「中古マンションが売れない」からの逆転成功術!9つの理由と8つの対策
ライフスタイルの変化や転勤などでマンションを売却する際には、できるだけ「高く・早く」売りたいと考えるものです。しかし、残念ながら、なかなか売れないマンションもあります。売却がスムーズにいかないと、住み替えも思うように進まず困ってしまいますよね。
マンションを確実に売るためには、マンションが売れない理由やその特徴をきちんと理解し、適切な対策をとることが必要です。
逆に、コツさえ押さえておけば、不安要素のある物件であっても、売却を成功させることが可能です。そこで本記事では、以下について詳しく解説していきます。
- マンションが売れない理由と対策
- リフォームする際の注意点と売れ残った場合の対処法
マンションを早く、高く、そしてスムーズに売却したいと考えている人は、本記事で正しい知識を身に付けて成功につなげてくださいね。
[監修]宅地建物取引士
市野瀬 裕樹
中古マンション売買仲介を累計1200件以上監督。株式会社groove agentにおいて不動産売買の業務に3年従事。買い手をサポートしてきた経験を活かし、どうすれば高く売れるのか?を、買い手目線で不動産売却仲介のアドバイスを行う。
目次
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1. 6カ月以内で売れないマンションは要注意!
まず、そもそもマンションはどのくらいの期間で売れるべきなのでしょうか?
一般的に、売り出しから6カ月以内に売れないマンションは要注意とみなされています。ここではマンション売却までにかかる期間と、売却期間の長期化にともなうリスクを解説します。
1-1.多くのマンションは3~6カ月で売れている
下表は、東京カンテイのデータをもとに、首都圏の中古マンションの売り出しから成約までの期間を表にしたものです。
売却までの期間 | 1ヶ月以内 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | 7ヶ月 | 8ヶ月 | 9ヶ月 | 10ヶ月 | 11ヶ月 | 12ヶ月 |
事例シェア | 40,7 | 14,8 | 11,0 | 8,0 | 6,1 | 4,5 | 3,4 | 2,5 | 1,9 | 1,5 | 1,2 | 4,4 |
累計事例シェア | 40,7 | 55,5 | 66,5 | 74,5 | 80,6 | 85,1 | 88,5 | 91,0 | 92,9 | 94,4 | 95,6 | 100,0 |
参考:東京カンテイ プレスリリース/中古マンションの価格乖離率&売却期間(首都圏)基に筆者作成
データによると、1カ月以内に成約となったマンションが45.8%となっており、売り出しから6カ月でおよそ85%が成約に至っていると分かります。
同社の調査によると、全国的に見ても過半数が3カ月以内に成約、6カ月までで全体の3/4程度が売れていることが明らかになっています。このことから、売り出しから6カ月経っても成約に至らない場合は要注意です。
1-2.売却期間が長いほど売れにくくなる2つの理由
売却期間が長くなると、以下の2つの理由により売れにくくなると考えられます。
- 顧客の目に留まりにくい
- 顧客に「売れ残っている」印象を与える
詳細を見ていきましょう。
1-2-1.顧客の目に留まりにくくなる
1つ目の理由は、売却期間が長くなるほど顧客の目に物件広告が留まりにくくなるからです。
住宅に限らず、情報サイトは新着情報を優先的に掲載します。掲載期間が長期化している物件情報は、新着物件に埋もれてしまう傾向があります。
利益を出したい不動産仲介会社としては、売却に時間がかかりそうな物件よりも新規物件のアプローチを優先させたいと考えるものです。そうなるとさらに売却が難しくなってしまいます。
1-2-2.顧客に「売れ残っている」印象を与える
2つ目の理由は、不動産情報サイトに長期間掲載されている物件は、どうしても売れ残り感が出てしまうからです。
これはマンションに限らず、消費者なら誰でも抱く印象ではないでしょうか。とくに問題のなさそうな物件がずっと売れていないと、「何かマイナス点があるのでは?」と邪推しがちです。
誰にとっても魅力的で良いマンションならすぐに売れるはずなので、売れ残っているマンションは何らかの問題があるとみなされ避けられる傾向があります。
2. マンションが売れない9つの理由|チャート診断付き
ここからは、実際にマンションを売りに出しているのに売れない理由を、チャートを使って診断してみましょう。
売れない理由をそれぞれ詳しく解説します。
2-1.理由①売り出し価格が適切ではない
マンションが売れない理由として一番多いのは「販売価格が高いこと」です。
どんなマンションであっても、価格を下げれば売れる確率は上がります。新居の資金にしたい、住宅ローンの返済に充てたいなどの理由で相場より高く売り出している場合は、相場価格に下げるだけですぐに買い手がつくこともあります。
また築年数が古い、需要の低いエリアにあるなどのデメリットがあるマンションも、販売価格が相場よりも安ければ、買い手を見つけやすくなるでしょう。
2-2.理由②同じマンションにライバル物件がある
大型マンションでは、同じマンション内の複数の部屋が、同じタイミングで売りに出されることがあります。
同じマンション内で競合してしまうと、立地が同じで間取りも似ているので「価格の安さ」や「上階」「角部屋」に人気が集まりやすくなります。条件によっては、同マンションのライバル物件が優位になり、先に売れてしまう可能性があるため、なかなか買い手がつかない場合はライバル物件がないかどうかを確かめてみてください。
2-3.理由③住宅情報サイトの物件写真や情報に不足がある
マンションの情報が掲載されているサイト上で、物件写真や情報に不足がある場合も、買い手は見つかりにくくなります。物件の写真写りが悪く魅力的に見えなければ、住みたいと思ってもらえないためです。
また物件の近くにスーパーやコンビニはあるのかといった周辺環境や、小学校などの教育施設までの距離はどれくらいなのかなど、生活していくうえで知っておきたい情報量が足りていない場合も、不確定要素が多く検討候補として関心を持ってもらいにくくなります。
2-4.理由④不動産会社に囲い込みをされている
そもそも住宅情報サイトに物件情報が載っていない場合には、不動産会社に「囲い込み」をされている可能性が高いです。
「囲い込み」とは、不動産会社が売主と買主の両方から仲介手数料を得る「両手仲介」を目指し、物件の情報を他社と共有しないことです。。囲い込みされてしまうと、売主は多くの購入希望者と出会うチャンスを失ってしまうため、物件は売れにくくなってしまいます。
囲い込みされているかどうかは、不動産会社が物件情報を共有するオンラインシステム「レインズ」に物件情報が公開されているかをチェックすると分かります。ただし掲載されていても、公開直後に削除するパターンもあるので、定期的にチェックするのがおすすめです。
2-5.理由⑤不動産会社が売却活動を怠っている
需要が低いマンションや、売却で得られる利益が少ない物件の場合、不動産会社が売却活動にあまり力を入れない可能性があります。不動産会社は自社の利益を上げるため、高く売れやすい物件を優先します。
物件がなかなか売れないどころか、内見の問い合わせすらない場合には、自分の物件の優先順位が低く積極的に売り出されていないことを疑い、不動産会社に確認する必要があります。
不動産会社と結んだ媒介契約が専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合には、定期的に状況報告があるので内容をしっかり確認しましょう。媒介契約の種類については、次章で詳しく解説します。
2-6.理由⑥築年数が古い
築年数が古いマンションは、耐震性や耐久性の不安から築浅に比べると敬遠されてしまう傾向にあります。
特に1981年以前に建築されたマンションは旧耐震基準と呼ばれ、現行の耐震性能である新耐震基準を満たしていません。今後起こりうる大地震に確実に備えたいと考える人は新耐震基準の物件を選ぶのが通例です。
ただし、マンションの耐久性や安全性は管理やメンテナンス状態によって左右されます。定期的に大規模修繕が実施されていたり、耐震診断によって安全性が担保されているのであれば、築古でも売却は十分可能と言えるでしょう。
関連記事:築年数が古くてもマンション売却は可能!最適な売却戦略を立てるコツ
2-7.理由⑦立地環境が良くない
マンションの立地環境は、住みやすさに大きく関係します。どんなに理想的な物件でも、通勤や通学に不便な立地であったり、周辺に買い物できる店がなかったりすると、入居後の生活が不安になるものです。
最寄り駅から自宅までコンビニやスーパーがなければ、仕事帰りに買い物を済ませたくてもできません。立地環境の良し悪しは捉え方に個人差がありますが、以下のような特徴を持つマンションは検討の際に優先順位を落とされる傾向にあります。
<立地環境が良くないマンションの特徴の例>
- 最寄り駅が遠い(徒歩15分以上)
- 通勤や通学に不便
- 最寄り駅が人気路線の駅ではない
- 生活に必要な施設(スーパー、病院、ドラッグストアなど)が少ない
- 都心や商業地へアクセスしにくい
- 治安が良くない
このような特徴を持つマンションがあるエリアは、買主の需要が低い傾向があります。人気エリアのマンションは高値で売買されますが、需要の低いエリアのマンションは、販売活動の工夫やある程度の値下げを覚悟しておく必要があるでしょう。
2-8.理由⑧間取りが特殊である
間取りが特殊だと買い手が限定されてしまいます。
一般的に中古マンションは、3LDKの間取りが売れやすいと言われています。住宅購入は結婚や出産などのライフイベントがきっかけで検討することが多く、需要として子どものいるファミリーが、手頃な価格で購入できる住宅を探しているケースが多いのが理由です。
ファミリー向けの3LDKを確保するには、70平米程度の広さが欲しいところです。そのため同じ3LDKでも、60平米と70平米の部屋では売れやすさに差が出ます。
また、間取りが特殊だと「住みにくそう」と感じる人もいます。3LDKの部屋を開放的な1LDKにしたり、1室まるまる防音室やクローゼットにしたりするなど、自分仕様にリフォームやリノベーションをした場合は、買主を見つけるのが難しくなるかもしれません。
2-9.理由⑨内見時の対応・印象が良くない
内見の問い合わせはあるのに購入に至らない原因として、内見時の印象の悪さが考えられます。ネガティブな気持ちになる物件に、住みたいと思う人はいないからです。
内見は買主が納得して購入を決断するために、物件の不具合はないかどうか、信頼できる売主かどうかを確かめる場です。
質問にきちんと答えなかったり、おざなりな対応だったりすると、どんなに良い部屋でもマイナスの印象になります。
さらに部屋の中が汚いと、「見えない部分も劣化しているのでは?」「大事にされていない部屋は買いたくない」と思われてしまう恐れがあります。
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3. マンションが売れないときに取るべき8つの対策
前章では、マンションが売れないときに考えうる9つの理由を紹介しました。ここではそれぞれの理由に対し、どのような対策を打てばよいのかを「自分でできる対策」と「不動産会社にしてもらう対策」に分けて紹介します。
売れない理由 | 自分でできる対策 | 不動産会社にしてもらう対策 |
①売り出し価格が適切ではない | 売り出し価格を見直す | |
②ライバルマンションがある | 販売のタイミングをずらす | |
③マンション情報が魅力的に見えない | ・住宅情報し後の満主音写真を追加・変更する ・マンション情報でマンションの魅力を伝える ・レインズのマンション情報に図面を掲載する |
|
④囲い込みされている | 媒介契約の内容を見直す | |
⑤不動産会社が売却活動を怠っている | 不動産会社の変更を検討する | ・掲載サイトを増やす ・ポスティング料や配布エリアを見直す |
⑥築年数が古い | ・買取を依頼する ・値下げする |
|
⑦立地環境が良くない | 値下げする | 販売活動を工夫する |
⑧間取りが特殊 | ・人気がある間取りにリフォームする ・リノベ向き物件として売り出す |
|
⑨内見時の対応・印象が悪い | ・室内をキレイにしておく ・住民ならではの情報を提供する |
3-1.対策①販売価格を下げる
売り出し価格が適切でないときには、「販売価格を下げる」のがもっとも効果的な対策です。
現在の価格で売れないのは、買主から「マンションの価値に対して価格が高い」と認識されていることが理由です。そのため売却するには、買主が「コストパフォーマンスが良い」と感じる価格に設定し直す必要があります。
とはいえ、売主としては少しでも高く売りたいのが実情です。双方が納得できる価格にするには、実際に成約したマンションの価格を調べることをおすすめします。
不動産情報サイトなどに掲載されている情報は、あくまで売却希望価格であり、実際に取引された価格ではありません。東京カンテイのデータによると、値下げせずに成約に至っているのは売却期間が1カ月以内では43%。2ヶ月以降は売却期間が長期化するほど値下げ率が増える傾向があるのが分かります。
出典:東京カンテイ プレスリリース/中古マンションの価格乖離率&売却期間(首都圏)
できるだけ値下げせずに売却するためには、同じエリア内で実際に成約したマンションの価格を確認し、はじめから適正価格で売り出すのが大切です。
なおマンションの成約価格は以下の2つのサイトで調べられます。
●不動産の取引価格などが検索できる国土交通省のサイト(土地総合情報システム)
●成約価格を基にした不動産取引情報提供サイト(REINS Market Information)
3-2.対策②販売のタイミングをずらす
同じマンション内で物件が売り出されていて、優位性を保てないときには、ライバル物件が売れるまで待ってから売りに出すのも方法のひとつです。
なかなか売れずに市場に「売れ残り物件」という印象を与えてしまうよりは、一旦販売をやめ、ライバル物件が売れたタイミング、もしくは一般的に中古マンションが売れやすいタイミングを把握した上で、再度売りに出すことを検討してみましょう。
3-2-1.中古マンションが売れやすいタイミングは1月・2月・9月
中古マンションは新年度が始まる前の1月・2月と、転勤シーズンの10月を前にした9月が一番売れやすいタイミングといわれています。値下げをする場合にもこのタイミングをねらうのが効果的です。
一番良いタイミングで売り出しを始められるように、情報収集や査定、不動産会社の決定、媒介契約などは、売却したい時期の2〜3カ月前には準備を進めておきましょう。
3-3.対策③物件の登録情報を魅力的に改善
マンションが紹介されているサイトに掲載されている物件情報が魅力的でない場合には、不動産会社に改善を依頼しましょう。具体的にできることを紹介します。
3-3-1.住宅情報サイトの物件写真を追加・変更する
住宅情報サイトに掲載されている写真が魅力的でないと、ターゲットに興味を持ってもらえず、選択肢から外されてしまいます。
<魅力的でない物件写真の例>
- 全体的に暗い
- 見にくい
- 室内の写真が少ない
- 水回りに清潔感がない
- 外観や周辺エリアの写真しかない
室内写真が極端に少なかったり、周辺エリアの写真ばかりだったりすると、「室内は見せられないような状態なの?」と思われてしまいかねません。また、せっかくの室内写真が物でごちゃついていて見にくかったり、生活感が前面に出ていたりすると、マイナスの印象を持たれやすくなります。
現在住んでいるマンションの写真を撮るときには部屋を片づけ、すでに空室となっている場合にはホームステージング(家具や照明などを配置してモデルハウスのように演出すること)も検討しましょう。
3-3-2.物件情報でマンションの魅力を伝える
写真だけでなく、物件情報の文章が分かりにくかったり魅力的でなかったりすると、やはり内覧には至りません。
購入希望者は、まず文章と写真でイメージを膨らませ内覧するかを決めるため、マンションの魅力を誌面やサイトだけでどこまで伝えられるかが重要です。
同じ情報でも、書き方次第で印象は大きく変わります。たとえば管理費・修繕積立金が高い場合、説明もなしに金額だけ記載しているのと、費用が高い理由をしっかり説明しているのとでは受ける印象が大きく違います。
このように、アピールできる部分はしっかり文字にして伝えましょう。
なおsumnaraでは、プロのライターが実際に物件を取材し、気づいた魅力を文章で買い手に伝えているので安心してお任せいただけます。
3-3-3.レインズの物件情報に図面を掲載する
レインズに物件情報を登録しているなら、図面や写真も掲載してもらいましょう。
不動産業者専用の不動産情報ポータルサイトであるレインズは、専任系の媒介契約を結ぶと必ず物件情報が掲載されるようになっています。レインズに登録されると、すべての不動産業者があなたのマンションの情報を確認できるようになり、マーケットが広がるので、スムーズな売却が期待できるのがメリットです。しかし図面や写真がないと、プロの不動産業者の目に留まりにくくなります。
そのためレインズの物件情報を見て、もし図面や写真が掲載されていないなら、不動産会社の担当者に追加してもらいましょう。
不動産ポータルサイト「レインズ」について詳しく知りたい方は、下記記事にて詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
関連記事:レインズとは?仕組みやメリット・デメリット、注意点を詳しく解説!
3-4.対策④不動産会社との媒介契約を見直す
囲い込みを避けるには、不動産会社と媒介契約を結ぶ前に、囲い込みがないかを確認してあらかじめクギを刺しておくのが鉄則です。
ただしそれでも囲い込みをする不動産会社は残念ながらあります。もし囲い込みされていた場合には、不動産会社の見直しを検討しましょう。
3-4-1.不動産仲介会社との媒介契約の形態は3種類
マンションの売却に際しては、不動産仲介会社と媒介契約を結び、買主を見つけてもらうのが一般的です。不動産仲介会社との媒介契約は以下の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。
一般媒介契約は、複数の不動産会社に仲介を依頼できるのが特徴です。広く購入希望者を募れますが、不動産会社にとっては「別の不動産会社で契約となると手数料が入らない」ことから、積極的に販売活動をおこなわない可能性もあります。また一般媒介契約には販売状況の報告義務がないため、活動の様子が見えにくいのもデメリットです。
専任媒介契約と専属専任媒介契約は、不動産会社1社に仲介を依頼する契約です。こちらはレインズへの登録と、定期的に販売状況の報告義務があるので、積極的な販売活動が期待できます。
基本的には需要が高く人気のある物件なら、一般媒介契約で広く購入希望者を集めたほうが高く売却しやすくなります。ただし複数の不動産会社の活動状況を、自分で管理する必要があります。一方不動産会社と信頼関係を結び二人三脚で売却活動を進めたい場合は、専任系が適しています。
関連記事:不動産を売却する際の媒介契約3種類の違いを解説|契約の注意点や解除した場合のペナルティも紹介
3-5.対策⑤売却活動の改善を依頼する
マンションがなかなか売れない理由が不動産会社の売却活動にある場合には、以下のような対策を依頼しましょう。
3-5-1.掲載サイトを増やす
物件を探す人の多くは不動産情報サイトを利用するので、掲載サイトが少ない場合は増やしてもらうよう不動産会社に依頼しましょう。
<代表的な不動産情報サイト>
- SUUMO
- LIFULL HOME'S
- at home
掲載サイトが増えると市場が広がり、物件情報を見てもらうチャンスが増えます。ただし不動産仲介会社としては簡単に登録できる反面、掲載費用がかさむデメリットがあります。どのサイトに掲載すべきかは、相談のうえ決めましょう。
3-5-2.ポスティング量や配布エリアを見直す
ポスティングの反響が悪い場合は、配布量や配布エリアを見直してもらいましょう。
ポスティングの反響は、1万部で1~3件の内覧が発生するのが目安です。マンションに問題がないのに反響が悪いときには、配布量やエリアに問題があると考えられます。
たとえばファミリー向けマンションなのに、単身者向けマンションにポスティングしても効果は期待できません。やみくもにポスティング量を増やしても、ターゲットがズレていたら意味がないので、どのエリアにどれくらい配布しているのかだけでなくその根拠も確認しましょう。
3-5-3.改善が見込めない場合には不動産会社の変更を検討する
ここまで紹介した対策を不動産仲介会社に依頼しても、なかなか応じてくれなかったり、対応に疑問を感じたりすることもあるでしょう。
あなたの大切な資産であるマンションを預ける以上、信頼できないと感じたら不動産会社の変更を検討すべきです。具体的には、以下の点をチェックしてください。
<こんな不動産会社はNG>
- 改善努力をせずに値下げばかり提案してくる
- 根拠なくリフォームを推奨してくる
- 近況報告や説明が少ない
- 信頼できないと感じている
上記に当てはまるようなら、不動産会社の変更をおすすめします。ただし媒介契約は基本的に3カ月となっており、不動産会社に明らかな落ち度がない場合、途中での解約はそれまでにかかった費用を請求される可能性があります。
解約の明確な理由を示せない場合は、不動産会社の変更は契約満了のタイミングでおこなうのが無難です。
3-6.対策⑥内覧時の満足度を上げる
内覧がうまくいっていない場合には、売主の努力が足りていない可能性があります。ここでは内覧者の満足度を上げるためにできる工夫を紹介します。
3-6-1.室内をキレイにしておく
内覧時には室内をできるだけキレイにしておきましょう。
部屋が雑然としていたり汚れていたりすると、部屋に対して良いイメージを持ってもらいにくいだけでなく「部屋を大事に扱っていないルーズな人」とみなされ、買主からの信頼を得にくくなるからです。とくに水回りは汚れが目立ちやすいので念入りに掃除しましょう。
また、部屋が散らかっていると実際の平米数よりも狭く見えます。不要なものは片づけ、可能ならすっきり見えるように家具や物の配置を変更しましょう。背の高い家具を手前に、低い家具を奥に配置すると奥行きが広く見えます。
内覧は大切なお客様を迎えるつもりで、整理整頓や掃除を行うことが大切です。
3-6-2.住民ならではの情報を提供する
住民ならではの情報を提供できると、良いアピールになります。
実際の住み心地を知っているのは住民であるあなただけです。生活しないと分からない以下のような情報を伝えると、内覧者に購入後の暮らしをイメージしてもらいやすくなります。
- 隣人や住民関係
- 日中や夜間の騒音
- 日当たりや風通し
- マンションの管理状況
- 共有施設の使用状況・使い心地
- 生活の利便性
- 子育て環境について
3-6-3. ホームインスペクションを実施する
ホームインスペクションとは第三者である住宅の設計・施工に詳しい専門家が、住宅の劣化状況、欠陥の有無を診断することをいいます。
ホームインスペクションを実施すると、購入者の不安が解消され中古マンションが売れやすくなります。内覧時の対応でも、インスペクションの結果を伝えることで買い手を安心させることができるでしょう。
また、ホームインスペクションは「どこが劣化し、欠陥しているか」がわかるので、売り手側も欠陥箇所のリフォームを検討する際の目安にもなります。
ただしホームインスペクションは、一定の費用がかかることは心得ておきましょう。
3-7.対策⑦ 不動産会社に買取を依頼する
どうしても買い手が見つからない場合は、不動産会社に買取を依頼しましょう。
マンションが売れないまま放置していると、管理費や修繕積立金のコストが大きくなってしまいます。
いつまで経っても売れず、お金が出ていく一方という最悪の事態になりかねません。
不動産会社に買取を依頼すれば、売却価格はかなり安くなりますが確実にマンションを手放せて、無駄なコストを消費せずに済みます。
不動産会社によっては、自社で買い取ったマンションをリフォームした上で再販している業者もいます。
売却価格を高めるためにリフォームのコストを負担するよりは、買取を依頼し即座にマンションを手放したほうが結果的な経済負担が少なく済むかもしれません。
3-8.対策⑧必要な箇所だけリフォームする
築年数が古かったり、あまりにも状態が悪かったりして売れない場合は、部分的なリフォームがおすすめです。
明らかに劣化がひどい設備は見た目を悪くし、売却価格を下げる大きな要因です。
最低限の修繕を加えて、見た目を整えると買い手への印象もよくなります。。
たとえば、6畳分のフローリングの張り替えなら8万円程度でできます。
4. 売却前にリフォームする際の注意点とは
マンションがなかなか売れないとき、リフォームすべきか悩む人がいます。なかには不動産会社からリフォームをすすめられる場合もあるでしょう。
しかし基本的に、売却前の安易なリフォームはおすすめできません。ここでは、その理由を解説します。
4-1.リフォームしていない物件の需要もある
マンションはリフォームしてキレイにしたほうが売れやすいと思うかもしれません。しかしリフォームにはメリットだけでなくデメリットもあります。
リフォームは商談のチャンスを増やすメリットがある反面、売りに出すまでに費用も時間もかかります。また中古マンションを探している人のなかには、「自分の好みに合わせて自由にリノベーションしたい」と考える人が一定数いるのも事実です。
出典:https://www.zerorenovation.com/blog/pressrelease_202107_interest_budget/
上記のデータでは、およそ3人に1人が自分でのリフォームを希望していることが分かります。リフォーム前提でマンションを探している人にとっては、リフォームされていないほうが魅力的に映るのです。
4-2.リフォームすると販売価格を下げにくい
リフォームの最大のデメリットは、お金がかかることです。リフォーム費用を回収しようと販売価格に上乗せすると、高額になるのでますます売れにくくなります。かといってリフォーム費用を上乗せしないと、売主にとってはマイナスです。
またリフォームをしたからといって必ず売れる保証はありません。数百万円かけてリフォームしたのに売れなければ出費が増えるばかりで費用を回収できないという最悪の事態に陥ってしまう可能性もあります。 一方リフォームせずに売りに出すと、リフォーム費用が掛からない分、販売価格を安く設定できます。価格が安いと購入希望者の幅が広がるので、売却チャンスも増えるでしょう。
仮に内覧時に「水回りが気になる」「間取りが好みでない」となったとしても、「購入後に自由にリフォームできますよ」と説明すれば、納得感を持ってもらえます。
4-3.リフォームするかどうかは「エリア」「需要」で決める
リフォームするかは「エリア」と「需要」で決めるのがおすすめです。まずは不動産仲介会社に相談し、過去の売買実績などからエリアの特徴やニーズを教えてもらいましょう。
売却前のフルリフォームが一般的なエリアであれば、リフォームも検討余地に入ります。一方自分でフルリフォームする人が一定数以上見込めそうなら、無理にリフォームする必要はないと判断できるでしょう。
ただし、実際このあたりの見極めはかなり難しいので、必ず不動産仲介会社と相談して決めましょう。
関連記事:マンション売却は「リフォームしない」が正解!4つの理由とポイント解説
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5. マンションが売れ残った場合の対処法
ここまでマンションが売れない理由や対策を解説してきましたが、それでも売れ残ってしまった場合はどうしたらいいのでしょうか。考えられる対処法としては「買取を依頼」「賃貸に出す」の2つです。
5-1.どうしても売れない場合は不動産会社に買取を打診する
<買取のメリット>
- スムーズに現金化できる
- 販売活動が不要
- 仲介手数料が不要
- 契約不適合責任が発生しない
- 固定資産税などの費用がかからなくなる
- 売却の悩みから解放される
不動産会社への買取依頼は、確実にマンションを手放せて、無駄なコストを消費しなくていいのが大きな特徴です。
マンションが売れなければ、売却の悩みが増えるだけでなく、管理費や修繕積立金のコストが増えてしまいます。
マンションが売れずにコストが増えるまえに、不動産会社に買取を打診しましょう。
<買取のデメリット>
- 売却価格が下がる(3~4割減)
買取を選択すると売却価格が下がる点を考慮しつつ、あなたにとってメリットがあるかで判断しましょう。
5-2.売れないからといって賃貸はおすすめではない
なかなか売れないと「賃貸に出そうかな」と迷う人もいます。しかし基本的に、賃貸に出すのはおすすめしません。理由は次の3つです。
- 賃料が入り続ける保証がない
- 高い賃料が見込めない
- 税金や保険、維持管理費などの費用がかかる
相場よりも価格を落としてもなお売却に至らないマンションは、需要が少ないと考えられます。そのため、高い賃料を得る難しいケースがほとんどです。
さらに賃貸は賃借人の都合で自由に退去できます。賃借人がいなければ、賃料を得られません。また、賃貸に出していても所有権はあなたにあるので、固定資産税や保険、維持管理などの費用を負担する必要もあります。
そのため売れないからといって、安易に賃貸を検討するのは避けましょう。
6. まとめ
この記事では、マンションが売れない理由や対策について詳しく解説しました。最後に記事の内容をおさらいしましょう。
ほとんどのマンションは売り出しから6カ月以内に売却に至ります。6カ月経っても成約に至らない場合は、売れない理由として以下の9つが考えられます。
- 売り出し価格が適切ではない
- 同じマンションにライバル物件がある
- 住宅情報サイトの物件写真や情報に不足がある
- 不動産会社に囲い込みをされている
- 不動産会社が売却活動を怠っている
- 内見時の対応・印象がよくない
- 築年数が古い
- 立地環境が良くない
- 間取りや部屋が特殊である
マンションが売れないときにとれる対策は以下の7つが挙げられます。
- 販売価格を下げる
- 販売のタイミングをずらす
- 物件の登録情報を魅力的に改善する
- 不動産会社との媒介契約を見直す
- 売却活動の改善を依頼する
- 内覧時の満足度を上げる
- 必要な箇所だけリフォームする
これらの対策は自分でできることと、不動産会社にお願いしてやってもらうことの2種類があります。そのため、マンション売却成功の秘訣は自分でできる対策を打つことと、信頼できるパートナーである不動産会社を選ぶことと言えるでしょう。
中古マンション売却の知識と実績が豊富なsumnaraでは、リフォームに無駄なお金をかけずに早く高く売るお手伝いをしています。住宅情報サイトに掲載する物件情報は、プロのライターが実際に物件を見たうえで最大限にアピールします。しつこい営業電話などのセールスを受けることなく手間なく進められるので、安心してご相談くださいね。
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