の売却はめぐり合わせなので、1回で決まることもあれば15回内覧しても決まらないこともあります。

    すぐに売却が決まれば問題ないのですが、10回以上の内覧があっても売却に至らない場合、もしかしたら売却活動になんらかの問題があるかもしれません。

    内覧が多いにもかかわらずなかなか売れない場合は、この記事の「5.マンション内覧が多いの売れない場合の対処法」を参考にしてみてください。

    2.マンション売却の内覧前に行う事前準備

    2.マンション売却の内覧前に行う事前準備

    この章では、マンション売却の内覧でしておきたい事前準備を解説していきます。

    第1章でも解説した通り、マンションの売却活動を始めたらいつどのようなタイミングで内覧の申込が来るかは分かりません。場合によっては「今から行きます」ということもあり得ます。

    そんな時、あらかじめ準備をしておかないと急に対応できないこともあるでしょう。

    マンションの売却活動を始めたら、いつ内覧の申込が来てもすぐに対応できるよう、事前に以下の準備はしておくことをおすすめします。

    • 余計なものを片付けて整理整頓をする
    • 水回りの清掃をする
    • 臭いを除去する
    • 部屋の傷を修理する
    • スリッパを準備する
    • 内覧者からの質問に備える
    • ホームステージングを活用する

    それでは下記にて紹介します。

    2-1.余計なものを片付けて整理整頓をする

    まずはマンションにある余計なものを片付けます。

    マンションの売却活動の際、まだその物件に売主が住んでいること自体は珍しいことではありません。しかし、部屋に物が多くて片付いていない状態だと、購入希望者に対して第一印象が悪くなってしまいます。

    また、購入希望者は内覧の際、「自分だったらどのように家具を置いてどのように生活するのか」をイメージしたいと思います。そのため、内覧する部屋に物が多くて雑多だった場合には自分がどのように生活をするのかイメージしづらくなってしまいます。

    すっきりとして綺麗に片付いている場合、部屋が広く見えるなどの利点もあります。

    マンション内覧に向けては、なるべく余計なものを片付けて部屋をキレイに保つことが大切です。

    2-2.水回りの清掃をする

    マンションの内覧を行う際には水回りの清掃はしっかりと行いましょう。水回りは物件の中でもかなり生活感が出やすく、汚れや臭いが付きやすい場所です。

    水回りが汚いと物件全体に対してのイメージが悪くなってしまうこともあります。入居の前にクリーニングを行う場合であっても、第一印象が悪いと購入に至らなくなってしまうことがあるため、十分に注意が必要です。

    キッチンや風呂、洗面所やトイレ等は特に見られるポイントですので、念入りに掃除しておきましょう。

    2-3.臭いを除去する

    物件の臭いの除去はマンション売却においてとても重要なポイントです。住んでいる人にとっては気にならない臭いでも、外から来た人には気になる場合があります。

    特に水回り等は臭いが出やすい場所ですので、しっかりと脱臭を行いましょう。

    臭いを除去するためには、場合によっては数日かかる場合があります。マンションの売却活動を行うとなったらなるべく早くに対応しておく必要があります。

    消臭の方法としては、まずはキレイに清掃すること。臭いが残ってしまう場合には風通しを良くして臭いを逃がしたり、脱臭剤や消臭剤を利用しましょう。

    2-4.部屋の傷を修理する

    2-4.部屋の傷を修理する

    部屋についている傷や汚れなどは無理に隠さず、修理しておきましょう。

    最近では壁紙修復用のツールや塗料が売っていたり、床の傷を目立たなくするパテなどがホームセンターなどで販売されてたりします。しかし、こういったもので簡易的に隠すと後で傷が発見され、トラブルになってしまう可能性もあります。

    最悪の場合、契約不適合責任を問われ賠償金を請求されてしまうこともあります。契約不適合責任とは、購入後に物件になんらかの不具合があった場合にそれらを修繕したり、賠償したりする責任のことです。

    そのため、傷や汚れを無理に隠すことはやめましょう。

    もちろん、常識的な範囲で掃除をして汚れを消したり傷を見えにくくするなどは問題ありません。

    また、原則的にはリフォームはする必要はありません。リフォームにはかなりお金がかかってしまうため、結果的に物件を売却したとしても損失が出てしまうこともあるためです。

    とはいえ、物件の状態によってはリフォームをした方が高く売れることもあります。マンションの状態が悪く気になる場合は、不動産会社に相談してみると良いでしょう。

    2-5.スリッパを準備する

    来客用のスリッパがない場合には、購入して準備しておきましょう。不動産会社が用意してくれることもありますが、一般的にスリッパは売主が用意します。

    スリッパを用意する場合には、4~5足ほど用意しておくといいでしょう。

    購入希望者は何人で内覧に訪れるかは分かりません。家族全員で訪れるということも考えられる為、多めに用意しておくと便利です。

    2-6.内覧者からの質問に備える

    事前に予想される質問を抽出し、回答を用意しておくようにしましょう。特に、答えにくい質問に対しては回答を間違えてしまうと売却につながらないなども考えられます。

    予想される質問はなるべくたくさん出しておいて、回答を用意しましょう。下記に想定問答の例を書き出してみたので参考にしてみてくださいね。

    質問の例 回答の例
    このマンションの気に入っているところと気に入っていないところは?

    静かな環境なのが気に入っています

    静かなのは良いですが、繁華街までは少し歩きます

    家の周りに坂道が多いのが気になります 坂道は多いですが、その代わり景色がとても良いです
    子供が多い環境でうるさいのでは?

    子供は多いですが夜には静かになりますよ

    活気があって雰囲気が良いですよ

    スーパーまで遠いですね

    スーパーまでは遠いですが、コンビニは近いです

    週末に近くで野菜市が開かれるので便利です

    西日が強いですね

    西日はありますが、夕焼けはキレイに見えます

    一日中明るいです

    また、ネガティブな質問や意見をすべて否定する必要はないので正直に答えることを心掛けましょう。

    あまりにも否定的な意見を打ち消そうとすると、押し売りしている印象を持たれる可能性もあるので注意です。加減は難しいところですが、不自然にならない程度に答えを見つけておくとよいでしょう。

    2-7.ホームステージングを活用する

    ホームステージングとは、部屋を魅力的に見せるために行うスタイリングのことです。

    ホームステージングでは、専門家による家具の配置のアドバイスを受けながら、部屋のイメージに合ったプランを選ぶことができます。

    内覧の際に利用することで、理想的な生活イメージを伝えることができ、好印象にもつながります。実際に海外ではよく利用されており、ホームステージングを行うことで成約率や成約価格が上がることもあります。

    物件の魅力を引き出したい場合や、空き家で生活イメージがわかりづらい場合は、ぜひホームステージングを利用してみることをおすすめします。

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    3.マンション売却の内覧で好印象を与える7つのコツとは

    3.マンション売却の内覧で好印象を与える7つのコツとは

    マンション売却の内覧で好印象を与えるコツを7つ紹介します。

    1. 快適な室温に調整する
    2. 部屋の照明を明るくしておく
    3. 住民だからこそ知る情報を伝える
    4. アピールしすぎない
    5. 話し込む場合はお茶を出してもてなす
    6. 見学しやすいよう内覧は一人で対応する
    7. 内覧者と口約束をしない

    順に紹介します。

    3-1.快適な室温に調整する

    まずは室温を快適な温度に調整しておきます。

    ここまでで何度も解説している通り、部屋に入った時の第一印象はとても大切です。

    部屋に入った時に寒すぎたり暑すぎたりしないよう、室温はしっかり調整しておきましょう。

    暑い夏場は室温を下げておくと良いですが、冬場の場合は余り室温を上げすぎないようにしましょう。外から入ってくると、ずっと室内にいる人よりも暑く感じやすいためです。

    夏場は26度程度、冬場は20度程度に調節しておきましょう。

    3-2.部屋の照明を明るくしておく

    内覧の前に、部屋のすべての照明をつけておきましょう。

    部屋に入った瞬間に「暗いなあ」と思われてしまわないよう、全ての照明を付けておくと良いでしょう。

    また、事前に切れている電球がないかも確認しておきましょう。全ての照明を付けて「明るい部屋」をアピールすることが重要です。

    3-3.住民だからこそ知る情報を伝える

    地域で役立つ情報を伝えるのもおすすめです。「2-6.内覧者からの質問に備える」でも少し解説しましたが、近くで野菜市が開催されたり、隣人同士のコミュニティがあれば積極的に伝えてあげましょう。

    例えば子供のいる家庭であれば、近くで遊びやすい公園の情報などを教えてあげると喜ばれます。

    地域に詳しくないと、入居してから馴染めるかどうか不安に思う方も少なくありません。住民ならではの役立つ情報は惜しみなく教えてあげると良いでしょう。

    3-4.アピールしすぎない

    3-4.アピールしすぎない

    購入希望者に、物件の良さをアピールしすぎるのはやめましょう。

    基本的に、購入希望者は不動産会社の担当が中心になって対応します。売主は積極的に話をするというよりは、不動産会社の担当から話を振られたり、購入希望者から質問があった際に答える程度で十分です。

    あまりにも物件をアピールしすぎると、購入希望者が引いてしまう可能性があるからです。

    3-5.話し込む場合はお茶を出してもてなす

    内覧が長くなりそうであれば、お茶を出す提案をしても良いでしょう。

    基本的に、内覧の際にはお茶を出す必要はありません。しかし、場合によっては買主が興味を持ってくれて話し込むこともあるでしょう。

    内覧が長くなるということは購入希望者が物件に興味がある証拠です。話が長くなりそうであれば、折を見てお茶を出したり椅子をすすめるのもいいでしょう。

    ただし、「お茶を用意しますね」という言葉をきっかけに購入希望者が「そろそろ帰らなくては」と思ってしまうこともあります。

    さりげなくお茶を出してあげると好印象をもたれるでしょう。

    3-6.見学しやすいよう内覧は一人で対応する

    内覧の対応にあまり大人数だと購入希望者にプレッシャーを与えかねません。基本的に一人で十分です。

    大人数で待ち構えられていたら、購入希望者もゆっくりと落ち着いて家を見ることができません。購入希望者が家族で訪れるということも十分にあり得ますし、人数が多いと内覧しづらいというデメリットもあります。

    原則的に対応するのは二人以内、できれば一人で行うと、購入希望者も内覧しやすいでしょう。

    3-7.内覧者と口約束をしない

    内覧者とは口約束をしないようにしましょう。

    対応しているうちに内覧者とウマがあってしまい、盛り上がってしまうといったこともあるでしょう。それ自体は全く問題ないのですが、内覧者からの要望や希望があった際には要注意です。

    ついつい口約束をしてしまうと、場合によっては後からトラブルに発展することもあるからです。

    内覧者と話で盛り上がっても、なんらかの希望や要望があった場合には口約束をせずに濁すか、不動産会社の担当に振るようにしましょう。

    4.マンション売却の内覧が少ない場合の対処法

    4.マンション売却の内覧が少ない場合の対処法

    ここからは、マンション売却の内覧が少ない場合の対処法を解説していきます。

    マンションの内覧を受け入れるための準備をしっかりと行ったとしても、肝心のマンション売却の内覧が少なかったらマンション売却のチャンスは生まれませんよね。

    「1-3.成約まで繰り返す」でも解説した通り、物件の売却活動を始めてから売却までの内覧の数は月に3~4回、売却に至るまでに10回程度が一般的と言われています。

    もしもこれよりも内覧数が大幅に少ない場合などは、まずはマンション内覧数を増やすために以下のことを見直していきましょう。

    • マンションの売却価格を見直す
    • 公開しているマンションの写真や情報を見直す
    • 依頼している不動産会社の営業活動を確認する
    • 同じマンション内に売り出し物件がないかを確認する

    それぞれ、解説していきます。

    4-1.マンションの売却価格を見直す

    まず、マンションの価格が適正かどうか見直してみましょう。

    そもそもマンションの価格が高い場合は購入希望者がなかなか集まりません。

    マンションの価格を高めに設定してしまうと、購入希望者の検索からはじかれてしまうことも考えられます。これだと、購入希望者の目に触れることすらかなわない可能性があるのです。

    マンションの価格は少なくとも、その地域やエリアで似たような物件の相場を確認して決定する必要があります。不動産情報サイトを見て自分の物件と照らし合わせながら、妥当な価格を見つけていきましょう。

    4-2.公開しているマンションの写真や情報を見直す

    公開しているマンションの写真や情報を見直すのも有効です。

    購入希望者はマンションの情報を購入の際の参考にします。その情報が十分でなかったり、物件の魅力を伝えきれていないなどの場合にはやはり売り逃しにつながってしまうことも考えられます。

    特に注意すべきはマンションの写真です。売却したいマンションの画像は、物件の魅力をもっとも伝えやすいツールです。もし、マンションの画像が魅力的に映っていない場合、条件に合っている購入希望者が見ても内覧につながらない恐れがあります。

    マンションの写真を撮影する際には、主に以下のことに気を付けてみましょう。

    • 明るく撮影する
    • 水平に撮影する
    • 全体像がわかるように撮影する

    物件写真が暗かったり綺麗に撮れていない場合には、物件の魅力は半減してしまいます。以上の3つに気を付けるだけでも物件そのものの印象は大きく変わりますので、修正できる点は修正してみましょう。

    その他にも、マンション周辺の情報など、掲載している情報に足りない部分がないか確認し、より魅力を伝えられるように修正してみましょう。

    4-3.依頼している不動産会社の営業活動を確認する

    内覧が少ない場合には、販売を依頼している不動産会社の営業活動がどのようになっているのかを確認してみましょう。

    不動産会社との媒介契約によって、不動産会社からの営業活動の報告義務の頻度などが異なります。契約の形式によっての営業活動の報告義務の頻度は以下の通りに定められています。

    営業活動の報告義務
    一般媒介契約 報告義務なし
    専任媒介契約 14日に1度以上
    専属専任媒介契約 7日に1度以上

    自分が不動産会社とどの形式で契約をしているのかを確認し、報告が少ないようであればこちらから働きかけて聞くようにしましょう。

    また、営業活動が足りていないと感じたら、売主側から積極的に動いてもらえるよう働きかけることも重要です。

    営業活動の具体的な例としては以下の2つをご紹介します。

    • マンションの広告を増やす
    • オープンルームを実施する

    順に紹介します。

    4-3-1.マンションの広告を増やす

    マンションの広告が十分ではないと感じたら、増やしてもらえるように伝えましょう。不動産売却においてマンション広告の配布は重要と言われています。

    マンションの広告が少ない場合、それだけチャンスを失っているといえます。増やしてもらうことでマンションの存在を広める可能性が広がります。

    マンション売却時の広告費用は基本的に不動産会社が負担するものです。こうした活動をしっかり行えるかどうかで内覧者が増える可能性が出てくるのです。

    4-3-2.オープンルームを実施する

    オープンルームを実施することで、一般の方に物件をアピールしやすくなります。オープンルームとは、特定の日に売却したい物件を一般の方向けに開放して自由に見学できるようにすることです。

    一般的な内覧と異なり、事前予約が必要なので近隣に住んでいて、わざわざ内覧申し込みをするほど積極的でない方にも物件を見てもらえるためチャンスが広がります。

    デメリットとしては、居住中の物件を不特定多数の人に見せることになるという点です。中には興味本位で来る人もおり、そうした人に対しても対応する必要が出てしまいます。

    オープンルームは効果的に実施できればチャンスが広がりますが、準備にも時間がかかるため、不動産会社の担当者と相談しながら進めていきましょう。

    4-4.同じマンション内に売り出し物件がないかを確認する

    同じマンション内で売り出し中の物件がないか確認してみましょう。

    同じマンション内で多くの物件が売り出されていると、どうしても条件的に有利な物件が競合となってしまい売り残ってしまう可能性があります。

    例えば広さや間取りが同じ条件だった場合には、南向きの部屋や角部屋、上階のほうが選ばれやすい傾向にあるのです。

    また、そもそも同じマンション内で物件が多く売り出されていると購入希望者としては「このマンションには何かあるのかな?」と疑問に思ってしまうこともあります。

    同じマンション内で売り出し中の物件を確認し、それらの販売価格を確認したり、可能であれば販売時期をずらすということを検討してみると良いでしょう。

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    5.マンション内覧が多いのに売れない場合の対処法

    5.マンション内覧が多いのに売れない場合の対処法

    マンションの内覧が多いのに売れない、ということもあるかと思います。

    せっかく内覧に足を運んでくれても売却に至らないといったことが多いのであれば、以下のことを検討してみましょう。

    • マンションに問題がないか見直す
    • つぶし物件を疑う
    • 媒介契約を見直す

    それぞれ紹介します。

    5-1.マンションに問題がないか見直す

    まずは、マンション自体に問題がないか見直してみましょう。

    内覧に足を運んでいるにもかかわらず購入に至らないということは、物件そのものに魅力がない、という部分が少なからずあるかもしれません。

    例えば、マンションがあまりきれいでなかったり、物が多いなどの場合は購入希望者が入居時のことをイメージしづらくなってしまいます。

    また、よくある点としては「臭いが気になる」などの可能性もあります。住んでいる人には気付かない、生活しているうえでしみついた臭いがある場合、物件そのもののイメージが悪くなることがあります。

    自分で解決できる部分に関してはしっかりと対応し、物件を魅力的に見せる努力をしましょう。

    もちろん、これ以外に売主がどうしようもない問題もあります。例えば、マンションの周りに坂道が多かったり、物件の日当たりが悪いなどです。

    こうした環境に関してはどうしようもありません。内覧が多いということは物件そのものには魅力があるということを考えて、買いたいという人が現れるまで辛抱強く待つことも必要かもしれません。

    5-2.つぶし物件を疑う

    内覧が多いにもかかわらず販売に至らない場合には、いわゆる「つぶし物件」にされていないかどうかを疑ってみましょう。

    つぶし物件とは、不動産会社の担当者が本命の物件を売りたいがために、見劣りする物件を購入希望者に見せることで本命を売る、という方法です。

    自分の物件をつぶし物件にされてしまうと、不動産会社の担当者は自分の物件に内覧者を呼びながら、実は別の本命物件を売却している、ということになり、大損です。

    もちろん、このような悪質な不動産会社ばかりとは言えません。しかし、つぶし物件にされてしまうと売主としては避けようがないため問題は深刻化することがあります。

    そのようなことが疑われる場合はまずは不動産会社の営業活動をしっかりと確認しましょう。また、場合によっては、適正価格に値下げするなども必要です。

    マンションがつぶし物件として成り立ってしまうのは、物件の魅力に対して価格が高いからということも言えます。物件の魅力に適した価格であればそのようなことをするまでもなく、売れる可能性は高まるのです。

    5-3.媒介契約を見直す

    不動産会社との契約の形式を見直すのも1つの方法です。

    不動産会社との契約の形式によって、不動産会社の力の入れ方も変わってきます。媒介契約には以下の3つがあります。

    専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
    複数の不動産会社と契約が可能 × ×
    自分で買手を見つけられる ×
    不動産流通機構(レインズ)への登録 契約から5日以内に登録 契約から7日内に登録 登録義務なし
    販売状況の報告の制度 7日に1度以上 14日に1度以上 規定なし

    不動産会社との契約の拘束力は、専属専任媒介契約が最も高くなり、専任媒介契約→一般媒介契約という順に低くなります。

    専属専任媒介契約の場合は「契約している不動産会社以外では売らない代わりに、営業活動もしっかり行います」という内容の契約になるのです。

    逆に一般媒介契約の場合は、不動産会社がしっかりと売却活動を行っても、別の不動産会社経由で売却してしまうと手数料などは一切入ってきません。この場合は売却活動にかかる費用は無駄になってしまう、と思う不動産会社が多くなってしまうのです。

    もしも「売却活動をしっかりとやってくれない」と思っている場合で一般媒介契約を結んでいる場合には、専任媒介契約か専属専任媒介契約を検討してもいいかもしれません。

    もちろん、媒介契約は状況に応じて決めていく必要があります。複数社と契約することで売却のチャンスが広がることもあるかもしれませんし、知り合いなどで購入希望者が現れた場合などは不動産会社を挟まない方が有利です。

    状況に応じて自分にはどの契約が最も適切かを判断し、契約を結ぶようにしましょう。

    6.マンション売却の内覧に関するよくある質問

    6.マンション売却の内覧に関するよくある質問

    マンション売却の内覧に関するよくある質問を紹介します。

    • マンション売却までの必要な内覧件数は何件?
    • マンション売却の内覧が大変と言われるのはなんで?
    • マンション売却の内覧後の返事はいつまでにもらえるの?

    順にお答えしますので、同じような疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてください。

    6-1.マンション売却までの必要な内覧件数は何件?

    マンションを売却する際には、おおよそ6件程度の内覧が必要と考えられます。

    売主側の内覧数に関する統計的なデータはありませんが、買主側の内見数については情報が存在します。みずほ不動産販売が公表している「アンケートで見る不動産トレンド」によれば、買主が問い合わせた物件数の平均は6.0件です。

    買主の内見数は売主の内覧数とは一致しませんが、買主が6件見て1件を選ぶというのであれば、売主も6回見られて1回の確率で売却が成立すると推測できます。

    マンションの場合、魅力的な物件は出品後1~2ヶ月で決まってしまうことが多いです。内覧は週末に集中するため、毎週末に1件ずつ内覧が入るとすると、おおよそ1.5ヶ月で6件の内覧が行われることになります。

    ただし、購入希望者の中には10件以上見ないと物件を決めない人もいるため、内覧回数が10回以上必要な場合もあります。

    6-2.マンション売却の内覧が大変と言われるのはなんで?

    マンション売却の内覧が大変と言われている理由としては、主に下記の3つが挙げられます。

    • 掃除や片付け
    • 当日の時間調整
    • 買主に対する誠意

    上記の3つがマンション売却の内覧が大変と言われている理由ですが、いずれも事前に知っておくことで十分に対応できますので、可能な限り対応し内覧件数を減らしましょう。

    6-3.マンション売却の内覧後の返事はいつまでにもらえるの?

    マンションの内覧後、購入希望者からの返事はおよそ3日〜1週間程度で来るとされています。

    内覧が来る時点で購入希望者は下記のいずれかの状態であるため、1週間ほどという短い期間で返事が来るようです。

    • 事前に購入するかどうか検討している
    • とりあえず物件が見たい

    上記のうち、事前に検討されていた場合は、内覧で気に入ってくれれば翌日に連絡がくるケースも少なくないようです。

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    7.まとめ

    7.まとめ

    この記事ではマンション売却の内覧を有利にする方法など、以下の内容を詳しく解説してきました。

    マンション売却の内覧はしっかりと準備することで売却に有利に働くことは間違いがありません。逆に、準備が不十分だった場合はせっかく内覧してもらってもチャンスを活かせないこともあります。

    ぜひこの記事をお読みいただき、マンション売却の準備に役立てていただければ幸いです。

    無料相談をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。

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