マンションを売るつもりで買う3つのメリットとは?選び方や注意点を徹底解説!
「マンションを売るつもりで買う際のコツってあるの?」
「売る際に気を付けるべき注意点は?」
と疑問に思うこともあるのではないでしょうか。不動産の売買は大きな金額になるからこそ、少しでも高い金額で売りたいと思いますよね。
そこで、この記事では、マンションを売るつもりで買うメリットを紹介します。
マンションを売るつもりで買う際の選び方や避けるべき特徴も合わせて紹介しますので、自分にとって最適な方法で買うことができるようになります。
それでは、売るつもりで買うマンションについて具体的に見ていきましょう。
[監修]宅地建物取引士 市野瀬 裕樹 中古マンション売買仲介を累計1200件以上監督。株式会社groove agentにおいて不動産売買の業務に3年従事。買い手をサポートしてきた経験を活かし、どうすれば高く売れるのか?を、買い手目線で不動産売却仲介のアドバイスを行う。
目次
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1.マンションを売るつもりで買う3つのメリット
マンションを売るつもりで買うメリットは、以下のとおりです。
- 資産価値が下がりにくい物件を購入できる
- ライフスタイルの変化や予想外の事態に対応できる
- 親族に資産を残すことができる
多くの方は住むことだけを目的にマンションを選びますが、実は将来的に売ることを視野に入れて買うことでさまざまなメリットが得られます。
1-1.資産価値が下がりにくい物件を購入できる
一般的にマンションは、年数とともに資産価値が低下するため、将来的に売ることを前提に購入すると最初から資産性を考慮した物件を選ぶことができます。
都心に近いほど、もしくは各都道府県の利便性の高い場所ほど、築年数が経過していても資産価値が向上していく傾向にあります。
しかし、そのような利便性の高い物件であっても修繕や管理が行き届いていないマンションは資産価値が下がります。
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需要の高い物件を選ぶことで、資産価値の維持だけではなく、売る際の交渉力も向上します。
このような物件は、売る価格や条件面で有利に話を進められる可能性が高まります。
一方、需要の低い物件を買うと、将来的に売る際に不利な立場になり、次の住居選びにも影響が出る可能性がある点には注意が必要です。
そのため、買う時点から将来的に売ることを意識し、資産価値を維持しやすい物件を選ぶことが賢明と言えるでしょう。
1-2.ライフスタイルの変化や予想外の事態に対応できる
将来売ることを見据えてマンションを買うことで、ライフステージの変化や将来の予期せぬ出来事に柔軟に対応できます。
例えば、家族構成の変化や生活環境の変化に合わせて、適切なタイミングで住み替えが可能です。
また、転勤や近隣トラブル、経済的な問題など、予想外の事態が発生した際にも、売りやすい物件であれば迅速に対応できます。
さらに、需要の高い物件は高値で売ることができる可能性も高く、特に経済的な困難に直面した際には大きな助けとなるでしょう。
1-3.親族に資産を残すことができる
先述したとおり、マンションによっては資産価値が時間とともに減少します。
しかし、需要の高いマンションを買うことで、この価値低下のリスクを軽減できるでしょう。
賃貸の掛け捨てとは異なり、不動産は購入すれば自分の資産となります。
将来的に相続が発生した場合、需要の高い物件であれば子どもや親族に資産として受け継ぐことができ、負の遺産となる可能性も軽減できます。
一方、資産価値の低い物件は、相続税や固定資産税の負担だけではなく、売ることが困難になり親族にとっては負債となることもあります。
そのため、将来の相続も考慮した上で、需要の高いマンションを選択することがおすすめです。
2.マンションを売るつもりで買う際の7つの選び方
マンションを売るつもりで買う際の選び方は、以下のとおりです。
- マンション性能
- 築年数
- 耐用年数
- 立地や生活の利便性
- エリアの将来性
- 管理状態
ただ漠然とマンションを買っても望む結果は得られません。
将来的に売ることを見据えて、どのようなマンションを選べば良いのか具体的に見ていきましょう。
2-1.マンション性能
マンションの品質は、将来的に売るときの価格に大きく影響します。
耐震性、耐火性、断熱性が高く、さらに適切に維持管理がされており、防犯対策が充実したマンションは、高い需要と価格を維持しやすいでしょう。
品質を客観的に評価する制度として住宅性能表示制度があり、これを利用することで建物の品質を等級で確認できます。
ただし、この制度の利用は任意であるため、評価書がない場合は自身で慎重に品質を確認する必要があります。
高品質なマンションを選ぶことは、将来の資産価値維持と快適な暮らしの両立につながるでしょう。
2-2.築年数
マンションの築年数は、将来的に売るときの価格に大きく影響します。
特に築20年以内のマンションは、価値の維持が比較的容易です。
新築から築5年までは価格下落が緩やかで、その後徐々に下落率が高まります。
中古物件を購入する際は、適切な管理がされているかを見極めるために、大規模修繕が1巡した築15年以上にするのがおすすめです。
2-3.耐用年数
マンションは構造によって耐用年数が異なります。
鉄筋コンクリート造と鉄骨鉄筋コンクリート造は最も耐用年数が長く、47年です。
これらの構造は、戸建てで多く用いられる木造や軽量鉄骨造に比べて耐久性が高く、資産価値の維持に有利です。
耐用年数が長いマンションは、構造的な強度や安全性も高いため、買主からの需要も高くなります。
耐用年数が過ぎてもすぐ住めなくなるわけではありませんが、資産価値や安全性の観点から、耐用年数の長い構造のマンションを選ぶことが賢明です。
とはいえ、現在のマンションの多くは鉄筋コンクリート造と鉄骨鉄筋コンクリート造が主流なので耐用年数に関してはそこまで重視する必要はありません。
2-4.立地や生活の利便性
立地と生活利便性は、マンションの資産価値を長期的に維持する重要な要素です。
理想的な立地は、交通の便が良く、地盤が強固で、周辺施設が充実している場所です。
都心へのアクセスが容易な路線沿いや駅近、人気エリアは需要が安定しやすいでしょう。
安全性も重要で、地震時の液状化リスクや洪水の危険性などを事前に確認することが大切です。
また、日常的に利用することの多い周辺施設も資産価値に大きく影響します。
ファミリー向けなら子育て環境、一般的にはスーパーやドラッグストアの近さが重要です。
特に、将来的に売ることを考慮する場合、学校や病院など長期的に存続する可能性が高い施設が近くにあると強みとなります。
これらの施設は、将来売る時にも魅力的なアピールポイントとなるでしょう。
2-5.エリアの将来性
マンションの将来的な資産価値を考える上で、エリアの将来性は非常に重要です。
現在の状況だけではなく、売る時点でのエリアの魅力を予測することが大切です。
再開発が進行中や計画されているエリアは、将来的な価値上昇が期待できます。
特に、大型商業施設や新しい駅の建設予定地周辺は注目するべきでしょう。
一方で、周辺の建築計画にも注意が必要です。
高層ビルや新たなマンションの建設予定がある場合、日当たりや眺望が悪化する可能性があります。
これらは資産価値にマイナスの影響を与える可能性があるため、避けるべきでしょう。
買う前には、地域の開発計画やWebでの情報収集、周辺の空き地の状況など、将来的な変化の可能性を十分に調査すると安心です。
エリアの将来性を見極めることで、長期的に価値を維持または向上させるマンション選びができるでしょう。
ただし、自身でこのような情報を収集することには限界がありますので、信頼できる不動産会社に調査してもらうのがベストです。信頼のおける担当者であれば、たとえ質問をした際に答えられなくてもしっかり調査をして情報をフィードバックしてくれるはずです。
また、不動産会社の特徴や強みはホームページの会社概要やサービス内容を読み込む事で確認することが出来ます。
売却においてパートナー選びは非常に重要ですので、妥協せずご自身にあった不動産会社、そして担当者選びをしましょう。
2-6.管理状態
マンションの管理状態は、将来の資産価値維持に直結する重要な要素です。
適切な管理が行われているマンションは、修繕積立金の運用が計画的で、建物や設備の劣化を最小限に抑えることができます。
2022年4月に始まったマンション管理計画認定制度は、管理の質を保証する有効な指標です。
ただし、この制度はまだ新しいため、認定を受けていないマンションでも、実際に足を運んで管理状況を確認することが大切です。
現在の管理状態は、5年後、10年後のマンションの状態を左右します。
そのため、買う前には管理体制や修繕計画をしっかりと確認することが大切です。
一方で、管理人不足や不必要な工事の実施など、管理体制に不安のあるマンションは避けるべきでしょう。
適切な管理が行われているマンションを選ぶことで、将来的な資産価値の維持が期待できます。
関連記事:安さに踊らされない!中古マンション購入者のための5つの修繕積立金ガイド
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3.売るつもりで買う際に避けるべきマンションの特徴
マンションを売るつもりで買う際に避けるべき特徴は、以下のとおりです。
- 旧耐震基準
- 定期借地権付き
- メゾネットタイプ
この視点が資産価値の維持や生活の柔軟性を左右する重要なカギとなるため、それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1.旧耐震基準
耐震基準は、マンションの安全性と資産価値に大きく影響します。
1981年6月1日を境に、旧耐震基準から新耐震基準へと変更されました。
新耐震基準は、より強い地震にも耐えられるよう設計されており、安全性が高く評価されています。
旧耐震基準のマンションは、現代の地震リスクに対して十分な安全性を確保できていない可能性があるため、住宅ローンの利用が困難になったり、将来的な耐震強化工事が必要になったりするなど、追加コストがかかることがあります。
将来的に売ることを考慮する場合、新耐震基準のマンションを選ぶことが賢明です。
ただし、完成日だけではなく、建築確認日を確認することが重要です。
1981年5月31日以前に建築確認を受けたマンションは、完成が6月1日以降でも旧耐震基準である可能性があります。
ただし、耐震基準適合証明書を取得しているマンションは耐震面で安全性が高いので検討に入れても良いと思います。
関連記事:住宅ローン控除を受けられる築年数とは?古い中古住宅でも控除を受ける方法|2022年改正
3-2.定期借地権付き
定期借地権付きマンションは、将来的に売ることを考慮する場合、避けるべき選択肢です。
これらのマンションには重大な欠点があります。
まず、契約期間満了時に建物を解体し、土地を返還する必要があるため、解体積立金が発生することを意味します。
また、通常のマンションとは異なり、借地期間が終わりに近づくにつれて土地の価値も下がるため、資産価値の大幅な低下につながるでしょう。
さらに、住宅ローンの選択肢が限られており、融資を受けることが困難です。
これらの要因により、定期借地権付きマンションは一般的に需要が低く、資産価値が下がりやすい傾向にあります。
3-3.メゾネットタイプ
メゾネットタイプのマンションは、2階層以上の間取りが特徴ですが、将来的に売ることを考えると避けるべきです。
階段移動が必要なため家事効率が悪く、バリアフリー化も困難です。
これらの理由から、マンションを買う方には敬遠されがちで、戸建て志向の方も別の選択をする可能性があります。
4.売るつもりで買ったマンションを高く売る6つのコツ
売るつもりで買ったマンションを高く売るコツは、以下のとおりです。
- 最低5年間は保有する
- 競合がいる場合はタイミングをずらす
- 相場を自分で調べる
- 複数の不動産会社に査定を依頼する
- 不動産会社の実績を確認する
- 適正な価格で売り出しをする
税制面を考慮した売却のタイミングや、効果的な不動産会社の選び方まで、後悔のない選択で、住まいの満足度と将来の経済的利益を実現するための方法を見ていきましょう。
4-1.最低5年間は保有する
マンションを売る時の税金のうち、特に大きな影響を与えるのが譲渡所得税です。
譲渡所得税の税率は、保有期間によって大きく変わります。
保有期間が5年以内に売ると短期譲渡所得で39.63%、5年を超えると長期譲渡所得で20.315%となります。
そのため、将来的に売ることを考えてマンションを買う場合、可能であれば5年間は保有するのがおすすめです。
これにより、売却時の税負担を大幅に軽減できる可能性があります。
ただし、個人の状況によっては必ずしも5年間待てるとは限らないため、譲渡所得税だけではなく、総合的に判断しましょう。
4-2.競合がいる場合はタイミングをずらす
マンションを売る時には、同じ建物内の他の物件との競合を避けることが重要です。
同じマンション内で複数の部屋が同時に売り出されると、価格競争に巻き込まれる可能性が高くなります。
これは、立地や周辺環境が同じため、買主は主に価格で判断する傾向にあるからです。
この状況を避けるためには、もし売却を急いでいないのであれば、他の物件が売れるまでタイミングを見計らってから売却活動をすることを検討してください。
そうすることで、不要な値下げを避け、本来の相場で売ることができる可能性が高まります。
しかし、そうは言っても戸数が多いマンションであれば常に競合は出続けるものです。その場合はタイミングを見計らっても仕方がありませんので、早期に販売活動に入ることをおすすめします。
4-3.相場を自分で調べる
マンションを売る時には、事前に自分で相場を調べることが重要です。
相場から大きく外れた査定には注意が必要で、高すぎる場合は後の値下げ要求、低すぎる場合は売りやすさを優先している可能性があります。
担当者に質問しても明確な返答が返ってこない場合は、担当者の知識不足の可能性もあります。
そうならないためにも、自分で相場を把握し、信頼できる不動産会社を選び、適正価格で売却できるようになりましょう。
4-4.複数の不動産会社に査定を依頼する
マンションを売る時の適正価格を知るには、複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。
査定基準に明確な法的規定がないため、各社の評価は異なる可能性があります。
そのため、1社だけの査定では価格の妥当性を判断するのが困難です。
複数の会社に依頼することで、価格の幅や平均相場を把握できます。
相場を把握できれば、適切な売却価格を設定することができるでしょう。
4-5.不動産会社の実績を確認する
マンションを売る際は、適切な不動産会社選びが重要です。
会社ごとに実績、評判、得意分野が異なるため、単に大手や近所という理由での選択は避け、マンションの売却に特化した実績のある会社を探すことが賢明です。
また、3~4社の比較を通じて、自身のニーズに最も合う会社を見つけましょう。
これにより、専門知識と経験を活かした効果的な売却活動が期待でき、満足度の高い売買につながる可能性が高まります。
4-6.適正な価格で売り出しをする
マンションを売る時の価格設定は戦略的に行うべきです。
一般的に相場通りの価格で売り出すことが多いですが、これでは値引き交渉により想定以下の価格で成約する可能性があります。
そのため、相場よりやや高めの価格設定が有効です。
ただし、高すぎると買主が現れない恐れがあるため、適度な上乗せが重要です。
不動産会社の担当者と相談しながら、市場の反応を見つつ最適な価格を設定することで、より有利な条件での売却が期待できます。
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5.売るつもりで買ったマンションを売る際の5つの注意点
売るつもりで買ったマンションを売る際の注意点は、以下のとおりです。
- 売るタイミングを考える
- 住宅ローンを完済する必要がある
- 買取も視野に入れる
- 売却の理由を正直に伝える
せっかく慎重に選んだマンションも、売却時の対応次第では期待通りの結果が得られないかもしれません。
満足のいく売買を成立させるためにも、注意点を詳しく見ていきましょう。
5-1.売るタイミングを考える
マンションを売るには適切な時間の確保が重要です。
急ぐあまり安値で売却してしまうリスクを避けるため、十分な準備期間を設けることが賢明です。
一般的に、売却期間全体では3〜6カ月程度の期間が必要とされます。
この期間には、不動産会社の選定、買主との交渉、各種審査などが含まれます。
特に、買主探しと交渉に1〜3カ月、契約から引き渡しまでに約1カ月かかると想定されるため、余裕を持ったスケジュールを組むことを心がけましょう。
5-2.住宅ローンを完済する必要がある
マンションを売る時には住宅ローンの残債に注意が必要です。
ローン残高が売る価格を上回るオーバーローン状態では、売ることが困難になります。
これは、金融機関が設定した抵当権が、ローン完済まで外せないためです。
売ることを考える際は、必ず金融機関に残債を確認し、売る価格との差額を把握しましょう。
もし残債が多い場合は、自己資金での返済や他の方法を検討する必要があります。
適切な計画と準備により、スムーズな売却と次の住まいへの引越しができるでしょう。
5-3.買取も視野に入れる
どうしてもマンションの売却が長引く場合、買取を視野に入れましょう。
不動産会社による買取は、通常の仲介で売る時よりも6〜7割に価格が下がりますが、確実に売ることができるのはメリットです。
売る価格にこだわりすぎると、長期間売れ残るリスクがあります。
そのため、不動産会社と相談しながら、買取の時期を見極めると良いでしょう。
これにより、売れる確率を高めつつ、市場での売る機会も維持できます。
状況に応じて柔軟に対応することで、希望通りの売却につながる可能性が高まります。
5-4.売却の理由を正直に伝える
マンションを売る時には、売る理由を正直に伝えることが重要です。
新築購入後の早期売却など、買主が疑問を抱く可能性がある場合でも、曖昧な説明は避けるべきです。
買主との信頼関係の構築には、正確な情報提供が欠かせません。
特に、騒音や隣人トラブル、利便性の問題、建物の欠陥などネガティブな理由の場合は慎重な対応が必要です。
このような状況では、不動産会社に詳細を説明し、適切な伝え方を相談するのが賢明です。
正直な情報開示は、買主との信頼関係を築き、スムーズな取引につながります。
また、問題点を隠さずに伝えることで、将来的なトラブルを防ぐこともできるでしょう。
6.まとめ
マンションを売るつもりで買うという考え方は、現在の暮らしの質を高めながら、将来の経済的な安定性も確保できる賢明な選択といえるでしょう。
慎重に物件を選び、適切な管理を行うことで、快適な住まいとしての機能を果たしつつ、将来的には良好な条件での売却も期待できます。
また、信頼できる不動産会社を選ぶことも、マンションの売却を成功させるためには大きな要因となります。
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