更新:2024.04.15

仲介手数料無料の会社は怪しい?仕組みや損しない売買の方法を解説

仲介 手数料 無料

「できれば仲介手数料無料で不動産を売却・購入したい……」

「でも、仲介手数料が無料の不動産会社は怪しい?」

そんな疑問や悩みをお持ちではないですか?

本来支払いが必要な仲介手数料が無料となると、「何か落とし穴があるのでは?」と不安を感じますよね。しかし、「仲介手数料無料=怪しい会社」ではありません。

不動産会社が仲介手数料を無料にしたうえで、収益を上げられる正当な仕組みは存在します。

仲介手数料を無料

ただし、仲介手数料が無料の会社を選ぶ際のリスクもあるのは事実です。場合によっては、お金や時間を損してしまう可能性があります。

お金や時間を損してしまう可能性

「仲介手数料無料」に飛びついて損をしないためには、リスクを踏まえて複数の不動産会社を比較することが重要です。仲介手数料無料の会社を選ぶかどうか以前に、チェックすべきポイントがあります。

そこで本記事では、以下について詳しく解説します。

この記事を読めばわかること

  • 不動産会社が仲介手数料を無料にできる仕組み
  • 仲介手数料無料の不動産会社に依頼するリスク
  • 損をしない不動産会社を選ぶためにチェックすべきポイント

本記事を読めば、会社選びを間違えて損をすることなく、堅実に売却・購入を進める方法が分かります。

住み替えを成功させるために最適な不動産会社を選びたい人や、お得に不動産を売買したい人はぜひ参考にしてくださいね。

[監修]宅地建物取引士

市野瀬 裕樹

中古マンション売買仲介を累計1200件以上監督。株式会社groove agentにおいて不動産売買の業務に3年従事。買い手をサポートしてきた経験を活かし、どうすれば高く売れるのか?を、買い手目線で不動産売却仲介のアドバイスを行う。

目次

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    1.不動産会社の仲介手数料が無料になる仕組み

    「仲介手数料無料の会社には何か裏があるのかな……」と疑問に思われがちですが、不動産会社が利益を得たうえで仲介手数料を無料にできる仕組みがあります。

    ここでは、購入時と売却時に分けて、仲介手数料を無料にできる理由を解説します。不動産仲介の構造を理解することで、自分に合った不動産会社を選ぶときにも役立つので、一緒にチェックしていきましょう。

    1-1.【購入時】仲介手数料を無料にできる理由

    購入時に不動産会社の仲介手数料が無料になる理由は、次の2つが挙げられます。

    • 売主が不動産会社の場合、仲介手数料は発生しないから
    • 両手仲介で、売主からのみ仲介手数料を受け取っているから

    1-1-1.売主が不動産会社の場合、仲介手数料は発生しないから

    そもそも仲介手数料とは、不動産売買の仲介が成立したときに不動産会社が受け取る成功報酬のことです。

    購入する物件の売主が不動産会社自身である場合は、「仲介」の業務が行われないため、仲介手数料は発生しません。

    ▼不動産会社が売主のケース

    不動産会社が売主のケース

    広告や物件資料には「売主」「媒介」など、不動産会社がどのような形態でその物件の取引に関与しているか明記されています。「売主」と書かれている場合は、不動産会社が物件の売主なので、仲介手数料を支払う必要はありません。

    1-1-2.両手仲介で、売主からのみ仲介手数料を受け取っているから

    仲介業務が発生する両手仲介でも、手数料が無料になる場合もあります。例えば、不動産会社が売主のみから仲介手数料を受け取り、買主の仲介手数料を無料にするケースです。

    通常、1つの不動産会社が売主と買主の間に入って仲介する両手仲介の場合は、売主と買主の両方から仲介手数料を受け取っています。

    ▼通常の両手仲介のケース

    通常の両手仲介のケース

    不動産会社は仲介業務において、仲介手数料を受け取ることで利益を上げています。物件を売りたい人がいても、買主が見つからなければ仲介の取引は成立せず、収益は入ってきません。

    そこで、買主側の手数料を無料にすることで、物件を売れやすくするビジネスモデルを取っている不動産会社は多いです。

    ▼両手仲介で買主の仲介手数料が無料になるケース

    両手仲介で買主の仲介手数料が無料になるケース

    不動産会社が売主から仲介手数料を受け取って利益を得ることで、購入時の仲介手数料を無料にすることが可能です。

    このように、購入時の仲介手数料が無料になるのは自然な仕組みです。それほど疑心暗鬼になる必要はありません。

    1-2.【売却時】仲介手数料を無料にできる理由

    続いて、売却時の仲介手数料が無料になる2つのケースについて紹介します。

    • 不動産会社が「買取」する場合、仲介手数料は発生しないから
    • 両手仲介で、買取会社から仲介手数料を受け取っているから

    1-2-1.不動産会社が「買取」する場合、仲介手数料は発生しないから

    購入時のケース同様、物件を売却する際に「仲介」が行われなければ、仲介手数料は発生しません。

    「即時買取」や「買取保証」を使って会社に直接買い取ってもらう場合、仲介手数料は不要です。

    ▼会社買取のケース

    会社買取のケース

    ただし、「買取」で物件を売る場合、「仲介」で一般消費者に売却するときよりも売却価格が安くなる傾向があるため、覚えておきましょう。

    より詳しくは、不動産の買取について書かれたこちらの記事をご確認ください。

    1-2-2.両手仲介で、買取会社から仲介手数料を受け取っているから

    両手仲介の売却でも、仲介手数料が無料になるケースがあります。

    例えば、買主が一般消費者ではなく買取会社の場合は、仲介手数料が無料になりやすいです。

    ▼両手仲介で売主の仲介手数料が無料になるケース

    両手仲介で売主の仲介手数料が無料になるケース

    不動産の買取会社は、物件を仕入れ、利益を乗せて売却することで収益を上げています。物件を仕入れなければ、事業が成り立たなくなってしまうため、買取会社にとって不動産会社の仲介は欠かせません。

    そのため買取会社は、仕入れ先の不動産会社に対して、お礼として仲介手数料を支払います。それによって、売主の仲介手数料を無料にすることが可能です。

    このように、買主が買取会社の場合は、売却時の仲介手数料が無料になることがあります。

    1-3.【購入時・売却時共通】仲介手数料を無料にできる理由

    仲介手数料が無料になる理由は上記がメインですが、他にも購入時・売却時に共通して該当する理由があります。

    • 手数料以外の収入源があり、手数料を受け取らなくても採算が取れるから
    • 経費を削減し、浮いた利益を手数料無料として還元できているから

    1-3-1.手数料以外の収入源があり、手数料を受け取らなくても採算が取れるから

    不動産会社は仲介業だけでなく、賃貸業やリノベーションなど、別の事業を同時に展開している会社もあります。

    仲介手数料以外の収入源があり、仲介とリフォーム・リノベーションなどのサービスをセットにすることで、仲介手数料を取らなくても採算が取れる会社は、サービスとして仲介手数料を無料にすることもあります。

    【仲介手数料以外の収入源の例】

    • 賃貸業の家賃収入
    • 賃貸管理業の手数料収入
    • 住宅・土地の販売で得た収入
    • リフォーム・リノベーションの収入

    仲介手数料だけに頼らない収入源を確保することで、手数料無料を実現することが可能です。

    1-3-2.経費を削減し、浮いた利益を手数料無料の一部として還元できているから

    上記の理由に加えて、運営上かかる経費を削減することで、仲介手数料を無料にできている不動産会社もあります。コストカットにより浮いた利益を「仲介手数料無料の一部」としてお客さんに還元しているパターンです。

    【手数料無料につながる経費削減の例】

    • システムのデジタル化による人件費削減
    • 少数精鋭のスタッフで運営することで人件費削減
    • インターネット広告で集客し、チラシや看板などにかかる広告費削減
    • 店舗数を絞り、テナント賃料削減
    • 設備の簡素化による店舗費用削減

    一般的な不動産会社の収入源は仲介手数料なので、コストカットだけで仲介手数料を無料にすることはできません。それをすると、収入がなくなってしまうためです。

    ただし、上記の「1-3-1.手数料以外の収入源があり、手数料を受け取らなくても採算が取れるから」にあるように他で収入を得たうえで、コストカットをすることで、手数料無料を実現することは可能です。

    このように最近は、企業努力によって人件費・広告費・店舗費用などの支出を抑えることで、仲介手数料を無料にしている不動産会社も増えています。

    2.仲介手数料無料の会社に依頼するリスクもある

    仲介手数料が無料になる仕組みを説明しました。「手数料無料って意外とありかも」と思ったかもしれませんが、仲介手数料無料の会社に依頼した場合のリスクがあることも事実です。

    状況によっては、時間やお金を大きく損してしまうこともあります。

    具体的にどのようなリスクがあるのか、購入時・売却時に分けて説明します。

    2-1.【購入時】仲介手数料が無料の不動産会社に依頼するリスク

    購入時のリスクは、次の2つが考えられます。

    • 物件価格に上乗せされている可能性がある
    • すべての取り扱い物件が手数料無料とは限らない

    2-1-1.物件価格に上乗せされている可能性がある

    先ほど、購入時の仲介手数料が無料になる仕組みとして、「売主が不動産会社の場合は、仲介手数料が発生しない」と述べました。

    物件を不動産会社自身が保有している場合、販売価格は自由に調整可能です。仮に相場より安く仕入れた物件でも、販売価格は割高に設定されている可能性があります。仲介手数料が不要だからといってお得に購入できるとは限りません。

    例えば、相場が2,000万円の物件に利益を大幅に上乗せされ、2,100万円(仲介手数料不要)で購入する場合と、相場通りの2,000万円(+仲介手数料)で購入する場合を比較してみましょう。

    2,000万円の物件購入時に発生する仲介手数料は、上限で66万円(税別)です。仲介手数料の上限額は、基本的に「売却価格×3%+6万円+消費税」で計算されます。

    つまり、仲介手数料なしで2,100万円で購入するより、仲介手数料がかかっても相場通りの2,000万円で購入した方がお得です。

    仲介手数料が発生しなくても、そもそも物件価格が高すぎて損をしてしまうこともあるのです。

    2-1-2.すべての取り扱い物件が手数料無料とは限らない

    仲介手数料無料を謳っている不動産会社でも、すべての取り扱い物件が手数料無料になるとは限りません。

    なぜなら、仲介手数料を無料にできるのは、基本的に両手仲介の物件のみだからです。

    ▼両手仲介で買主の仲介手数料が無料になるケース

    両手仲介で買主の仲介手数料が無料になるケース

    先述した通り、購入時に本当は発生するはずの仲介手数料が無料になる主な理由は、売主から仲介手数料を受け取っているからです。

    ところが不動産仲介は、必ずしも売主と買主の間に入る不動産会社が1社(両手仲介)とは限りません。

    下の図のように、取引する不動産会社が売主と買主で異なるケース(片手仲介)もあります。

    ▼片手仲介のケース

    片手仲介のケース

    片手仲介の場合、買主と取引している不動産会社Bは、買主から仲介手数料を受け取らないと、タダ働きになってしまいます。不動産会社の経費削減や他の収入源によって、サービスで手数料を無料にできているケースを除けば、片手仲介で仲介手数料が無料になることはありません。

    仲介手数料無料を掲げている不動産会社でも、選んだ物件の取引形態によっては仲介手数料が発生する場合があるのです。また、仲介手数料無料の物件のみに絞ると、選択肢が狭まってしまいます。

    2-2.【売却時】仲介手数料が無料の不動産会社に依頼するリスク

    売却時のリスクは、次の4つが考えられます。

    • 「囲い込み」によって売れにくくなる可能性が高まる
    • 結果的に売却価格が安くなる可能性がある
    • 受けられるサービスや対応が不十分になる可能性がある
    • 別の名目で費用が請求される悪質なケースもある

    2-2-1.「囲い込み」によって売れにくくなる可能性が高まる

    仲介手数料無料の不動産会社に売却を依頼した場合、「囲い込み」によって物件が長期間売れないリスクが大きくなります。「囲い込み」とは、自社で両手仲介するために、売却依頼を受けた物件を他社に契約させないことです。

    先ほど説明したように、不動産仲介において売主の仲介手数料が無料になるのは、買主から仲介手数料を受け取っているケースが主です。売主側の手数料を無料にする場合、自社で両手仲介して買主から手数料をもらわなければ、単なるボランティアになってしまいます。

    ▼両手仲介で売主の仲介手数料が無料になるケース

    両手仲介で売主の仲介手数料が無料になるケース

    そのため、もし他の不動産会社から購入希望の問い合わせがあっても、「商談中です」「図面を作成中です」などと理由をつけて、紹介を断ってしまうことがあります。これが「囲い込み」です。

    このように囲い込みをされると、購入を検討してもらう機会が減り、売れにくくなってしまうのです。

    もちろん、仲介手数料無料の会社すべてが囲い込みをするわけではありません。しかし、売上の立て方などを考えると、囲い込みが起きやすい構造であることは確かです。

    売却時に仲介手数料無料の不動産会社に依頼すると、囲い込みによって売却期間が長期化するリスクがあります。

    2-2-2.結果的に売却価格が安くなる可能性がある

    囲い込みをされてしまうと売却期間の長期化だけでなく、売却価格が安くなるリスクもあります。

    囲い込みによって物件が売れにくくなる可能性があるとお伝えしましたが、住み替えのスケジュールや資金計画によっては、「これ以上売却期間を延ばせない」という場合もありますよね。

    しかし、時間が足りなくなったために焦って売却を進め、結果的に売却価格が相場よりも安くなってしまったというケースも少なくありません。

    東京カンテイによる「中古マンションの価格乖離率」のデータによると、売り出しから成約までの期間が延びるにつれて、売り出し価格と取引価格の乖離が大きくなっていました。つまり、売却期間が長期化するほど、値下げ幅が大きくなるのです。

    中古マンションの価格乖離率

    出典:中古マンションの価格乖離率(首都圏)|東京カンテイ

    このように、売却期間の長期化に伴い、結果的に売却価格が安くなってしまうリスクもあります。

    2-2-3.受けられるサービスや対応が不十分になる可能性がある

    仲介手数料が無料の不動産会社を選ぶと、受けられるサービスや対応の質が下がる場合もあります。

    これは、運営上の経費削減によって仲介手数料無料を実現している不動産会社でよく見られるリスクです。人件費・広告費・店舗費用などのコストカットにより、売却の機会損失につながる可能性があります。

    【不動産会社のコストカットによるリスク】

    • 飛び込みで内覧希望が入ったものの、人員不足で対応できない
    • 他の不動産会社に比べて折り込みチラシなどの広告が少ない
    • 1店舗で広域をカバーするため、地域密着の会社よりも持っている情報量が少ない

    企業努力による仲介手数料の無料化にもリスクがあることを覚えておきましょう。

    2-2-4.別の名目で費用が請求される悪質なケースもある

    仲介手数料無料の不動産会社を選ぶと、仲介手数料無料と見せかけて、別の名目で過剰に請求する悪質行為も稀にあります。

    例えば、次のような請求項目が無断で追加されているケースです。

    【無断で追加される請求項目の例】

    • 広告宣伝費
    • 物件調査費
    • コンサルティング手数料
    • 契約書などの書類作成料

    事前に売主の承諾を得ずに、広告費や調査費といった費用を請求する行為は宅建業法違反になります。法律上、物件の宣伝や買主との交渉などの仲介業務は、仲介手数料の範囲内で行われるものです。売主が特別に要請した業務でない限り、追加の費用を支払う必要はありません。

    もし、このような行為が発覚した不動産会社は、宅建業法違反として行政処分を受けます。しかし、今もなお仲介手数料以外の名目で追加費用を請求されるケースがあるのも事実です。

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    3.仲介手数料無料の会社はありだが、損をしない会社を見極めるべき

    結論として、不動産をお得に売買するために、仲介手数料無料の会社を選ぶのはありですが、リスクも踏まえて損をしない会社を見極める必要があります。

    実際、不動産を売買する際に、仲介手数料が無料になるのは大きいですよね。

    取引価格が2,000万円の物件なら、72万6,000円(税込)の仲介手数料が無料になるのです。浮いたお金を引っ越し代にあてても、3〜5人家族の引っ越し代の相場(東京都内・5月~2月を想定)は8〜12万円なので、50万円以上のお釣りがきます。

    仲介手数料を無料にしたうえで、希望に沿った仲介実現のために奔走してくれる良心的な会社も存在します。そのような会社に出会えれば、お得な不動産の売買が叶うため、仲介手数料無料の会社を選ぶのも良い選択と言えます。

    ただし前章で紹介したように、仲介手数料無料の会社を選んで、お金や時間を損するリスクもあるのも事実です。そのため、不動産の売却や購入を依頼する際は、損をしない会社を見極めることが非常に重要です。

    不動産会社を選ぶときは、1社で決めるのではなく、必ず複数の会社を比較しましょう。不動産会社を比較する際にチェックすべきポイントは、次章で説明します。

    仲介手数料が無料の不動産会社を選ぶなら、チェックリストの条件を満たした会社を選んでください。逆に、条件を満たしていない場合は、仲介手数料無料の会社を選ばないのが懸命です。

    仲介手数料無料の会社はありだが、損をしない会社を見極めるべき

    4.【購入時】損をしない会社を見極めるためのチェックリスト

    購入時に損をしないために、チェックすべきポイントは次の通りです。

    Checklist to identify companies that will not lose

    購入時は売却時ほど大きなリスクはありません。ただし、購入時ならではのチェックポイントもあるため、しっかりと確認しておきましょう。

    4-1.物件価格が適正かチェック

    不動産を購入する際は、不動産会社に紹介された物件や、インターネットで見つけた物件に表示されている価格が適正かチェックしましょう。

    「2-1-1.物件価格に上乗せされている可能性がある」でお伝えしたように、売主が不動産会社の場合、相場よりも大幅に上乗せされている可能性があります。仲介手数料がかからないからといって、物件価格が高すぎては損をしてしまいます。

    不動産の購入を検討する際は、立地や広さなどの条件に対して価格が適正かチェックしてください。

    適正価格を見極めるには、周辺地域で築年数や間取りなどの条件が近い物件の相場を調べて、同等の価格か照らし合わせてみましょう。

    物件の相場は、以下のサイトを使ってリサーチできます。

    相場の調べ方についてより詳しくは、マンションの売却相場について書かれたこちらの記事をご確認ください。

    4-2.見積もりを依頼し、物件価格以外の諸費用もチェック

    気になる物件が絞れてきたら見積もりを依頼し、物件価格以外の諸費用も詳しく確認しましょう。

    「2-1-2.すべての取り扱い物件が手数料無料とは限らない」で説明した通り、仲介手数料無料と謳っている不動産会社でも、購入したい物件の手数料が無料とは限りません。

    必ず各物件の見積もりを確認し、仲介手数料が無料か、有料の場合はいくらかかるかチェックしてください。また同時に、仲介手数料以外に内容が不明な項目がないかも確認しておきましょう。

    【見積もりで確認すべきポイント】

    • 仲介手数料は無料か
    • 仲介手数料が有料の場合はその金額
    • 仲介手数料以外にかかる費用の項目
    • 不明な項目があれば、不動産会社に聞く
    • 諸費用込みで総額いくらかかるのか

    内覧や契約といった具体的な購入の相談を進める前に、実際に購入した場合に支払う費用の項目や総額をクリアにすることが大切です。「仲介手数料は無料と思って契約したけど、本当は支払いが発生する物件だった」ということがないようにしましょう。

    そして「2-1-2.すべての取り扱い物件が手数料無料とは限らない」で説明した片手仲介の場合は、同じ物件の購入でも仲介してもらう会社によって、仲介手数料の有無や金額が異なる場合があります。物件価格はどの不動産会社を通しても同じなので、仲介手数料が安い会社があれば、そちらに依頼するとお得です。

    インターネットで複数の会社が同じ物件を掲載していたり、別の不動産会社から同じ物件を紹介されたりした場合は、事前に各会社から見積もりをもらい、仲介手数料を含む諸費用の差を比較しましょう。

    4-3.会社の比較は内覧前にしよう

    1つの物件を複数の会社が扱い、同じ物件の購入でも仲介を依頼する会社によって仲介手数料が異なるケースがあるとお伝えしました。なるべく仲介手数料を安くするために会社を比較したい場合は、実際に物件を内覧する前に済ませましょう。

    なぜなら、すでに不動産会社Aを通して内覧を済ませている場合、仲介手数料が安いからという理由で不動産会社Bと契約するのは問題になる可能性があるからです。

    不動産会社Aの落ち度はなく、契約に向けて準備を進めていたにもかかわらず、途中で不動産会社Bに乗り換えるのは、不動産業界では「抜き行為」として嫌われています。抜き行為は法律上「違法」ではありませんが、会社と気持ちよくやり取りするためには避けるのが好ましいです。

    とはいえ、不動産という大きな買い物をする以上、仲介手数料はなるべく安く済ませたいですよね。

    内覧後に仲介手数料が安い会社を見つけて抜き行為をしないために、内覧を依頼する前に見積もりを確認し、不動産会社を比較しましょう。

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    5.【売却時】損をしない会社を見極めるためのチェックリスト

    売却時に損をしないために、チェックすべきポイントは次の4つです。

    損をしない会社を見極めるためのチェックリスト

    売却は購入よりも会社選びを間違えたときのリスクが大きいため、じっくりと読み進めてみてくださいね。

    5-1.査定価格の根拠をチェック

    物件の売却で損をしないためには、査定価格の根拠をチェックすることがもっとも重要です。

    一般的に、最初の査定価格は相場よりも高めに設定されています。しかし、売り出し価格が高すぎると、購入希望者から敬遠されて売れにくくなってしまいます。結果的に大幅な値下げをすることにもなりかねません。

    逆に売り出し価格が安すぎると、手取り金額が少なくなって損をしてしまいます

    したがって、売り出し開始時点から、物件の立地や条件にあった適正価格で売り出すことが重要です。適正価格で売り出すために、不動産会社が査定価格の根拠を分かりやすく説明してくれるかチェックしましょう。

    実際に、「【ホームズ】売却成功のポイントを経験者アンケートから探る」によると、不動産売却に成功した人が売却前に1番多く情報収集していたのは「売却金額の相場などの価格情報」でした。

    売却金額の相場などの価格情報

    出典:【ホームズ】売却成功のポイントを経験者アンケートから探る

    過去の売却データや市場価格などの数字をもとに説明してくれる会社なら、地域情報に詳しく、売却を有利に進められる可能性が高いです。すでに、近くで物件を探している顧客とつながっていることも考えられます。

    売却を依頼する不動産会社を比較する際は、査定価格の根拠を聞き、データを示しながら説明してくれる会社を選びましょう。

    5-2.請求されている費用の項目をチェック

    先ほど、仲介手数料が無料でも、他の名目で請求されている悪質なケースがあると述べました。事前の承諾なく広告費や物件調査費を請求するのは違法行為ですが、あらかじめ請求項目に問題がないか自分の目で確認することが大切です。

    不動産を売却する際には、仲介手数料・印紙税・抵当権抹消費用などさまざまな費用が発生します。ただし、査定価格の見積もり時点では、これらの諸費用が考慮されていないこともあります。

    不動産会社を比較するときは、査定価格だけでなく、契約後に請求される費用についても確認しておきましょう。そして、各項目の内容と金額に疑問があれば、納得できるまで質問してみてください。

    より詳しくは、マンションの売却費用について書かれたこちらの記事をご確認ください。

    5-3.囲い込みをしないかチェック

    仲介手数料無料の不動産会社は、囲い込みのリスクが高まるとお伝えしましたが、仲介手数料を取る会社でも囲い込みをされる可能性はあります。

    売却のチャンスを逃し、大幅な値下げを強いられないためにも、囲い込みをしないか事前にチェックしておきましょう。不動産会社と契約する前に、担当者に囲い込みをしないか直接聞いてみてください。

    また契約後、本当に囲い込みをしていないか確認することも大切です。会社を疑っているようで聞きにくいかもしれませんが、不動産会社は定期的に売却活動の状況を報告する義務があるため、遠慮する必要はありません。

    5-4.過去に売却した家の広告・物件資料をチェック

    不動産の売却で損をしないためには、査定価格や請求項目の正当性だけでなく、売却活動に長けているかも確認しておくべきです。地域情報の知識や経験不足の会社に依頼してしまうと、集客力に乏しく、希望通りの売却が叶わない可能性もあります。

    経験や実績をもとにきちんと売却を進めてくれる会社を選ぶには、過去に売却した家の広告や物件資料を見せてもらいましょう。

    物件の購入者は、最初に広告や物件資料に目を通し、気になった物件があれば内覧や交渉を進めます。そのため、物件の魅力が伝わる資料を作成してもらえるかどうかが売却の機会を増やす鍵になります。

    下記のポイントに当てはまる場合は、集客力のある会社と言っていいでしょう。

    【良い物件資料のポイント】

    • 物件のアピールポイントが目立っている
    • 情報がひと目で分かりやすいように整理されている
    • インテリアにもこだわった明るい写真が複数使われている

    逆に、次のような物件資料の場合、集客力はあまり期待できません。

    【悪い物件資料の特徴】

    • 写真が暗くて魅力を感じない
    • 物件についての情報が少ない
    • 間取り図が見づらい

    不動産会社は、業務効率化のために大抵同じ雛形を使って物件資料を作成します。過去に良い広告や物件資料を作っている会社に依頼すれば、同様に質の高い集客媒体を作成してもらえるはずです。

    また、良い物件資料を作ってくれる担当者は、物件の良さを理解しているため、対面の営業でも的確なセールストークをしてくれる可能性が高いですよ。

    仲介手数料が無料の会社を選ぶかどうかは、以上の4つを満たしているかを確認してから判断しましょう。もしいずれか1つでも満たしていなければ、仲介手数料がかかっても、すべて該当する会社を選ぶことをおすすめします。

    6.【住み替え時】損をしない会社を見極めるためのチェックリスト

    売却と購入の両方が必要となる住み替えで損をしないために、チェックすべきポイントは次の2つです。

    住み替え時

    こちらは住み替え特有の項目なので、購入・売却のチェックリストと併せて参考にしてみてください。

    6-1.売却と購入を同じ不動産会社に相談し、手数料を値引きできるかチェック

    住み替えでは基本的に、売却と購入のそれぞれに仲介手数料が発生します。売却・購入を1社に依頼する場合も、それぞれを別の2社に依頼する場合でも、仲介手数料は2回かかるのが一般的です。

    ただし、売却と購入を同じ1社に依頼することで、仲介手数料を値引きしてくれる可能性があります。通常は上限額の仲介手数料がかかる不動産会社でも、同時に2つの仲介を契約できるとなれば、仲介手数料の値引き交渉に応じてくれやすいです。

    また、売却と購入を同じ不動産会社に依頼することで、売買のタイミングや資金計画の相談もしやすくなります。さらに、売却を成立させないと購入を進められない可能性があるため、他の物件よりも優先度を高め、売却活動に力を入れてくれやすくなるメリットもあります。

    住み替えを目的としている場合は、売却と購入を同じ不動産会社に相談し、仲介手数料を値引きできるか確認してみましょう。

    6-2.売却する物件の周辺情報に詳しい不動産会社かチェック

    売却と購入を同じ不動産会社に依頼する場合、何を重視して不動産会社を選ぶべきか迷いますよね。

    住み替えを1社の不動産会社に依頼するときは、売却する物件の周辺情報に詳しい不動産会社を選ぶのがおすすめです。

    売却は、不動産会社が周辺地域の情報や人脈を持っているかが重要です。一方で購入は、気に入る物件を見つけて、購入手続きを進めるのみなので、売却ほど難しくありません。

    住み替え時の不動産会社を選ぶ際は、売却する物件の周辺情報に詳しい会社を選びましょう。売却期間が長引いたり、値下げ幅が大きくなったりして損をするリスクを抑えられます。

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    7.まとめ

    不動産の売買において、不動産会社は以下の理由から仲介手数料を無料にすることが可能です。

    【購入時】仲介手数料を無料にできる理由

    • 売主が不動産会社の場合、仲介手数料は発生しないから
    • 両手仲介で、売主からのみ仲介手数料を受け取っているから

    【売却時】仲介手数料を無料にできる理由

    • 不動産会社が「買取」する場合、仲介手数料は発生しないから
    • 両手仲介で、買取会社から仲介手数料を受け取っているから

    【購入時・売却時共通】仲介手数料を無料にできる理由

    • 手数料以外の収入源があり、手数料を受け取らなくても採算が取れるから
    • 経費を削減し、浮いた利益を手数料無料として還元できているから

    ただし、仲介手数料が無料の会社を選ぶと、次のようなリスクもあるのは確かです。

    【購入時】仲介手数料が無料の不動産会社に依頼するリスク

    • 物件価格に上乗せされている可能性がある
    • すべての取り扱い物件が手数料無料とは限らない

    【売却時】仲介手数料が無料の不動産会社に依頼するリスク

    • 「囲い込み」によって売れにくくなる可能性が高まる
    • 結果的に売却価格が安くなる可能性がある
    • 受けられるサービスや対応が不十分になる可能性がある
    • 別の名目で費用が請求される悪質なケースもある

    結論としては、仲介手数料が無料の会社を選ぶのは選択肢の1つとしてありですが、損をしない会社を見極めることが重要です。

    本記事で紹介した購入・売却・住み替え別の「損をしない会社を見極めるためのチェックリスト」を参考に、リスクの少ない不動産会社を選んでくださいね。

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