専任媒介契約なら早く売れる!一般媒介との違いやメリデメを解説
専任媒介契約とは、マンションなどの不動産を売却する時、不動産会社と結ぶ契約のひとつです。
不動産の売却について、どの程度不動産会社に任せるかがこの契約で決められます。
専任媒介契約は
- 一社の不動産会社とのみ契約できる
- 自分で買主を探すことができる
- 契約期間は最長3ヶ月
- 契約だけでは費用は発生せず売却契約が結ばれた時に手数料を支払う
というのが特徴です。
また、不動産売却の際に不動産会社と結ぶ契約には、専任媒介契約の他に、一般媒介契約と専属専任媒介契約があります。
それぞれの違いは以下のようになっています。
専任媒介契約と、その他2つの契約との違いは、表のとおりです。
自分が不動産を売却する時、専任媒介契約、専属専任媒介契約、一般媒介契約のどれを選べばいいのかわからないままでは、スムーズに不動産を売却することはできません。
なぜなら、それぞれの媒介契約には一長一短があり、売却する不動産の特徴などによって、どの媒介契約がおすすめなのかが変わるからです。
万が一自分の物件や希望に合わない媒介契約を結んでしまうと、不動産が売れるまでの期間が長くなってしまったり、希望の金額より値下げしなくてはならなくなる可能性があります。
さらに、専任媒介契約についてよく知らないまま契約を結んでしまうと、不動産会社の宣伝活動に不満を抱いたまま契約期間が過ぎてしまう、囲い込みと言って不動産会社が不正を働くことがあるなどといったトラブルに巻き込まれる可能性もあるのです。
そこでこの記事では、専任媒介契約について、特徴やおすすめの人など詳しく紹介します。
この記事を読めば
- 専任媒介契約とはどんな契約なのか
- 専任媒介契約の特徴
- 専任媒介契約と他の媒介契約との違い
- 専任媒介契約のメリット
- 専任媒介契約のデメリット
- 専任媒介契約がおすすめの人、おすすめできない人
- 専任媒介契約でトラブルが少ない不動産会社を選ぶための6つの条件
- 専任媒介契約についてよくあるトラブルQ&A
がわかります。
専任媒介契約について深く知り、自分が3つの媒介契約の内どれを選べばいいのかがわかることで、不動産の売却をスムーズに、トラブルなく行うことができるでしょう。
専任媒介契約について知ることが、あなたの不動産売却の手助けになれば幸いです。
[監修]宅地建物取引士
市野瀬 裕樹
中古マンション売買仲介を累計1200件以上監督。株式会社groove agentにおいて不動産売買の業務に3年従事。買い手をサポートしてきた経験を活かし、どうすれば高く売れるのか?を、買い手目線で不動産売却仲介のアドバイスを行う。
目次
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1.専任媒介契約とは
専任媒介契約とは、マンションや一軒家などの不動産を売却する時に、不動産会社と結ぶ契約のひとつです。
まずは専任媒介契約がどんな契約なのか紹介します。
1-1.一社の不動産会社だけに不動産売却を任せる契約
専任媒介契約は、「専任」という言葉が表すように、不動産の売却の仲介を一社の不動産会社だけに任せる契約です。
不動産を売却する時には、不動産会社に購入希望者からの問い合わせを受け付ける、不動産情報サイトに物件を掲載するといった仲介を依頼します。
不動産会社は、物件を売却するためにチラシなどの広告に物件情報を掲載する、不動産情報サイトに情報を掲載する、不動産会社を訪れた購入希望者に物件を紹介するなどして買手を探します。
専任媒介契約では、このような売却のための仲介を行う不動産会社を一社だけに絞り、契約を結びます。
1-2.契約だけでは費用は不要で売却できたら手数料を払う
専任媒介契約は、契約を結んだだけでは費用は発生しません。
契約を結んだ物件が売却できた時に、契約で定められた仲介手数料を不動産会社に支払います。
支払う仲介手数料は
となります。
仲介手数料は売却できた際、売却価格から算出されます。
売却価格が高ければ、それだけ不動産会社に入る仲介手数料も高くなりますから、不動産会社もなるべく高値で売却できるよう営業活動を行ってくれるのです。
1-3.契約期間は最大で3ヶ月
専任媒介契約の契約期間は最大3ヶ月です。
専任媒介契約は自動更新されないので、契約から3ヶ月たっても物件が売却できていない場合、更新手続きを行うか、契約を終了するかを選ぶことができます。
契約期間は最大3ヶ月ですので、場合によっては1ヶ月、2ヶ月と契約期間を短くすることも可能です。
1-4.レインズ(指定流通機構)への掲載義務がある
専任媒介契約を結んだ場合、不動産会社は物件の情報をレインズ(指定流通機構)へ掲載する義務があります。
レインズとは、国土交通省から指定を受けた不動産流通機構が運営している、不動産情報が掲載されている情報システムのことです。
レインズに掲載されると、不動産流通機構に加盟している全国の不動産会社が物件の情報を見ることができるようになります。
そのため、多くの不動産会社に売却したい物件の情報が知らされて、買手を探すことができるのです。
専任媒介契約を結んだ場合、不動産会社はこのレインズに7営業日以内に物件情報を掲載しなくてはなりません。
契約から7営業日以内に掲載されることで、より早く、より多くの人に物件を知ってもらい、買手を探すことができるのです。
1-5.自分で買主を見つけることができる
専任媒介契約では、不動産会社ではなく自分で購入希望者を見つけて売却することも可能です。
自分で買主を見つけて売却することを「自己発見取引」といいます。
例えば専任媒介契約を結んだあと、知人や親戚など自分で見つけた買主に売却するのが「自己発見取引」となります。
専任媒介契約の場合、この自己発見取引が可能となっているため、自分で購入希望者を見つけてくることもできます。
専任媒介契約で自己発見取引した場合、不動産会社に手数料を支払う必要はありません。
ただし、それまでにかかった広告費などの実費を請求される場合があります。
請求される金額は、契約期間や営業活動にもよりますが、不動産会社が紹介した買主に売却した場合に支払う手数料よりは安くなります。
1-6.14日に一度の状況報告義務がある
専任媒介契約を結んだ場合、不動産会社は契約した売却希望者に、14日に一度以上は、状況を報告する義務があります。
問い合わせはどれくらい来ているのか、どのような営業活動をしてくれているのかなどを知ることが可能です。
2.専任媒介契約と他の媒介契約との違い
不動産を売却する時、不動産会社と結ぶ契約には、専任媒介契約以外に
- 一般媒介契約
- 専属専任媒介契約
の2つがあります。
専任媒介契約、一般媒介契約、専属専任媒介契約との違いは以下の通りです。
一般媒介契約、専属専任媒介契約との違いをさらに詳しくみていきましょう。
2-1.専属専任媒介契約は自分で購入希望者を見つけることができない
専属専任媒介契約は、専任媒介契約よりもさらに不動産会社に売却活動を任せる度合いが高い契約です。
そのため、専属専任媒介契約は専任媒介契約とは違い、自分で購入希望者を見つけて売却する「自己発見取引」を行うことができません。
もし、専属専任媒介契約を結んだ後に知り合いなど自分で見つけた購入希望者に売却したい場合は、専属専任媒介契約が終了するまで待つ、または専属専任媒介契約を結んだ不動産会社に仲介をお願いし、仲介手数料を支払わなくてはなりません。
2-2.一般媒介契約は複数の不動産会社と契約できる
一般媒介契約は、複数の不動産会社に媒介をお願いできる契約です。
契約する不動産会社はいくつでもかまいません。
専任媒介契約と専属専任媒介契約は、契約する不動産会社を一社だけにしなくてはならないため、一般媒介契約と大きく違います。
ただしその分、専任媒介契約や専属専任媒介契約と比べると、あまり積極的に営業活動を行わない傾向にあります。
また不動産会社は売却希望者に対して営業活動を報告する義務などはないため、物件の問い合わせがどれくらいきているかなどの状況がわかりにくくなってしまいます。
ある程度自分で物件の売却を管理し、動ける方には向いていますが、不動産売却の知識が少ない方は難しい場合もあります。
2-3.一般媒介契約はレインズへの掲載義務がない
一般媒介契約の場合、レインズへ掲載する義務がありません。
専任媒介契約と専属専任媒介契約の場合は、物件情報を必ずレインズに掲載しなくてはならないと定められていますが、一般媒介契約の場合は掲載してもしなくても、不動産会社の自由となっています。
レインズへ掲載されることで、契約していない不動産会社にも売却したい物件の情報が共有され、購入希望者の目に止まりやすくなるというメリットがあるため、レインズへ掲載されない可能性があるのは一般媒介契約のデメリットです。
レインズへの掲載を希望する場合は、一般媒介契約を結んだ不動産会社に掲載手続きをお願いしてみるのがおすすめです。
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3.専任媒介契約のメリット
これまで、専任媒介契約とはどんな契約なのかという点や、他の契約方法との違いをお伝えしました。
以上を踏まえると、他の媒介契約ではなく、専任媒介契約を選ぶメリットは
- 不動産会社が積極的に動いてくれる
- 窓口がひとつなので対応が楽
- 自分で購入希望者を見つけることも出来る
の3つがあることがわかります。
それぞれについて詳しく紹介します。
専任媒介契約かそれ以外の契約かを選ぶ際の決め手になる大切なポイントですので、ぜひじっくり読み進めてください。
3-1.専任媒介契約のメリット1 不動産会社が積極的に動いてくれる
専任媒介契約を選ぶメリットは、不動産会社が売却のために積極的に動いてくれるという点です。
専任媒介契約では、契約を結んだだけでは手数料は発生しません。
売却を依頼した不動産が売れなくては、不動産会社は利益を得ることができないのです。
一般媒介契約の場合、複数の不動産会社と契約ができるため、チラシを作るなどの営業活動をしても他の不動産会社が紹介した購入希望者と売買契約が成立してしまうことがあります。
すると仲介手数料は入らず、営業活動にかけた費用が無駄になってしまうのです。
専任媒介契約と専属専任媒介契約の場合、契約している不動産会社はひとつです。
営業活動を積極的に行えば、売却契約を結び、手数料が入る可能性が上がります。
そのため、一般媒介契約を結ぶよりも専任媒介契約を結んだ方が不動産会社が積極的に営業活動を行います。
それにより売却をスムーズに進めることができるのです。
3-2.専任媒介契約のメリット2 窓口がひとつなので対応が楽
専任媒介契約を選ぶメリットのふたつめとして挙げられるのが、窓口がひとつなので対応が楽だということです。
売却までには、問い合わせや見学希望者との日程調整など、不動産会社との間でさまざまなやりとりが必要です。
一般媒介契約の場合、複数の不動産会社から連絡が入り、対応するのが大変になってしまうことがあります。
どの不動産会社からどんな連絡が入ったのか、わからなくなってしまいやすい状況になることもあります。
その点、専任媒介契約は窓口となる不動産会社はひとつです。
レインズを見て他の不動産会社から問い合わせが入った場合も、すべて契約している不動産会社が取りまとめて連絡してくれます。
その分、対応の手間が減らせることは、仕事や家事などで忙しい中で売却活動を行う人にとっては大きなメリットとなります。
このように、専属専任媒介契約において契約書の知識は非常に重要です。契約を交わす前には、「専属専任媒介契約書」について書かれたこちらの記事をご確認ください。
3-3.専任媒介契約のメリット3 自分で購入希望者を見つけることもできる
専任媒介契約のメリットの3つめは、自分で購入希望者を見つけることができるという点です。
マンションや一軒家などを売却する時、知人や親戚から「買いたい」と言われることがあります。
そのように自分で購入希望者を見つけて売却した場合、不動産会社に手数料を支払う必要はありません。
その分、手元に残る利益が多くなるのです。
専属専任媒介契約の場合、自分で購入希望者を見つけたとしても、売却することはできません。
必ず専属専任媒介契約を結んだ不動産会社を間に入れて、仲介手数料を支払う必要があるのです。
もし知人や親戚など自分で購入希望者を見つける可能性がある場合は、専任媒介契約を選ぶとよいでしょう。
4.専任媒介契約のデメリット
専任媒介契約には先ほど紹介したようにさまざまなメリットがあります。
しかしメリットだけではありません。
専任媒介契約にはデメリットもあります。
メリットとデメリット、どちらも知っておくことで、より自分にあった契約方法を選ぶことができます。
専任媒介契約のデメリットは
- 不動産会社の良し悪しに影響されやすい
- 不動産会社が囲い込みを行う場合がある
の2つが挙げられます。
それぞれについて詳しく解説します。
4-1.専任媒介契約のデメリット1 不動産会社の良し悪しに影響されやすい
専任媒介契約のデメリットは、売却する上で不動産会社の営業力の良し悪しに影響を受けやすいという点です。
専任媒介契約では、購入希望者を探すための営業活動を、契約した一社だけが行います。
そのため、営業力が高い不動産会社であればよいのですが、あまり積極的にチラシやネット掲載などを行わない会社と契約してしまうと、購入希望者の目に留まる機会も少なく、売却までに時間がかかってしまうことがあるのです。
また不動産を売却する時は、価格設定など不動産会社のアドバイスが必要になる場面が多くあります。
あまり分析力のない不動産会社の場合、相場よりも高く値段設定してしまいまったく反応がなかったり、逆に相場より安くしすぎて利益を減らしてしまうこともあるのです。
専任媒介契約は一社だけと契約する分、不動産会社の営業力や分析力によって、売却までの期間や売却価格に大きな差が出てしまうというのはデメリットです。
4-2.専任媒介契約のデメリット2 不動産会社が囲い込みを行う場合がある
専任媒介契約のデメリットふたつめは、不動産会社が囲い込みを行い、自社顧客だけに物件紹介を行うという点です。
囲い込みとは、不動産会社がレインズを見た他の不動産会社を通して問い合わせて来た購入希望者に、物件がもう売れてしまった、すでに契約が進んでいるなどと嘘の情報を伝えることです。
不動産を売却する時、専任媒介契約を結んでいる不動産会社が見つけてきた購入希望者が物件を購入してくれた場合、不動産会社は売主と買主両方から仲介手数料を得ることができます。
しかし、レインズなどを通して他の不動産会社が紹介した購入希望者に売却する場合、専任媒介契約を結んだ不動産会社は売主からしか仲介手数料を得ることができません。
そのため、不動産会社は自分で見つけてきた購入希望者に売却する方が、利益が高くなります。
利益を高くしたい不動産会社の中には、他の不動産会社を通じて問い合わせて来た購入希望者に、物件がすでに売れているなど嘘の情報を伝えて、売却を防いでしまうのです。
他の不動産会社から問い合わせが入っても、契約している不動産会社が伝えてくれなければ売主は知ることができません。
結果として、売却できるチャンスを逃してしまい、自分の希望価格で早く不動産を売却できなくなってしまうのです。
囲い込みをされてしまう可能性があるのは、専任媒介契約を結んだ時の大きなデメリットです。
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5. 専任媒介契約がおすすめな人
不動産を売却する時、専任媒介契約がおすすめの人は
- 積極的に売却活動をして欲しい人
- 早く不動産を売却したい人
- 自分で買主を見つける可能性がある人
です。
それぞれについて詳しく紹介します。
5-1.積極的に売却活動をして欲しい人
専任媒介契約がおすすめなのは、積極的に売却活動をして欲しい人です。
専任媒介契約は、3ヶ月間という契約期間があるため、その期間内で売れるよう不動産会社も積極的に売却活動を行ってくれます。
数社で媒介を行う一般媒介とは異なり、確実に自社だけで仲介ができる専任媒介契約だからこそ、早く、高く売れるよう積極的な売却活動を行ってもらえるのです。
5-2.早く不動産を売却したい人
早く不動産を売却したい人にも、専任媒介契約はおすすめです。
一般媒介契約の場合、複数の不動産会社と契約するため、不動産会社はあまり積極的に営業活動を行ってくれません。
その点、専任媒介契約の場合はひとつの不動産会社としか契約していないため、営業活動を積極的に行う傾向があります。
チラシやインターネットでの掲載、不動産会社を訪れた購入希望者への物件紹介などを行うことで、多くの人の目に物件情報が触れ、早く不動産が売れる可能性が高まります。
なるべく早く不動産を売却したい場合は、専任媒介契約、または専属専任媒介契約を選ぶのがよいでしょう。
5-3.自分で買主を見つける可能性がある人
自分で買主を見つける可能性がある人も、専任媒介契約がおすすめです。
はっきりとは決まっていないけれど、知人や親戚が購入したいと言っているなど、もしかしたら自分で買主を見つける可能性がある場合、専属専任媒介契約を結んでしまうと、自分で見つけた買主に売却することができなくなってしまいます。
専任媒介契約であれば、不動産会社を通じて購入希望者を探すだけでなく、自分で見つけた買主に売却することも可能です。
自分で買主を見つける可能性がある場合は、専属専任媒介契約ではなく、専任媒介契約または一般媒介契約を選びましょう。
6.専任媒介契約がおすすめできない人
専任媒介契約がおすすめできない人は
- 人気エリアの不動産を売却する人
- 信頼できるなじみの不動産会社にすべて任せたい人
です。
詳しい理由と、どの媒介契約がおすすめかを紹介します。
ここまで読んで、改めて媒介契約の種類を検討したいと思った方は、専任媒介契約について解説したこちらの記事、一般媒介契約について解説したこちらの記事をお読みください。
6-1.人気エリアの不動産を売却する人
人気エリアの不動産を売却する人には、専任媒介契約はおすすめできません。
人気エリアの物件の場合、一般媒介契約で多くの不動産会社と契約し、仲介を依頼した方がスムーズに売却が進むことが多いため、一般媒介契約を選ぶことをおすすめします。
人気エリアの物件は、多くの人が購入希望しやすいため、営業活動よりも多くの人の目に触れる方が売却がスムーズにいく場合があるからです。
専任媒介契約は、ひとつの不動産会社に営業活動をすべて任せる契約です。
レインズを通じて全国の不動産会社に情報は共有されますが、それぞれの不動産会社が自分の物件の情報を購入希望者に紹介してくれるかどうかはわかりません。
そのため、専任媒介契約を結んだ不動産会社の顧客や営業エリアの人だけしか物件情報を知らせることができず、売却できる可能性が低くなってしまうことがあるのです。
その点、一般媒介契約では、物件に近いエリアで営業を行っている複数の不動産会社と契約し、物件を紹介してもらうことができます。
その分、多くの購入希望者の目に触れるチャンスが増え、物件を売却できる可能性が高まるのです。
人気エリアの場合は、多くの不動産会社と契約する分、幅広くいろんな方に物件情報を知らせることができる一般媒介契約をえらぶとよいでしょう。
6-2.信頼できるなじみの不動産会社にすべて任せたい人
信頼できるなじみの不動産会社があり、物件の売却をなるべくお任せしたい人には、「専属専任媒介契約という選択肢が有効です。
自分で買主を見つけてくることができないというデメリットはありますが、活動報告の義務は1週間に一度になるなど、専任媒介契約よりも手厚くなるため、信頼できる不動産会社にすべてお任せしたい場合は、専属専任媒介契約を選ぶと良いでしょう。
専属専任媒介契約は、自己発見取引ができない分、レインズへの登録は5営業日以内、不動産会社からの報告義務も7日間に1度と、さらに細かくなっています。
不動産会社に任せる部分が多いだけに、より積極的に営業活動を行ってくれる可能性が高まるのです。
まめに報告をしなくてはならないことも、営業活動を活発にします。
自己発見取引はせずに、信頼できる不動産会社にお任せして売却を行いたい場合は、専属専任媒介契約を結んでもよいでしょう。
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7.専任媒介契約で信頼できる不動産会社の6つの条件
専任媒介契約はひとつの不動産会社としか契約を結べない分、不動産会社の営業力や信頼性が物件の売却に大きく関わってきます。
不動産会社選びを間違えてしまうと、物件が思った価格で売却できない、売却がスムーズに進まないだけでなく、トラブルが起きてしまう可能性があります。
トラブルなく、スムーズに物件を売却できる不動産会社を選ぶためのポイントは以下の6つです。
- 宅地建物取引業の免許を持っている
- 売りたい物件の種類が得意
- 物件のあるエリアで販売実績がある
- 販売活動が充実している
- 相性が良く信頼できる営業マンがいる
- 囲い込みをしない
それぞれ詳しく紹介します。
7-1.宅地建物取引業の免許を持っている
専任媒介契約を結ぶなら、宅地建物取引業の免許を持っている不動産会社を選びましょう。
宅地建物取引業の免許とは、簡単に言うと、土地や建物の売買を行ったり、売買の仲介を行うための免許です。
不動産会社であればすべての会社が宅地建物取引業の免許を持っていると思うかもしれませんが、それは違います。
不動産会社の中には、無免許で土地や建物の売買の仲介を行っている会社もあるのです。
必要な免許を持たずに営業している不動産会社は、あまり信頼できません。
さらに免許を持っていない不動産業者は、保険に入ることができないため、万が一トラブルがあった場合も保険業者に支払いを求めることができないのです。
不動産会社が宅地建物取引業の免許を持っているかどうかは、国土交通省の検索システム「国土交通省 建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で調べることができます。
まずは最低限、必要な免許を持っている不動産会社を選びましょう。
7-2.自分の売りたい物件の種類が得意
自分の売りたい物件の取り扱いを得意としている不動産会社を選ぶと、より売買がスムーズに進むのでおすすめです。
不動産会社といっても、主に取り扱う物件は様々です。
物件の売買の仲介を主に行っている会社もあれば、賃貸物件の仲介を主とする会社もあります。
さらに物件の売買の仲介を主としている不動産会社の中にも、ビルなど事業用物件が得意な会社、店舗が得意な会社、中古マンションが得意な会社、新築の一軒家が得意な会社など様々です。
自分が売りたいと思う物件の種類を得意とする不動産会社なら、その物件を売るためのノウハウがあります。
また経験が多い分、価格の見極めなども的確です。
自分が売りたい物件の取り扱いが多い不動産会社を選ぶと、トラブルなくスムーズに売却を進めやすくなるのです。
7-3.自分の売りたい物件のエリアでの販売実績がある
自分の売却したい物件のあるエリアで販売実績のある不動産を選ぶのも大切です。
不動産会社はそれぞれ営業を行うエリアがあります。
営業エリアから離れた物件でも取り扱うことはできますが、やはりその地域で多く物件を取り扱っている不動産会社の方が価格の見極めなどが的確です。
また、同じエリアの物件と一緒にチラシを作って配布するなど、営業活動も無駄なくスムーズに行えます。
自分の売却したい物件のあるエリアで販売実績があるかどうかは、以下のような方法で確認できます。
- 不動産会社のホームページに同じエリアの物件があるか確認する
- 不動産会社から物件までの距離が近いか確認する
不動産会社はある程度物件から距離が近い会社を選ぶと、内覧などの営業活動がスムーズに進みます。
同じエリアの物件があれば確実です。
エリアも重視して不動産会社を選びましょう。
7-4.販売活動が充実している
チラシや広告などの営業活動や、掲載する物件写真をきれいに撮影してくれる、ハウスクリーニングを行ってくれるなど、販売活動が充実しているという点も、不動産会社を選ぶときに重視したいポイントです。
販売活動が充実していれば、それだけ物件が売れる可能性が上がります。
これらの販売活動は、一般媒介契約ではサービス提供されません。
専任媒介契約か専属専任媒介契約を結んだ人にだけ、サービスが提供されるのです。
せっかく専属専任媒介を結ぶのですから、ハウスクリーニングや撮影などさまざまなサービスを提供してくれる不動産会社を選んだ方がお得です。
自分の物件に合った販売活動やサービスを行ってくれる不動産会社を選びましょう。
7-5.相性がよく信頼できる営業マンがいる
専任媒介契約を結ぶなら、相性がよく、この人なら信頼して売却を任せられると感じられる営業マンがいる不動産会社を選びましょう。
専任媒介契約では一社としか契約出来ないため、担当となる営業マンとは物件が売却できるまで付き合わなくてはなりません。
相性の悪い営業マンや、信頼できないと感じる営業マンでは、コミュニケーションがスムーズにいかない場合もあります。
物件を売り出してから実際に売却できるまでの期間は約4ヶ月ほどというデータもあります。
それまでの期間付き合う人ですから、この人なら!という人がいる不動産会社を選んでください。
7-6.囲い込みをしない不動産会社を選ぶ
囲い込みをしない不動産会社を選ぶというのも、専任媒介契約を結ぶ際に重要なポイントです。
囲い込みというのは、不動産会社が自分が紹介した購入希望者と売買契約を結んでもらうため、他の不動産会社を通じて紹介された購入希望者に対して「物件はすでに売れた」など嘘をつくことです。
囲い込みをされてしまうとせっかくの売却のチャンスを逃してしまいますから、囲い込みをする不動産会社は避けたいもの。
しかし、契約前にどの不動産会社が囲い込みを行うのかを見極めるのは難しいのも現状です。
そこでおすすめなのが、契約前に「囲い込みはしませんね?」と確認することです。
囲い込みはしないで欲しいと念を押すことで、こちら側に知識があることもアピールでき、囲い込みを牽制することができます。
不動産会社にきちんと営業をし、販売活動してくれるよう契約前に話しておきましょう。
8. 専任媒介契約でよくあるトラブルについてのQ&A
専任媒介契約を結んだあと、トラブルが起きてしまうこともあります。
トラブルを未然に防いだり、起きてしまった時にどんな行動をすればいいのか、よくあるトラブルとその対処法をQ&A方式で紹介します。
8-1.トラブル1 不動産会社が囲い込みをしている可能性がある
Q.不動産会社と専任媒介契約を結んだが、まったく問い合わせがこない。人気のエリアで価格も手ごろなため、もしかしたら囲い込みをされているのではないかと感じているがどうしたらいいのだろうか?
A.本当に囲い込みをしているかどうか確かめたい場合は、自分の物件に対して問い合わせを行うのがおすすめです。
インターネットの物件情報サイトなどから、自分の物件に問い合わせを入れてみましょう。
問い合わせの返信に「すでに売買契約が成立している」など嘘の返信が来た場合は、囲い込みをされています。
囲い込みは法律で禁じられている行為です。
そのため、囲い込みをされた場合は契約違反となり、契約途中でも解除が可能です。
不動産会社の落ち度となるので、違約金などは発生しません。
不動産会社へ囲い込みに対する抗議を行い、契約を解除しましょう。
8-2.トラブル2 不動産会社の営業活動に不満があるが契約解除できるか
Q.不動産会社と専任媒介契約を結んだが、チラシなども入れず、あまり営業活動を行ってくれない。
これでは売却が進まないため、途中で契約解除することはできないだろうか?
A.不動産会社は物件が売却できるよう、広告などの営業活動を行う義務があります。
それを怠った場合は、不動産会社の落ち度となり、契約解除が可能です。
ただし、どの程度営業を行っているのかをきちんと確認しなくては義務に反しているかどうかが判断できません。
営業活動に不満がある場合は、まずは現在どのような営業活動を行っているか不動産会社に確認します。
内容があまり充実していないと思った場合は、なんとかできないか担当者に聞いて是正してもらいましょう。
それでも営業活動があまり行われず、購入希望者も現れない場合は不動産会社の落ち度として契約解除が可能です。
契約を解除し、違う不動産会社を探すと良いでしょう。
専任媒介契約の解除については「専任媒介契約は解除できる!解除方法や違約金について詳しく解説」の記事も参考にしてみてください。
8-3.トラブル3 契約期間内に契約解除しようとしたら広告費を請求された
Q.転勤のために自宅マンションを売却しようと専任媒介契約を結んだが、転勤がなくなってしまった。
契約期間内に契約解除しようとしたら今までかかった広告費などを違約金として請求された。
支払わなくてはならないのか?
A.不動産会社に落ち度がなく、契約者の都合で契約解除する場合は違約金が発生します。
請求されるのは契約期間内に不動産会社が支払った経費の実費がほとんどです。
広告費、チラシの印刷代などが請求されます。
違約金を請求された場合は、明細書を貰いましょう。
内容に不明なものがあれば問い合わせ、実費を支払って契約を解除します。
あまりに不当な請求があった場合は、都道府県の不動産会社を監督する部署か、各地域の宅建協会に相談するとよいでしょう。
8-4.トラブル4 専任媒介契約中に自分で買主を見つけた
Q.専任媒介契約を結んでおり、契約期間中だが知人が物件を購入したいといってきた。
知人に売却をしても問題ないのだろうか?
A.専任媒介契約では自分で買主を見つけることも出来ます。
しかし、専任媒介契約中に自分で見つけた買主に売却する場合、これまでかかった広告費などの経費を請求される場合があります。
不動産会社に支払う仲介手数料よりは安いため、契約期間内であれば広告費の実費を支払うのがおすすめです。
8-5.トラブル5 売れないまま専任媒介契約満了したらどうすればいいのか
Q.専任媒介契約を結んだが、物件が売却できないまま3ヶ月の契約期間が満了してしまいそう。
この場合はどうすればいいのだろうか?
A.専任媒介契約の契約期間が満了するとき、不動産会社の対応に問題がなければ契約期間を更新してみましょう。
マンションの場合、売り出しから売買が成立するまで平均約4ヶ月かかるというデータもあります。
新しい不動産会社を探すとそれだけ手間や時間が増えますから、もし現在の不動産会社に不満がなければ契約更新するのがスムーズです。
もし不動産会社に不満があれば、契約更新せず、違う不動産会社を探すのも◎です。
不動産会社の契約更新については「専任媒介契約は解除できる!解除方法や違約金について詳しく解説」の記事も参考にしてみてください。
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9.まとめ
この記事では、専任媒介契約の特徴や、おすすめな人、おすすめできない人、メリットデメリットを解説してきました。
最後に専任媒介契約についてまとめておきます。
◎専任媒介契約とは、不動産を売却する時に不動産会社と結ぶ媒介契約のひとつ
- 専任媒介契約では一社の不動産会社としか媒介契約を結ぶことができない
- 専任媒介契約は結んだだけでは費用は発生せず、売買が成立した時に仲介手数料を支払う
- 専任媒介契約の契約期間は最大3ヶ月
◎専任媒介契約と専属専任媒介契約、一般媒介契約の違い
媒介契約には専任媒介契約の他に、専属専任媒介契約と一般媒介契約があります。
それぞれの違いは以下の通りです。
◎専任媒介契約がおすすめなのは次のような人です。
- 積極的に売却活動をして欲しい人
- 早く不動産を売却したい人
- 自分で買主を見つける可能性がある人
◎専任媒介契約がおすすめできないのは次のような人です。
- 人気エリアの不動産を売却する人
- 信頼できるなじみの不動産会社にすべて任せたい人
人気エリアの不動産を売却する場合は一般媒介契約、信頼できるなじみの不動産会社にすべて任せたい人は専属専任媒介契約をおすすめします。
◎専任媒介契約を選ぶメリットは以下の3つです。
- 不動産会社が積極的に動いてくれる
- 窓口がひとつなので対応が楽
- 自分で購入希望者を見つけることも出来る
◎専任媒介契約を選ぶデメリットは以下の2つです。
- 不動産会社の良し悪しに影響されやすい
- 不動産会社が囲い込みを行う場合がある
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