更新:2022.11.23

不動産の簡易査定とは?実施の流れとメリットデメリットを徹底解説

簡易 査定

「マンションを売りたいけど、いくらくらいになるんだろう」

「売るかどうかは大体の査定額を知ってからにしたい」

そんな疑問をお持ちではありませんか? あなたの不動産がどのくらいの価格になるのかを知りたい場合、簡易査定を利用するのがおすすめです。

簡易査定とは、3つある不動産の査定方法のうちの1つです。

3つある不動産の査定方法

この3つの方法のうち、通常は簡易査定か訪問査定を依頼します。有料で依頼する不動産鑑定士による査定は一般的な不動産売買では必要ありません。

簡易査定は実際に物件を見ることなく、物件のデータを基に査定額を算出します。具体的には、一戸建てかマンションかといった物件の種類、住所、面積、間取り、築年数などから査定額を出していきます。

実際に不動産会社の人と会うことがなく、利用するシステムによっては個人情報を出さずに依頼できるため、気軽に査定を依頼できる方法です。

一方、実際に物件を見ないで査定するため、簡易査定での査定額はあくまで概算です。これを3~5社に依頼することで、相場の把握に役立つでしょう。

訪問査定は実際に物件を見て、より精度の高い査定を行う方法です。精度が高くなる分、準備するものが多く結果が出るまでの時間もかかります。

このように簡易査定にはメリットとデメリットがあり、人によっては他の査定方法がおすすめの場合もあります。自分のケースが簡易査定を依頼するべきなのかを知るためには、簡易査定についてよく理解しておくことが必要になるのです。

そこでこの記事では、

  • 簡易査定とは
  • 簡易査定の流れ
  • 簡易査定のメリットデメリット
  • 簡易査定がおすすめな人
  • 簡易査定を受ける方法
  • 簡易査定でできるだけ正確な査定額を出すコツ
  • 簡易査定を依頼する際の注意点

について解説します。簡易査定を利用する前に、簡易査定の特徴や流れ、メリットデメリットを知っておくことで、安心して簡易査定を依頼できるでしょう。

この記事があなたのお役に立てれば幸いです。

[監修]宅地建物取引士

市野瀬 裕樹

中古マンション売買仲介を累計1200件以上監督。株式会社groove agentにおいて不動産売買の業務に3年従事。買い手をサポートしてきた経験を活かし、どうすれば高く売れるのか?を、買い手目線で不動産売却仲介のアドバイスを行う。

目次

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    1.簡易査定とは物件価格のおおよその目安を出す方法

    簡易査定とは不動産を査定する方法の1つで、物件価格のおおよその目安を出す方法です。料金はかかりません。

    簡易査定とは物件価格のおおよその目安を出す方法

    簡易査定は、依頼者から提供された情報を基に、実際に物件を見ないまま概算価格を算出していきます。そのため、「まだ売るかどうかは分からないけど、とりあえず査定額を知りたい」というような人でも気軽に査定を依頼できる便利な方法です。

    不動産の査定には、簡易査定のほかに、無料の訪問査定と不動産鑑定士が行う有料鑑定の2つがあります。冒頭でもお話しした通り、一般的な不動産売買では不動産鑑定士による査定は必要ありませんので、通常は簡易査定か訪問査定のどちらかを選ぶことになります。

    簡易査定を選ぶべきかを知るためにも、次に説明する簡易査定の特徴と訪問査定との違いを理解しておきましょう。

    1-1.簡易査定の特徴

    簡易査定の特徴は、実際に物件を見ることなくデータのみで査定額を算出するという点です。現場に行かずパソコンや資料だけで完結するため机上査定とも言います。料金はかかりません。

    不動産会社の担当者が家に来ることがないので、「この家はいくらなんだろう」と思い立ったらすぐに査定を依頼できるシステムです。

    実際に物件を見ずにどのように査定額を出すのかと言うと、次のようなデータを基にします。

    • 一戸建てかマンションかといった物件の種類
    • 住所
    • 面積
    • 間取り
    • 築年数
    • 類似物件の売り出し価格や成約価格
    • 市場動向

    このようなデータを参考に、直近の取引額なども考慮しながら査定が進められていきます。

    簡易査定を利用したい場合、3つの方法があります。それは、

    1. 不動産会社の公式ホームページ内にある査定依頼フォームから依頼する
    2. 一括査定サイトを利用する
    3. 匿名査定(AI査定含む)を利用する

    といった方法です。それぞれの詳しい内容については、後ほど説明していきますね。

    早ければ当日、遅くても2〜3日ほどで査定結果が来るでしょう。査定額を見て、そのまま売却に進みたいと思ったら気になる不動産会社に連絡をして物件を実際に見てもらい、さらに細かい部分を査定してもらうことになります。

    1-2.訪問査定との違い

    訪問査定とは、先ほどお話しした簡易査定のようにデータ上での査定を行った後、さらに実際に物件を訪れて物件の状態や周辺状況を調査し査定額を算出する方法です。データに加え実際の物件の状態を査定に反映するので、より精度の高い査定額が期待できます。

    不動産の売却を検討する際には簡易査定か訪問査定を選ぶことになるため、簡易査定と訪問査定の違いを知っておくことも大切です。

    簡易査定と訪問査定の違いは、その査定方法と査定が完了するまでの時間、得られる結果の精度にあります。

    訪問査定との違い

    この表からも分かるように、簡易査定は査定方法が簡単で所要時間が当日〜数日と短く気軽にできる分、データに基づく目安額になるという特徴があります。簡易査定で知ることができるのは、あくまでも目安の査定額にしかすぎません。

    一方訪問査定は、査定方法がデータと現地調査の2つの段階があり、査定額が算出されるまでの所要時間が1週間程度と長いです。その分、現地調査も加味した査定結果を期待できるというメリットがあります。

    具体的に、訪問査定でどのような場所を見るのかというと、

    • 室内の状態
    • 建物の劣化の程度
    • 修繕が必要な設備の有無
    • 日当たり
    • 周辺状況

    といった点です。先ほどお話しした簡易査定の査定項目と比べると、次のようになります。

    簡易査定の査定項目と比べる

    簡易査定は築年数や面積などデータ面から概算価格を算出する査定方法、訪問査定は物件の状態や周辺状況を精査して査定額を算出する方法だということがよりお分かりになるかと思います。

    ◎訪問査定についてより詳しくは、不動産売却の訪問査定について書かれたこちらの記事をご覧ください。

    2.簡易査定の流れ

    先ほどの説明で、簡易査定とはどのようなものかお分かりいただけたでしょうか。では次に、簡易査定の流れを説明していきます。

    簡易査定はインターネットで申し込むことができます。簡易査定の流れはとてもシンプルで、主に次の3ステップで依頼することができます。

    簡易査定の流れ

    もう少し具体的に説明すると、次のようになります。

    ①依頼先を決める

    不動産会社のホームページの査定依頼フォームや一括査定サイト、匿名査定サイトなど、簡易査定を依頼するサイトを選択します。できるだけ多くの不動産会社から査定をもらった方が各社を比較できるため、一括査定サイトがおすすめです。

    ②必要事項を入力する

    入力項目は、

    • 物件の種類(マンションか一戸建てか)
    • 住所
    • 面積
    • 間取り
    • 築年数
    • 連絡先

    などが一般的です。匿名査定サイトの場合は、個人情報を入力する必要がないので、よりプライバシーが守られる形になります。

    ③送信ボタンを押す

    入力項目に間違いがないか確認しましょう。特に、査定結果を受けるためのメールアドレスなどは間違いのないように、しっかり確認しておくことが大切です。

    査定結果は早くて当日中、遅くても2〜3日のうちに届くのが一般的です。また、簡易査定では入力したデータに基づいて査定が行われていくので、準備するデータの正確さが重要になってきます。そこで、面積や築年数、そのほか記載すべきことがないかを事前に確認し、準備しておくとスムーズです。

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    3.簡易査定のメリット3つ

    ここまで、簡易査定とは何か、簡易査定の流れについて説明してきました。では次に、簡易査定のメリットについてお話ししていきます

    簡易査定のメリットは3つあり、

    1. 掃除や片付けをせずに今すぐ査定を依頼できる
    2. 査定結果が当日〜数日で届く
    3. 個人情報を伏せ匿名で依頼することもできる

    となります。簡易査定のメリットについて、1つずつ詳しく解説していきます。

    3-1.掃除や片付けをせずに今すぐ査定を依頼できる

    簡易査定は、依頼から結果の受け取りまでパソコンやスマホだけで完結するので、今まさにこの状態でも、すぐに査定を依頼することができます。基本的な質問だけで入力項目は多くないので、手間がかかりません。不動産会社の担当者に物件を見てもらう必要もないので、査定に時間を縛られないのもメリットです。

    つまり、部屋が散らかっていても、水回りの掃除に手が回っていなくても査定を依頼することができますし、会社の休憩時間や家事の合間を見計らってパパッと依頼できる方法です。対象物件から離れた場所に住んでいる人にも便利です。

    気軽に手軽に査定を依頼したい人にとってはメリットを感じる部分が大きいでしょう。

    3-2.査定結果が当日〜数日で届く

    簡易査定の結果は早くて当日、遅くても2〜3日の間に届きます。依頼してからすぐに査定額を知ることができるのは、大きなメリットですよね。

    結果が出るまでの時間が短い分、複数の不動産会社の比較に多くの時間を割けるでしょう。もしその後売却を考えて訪問査定を依頼する場合でも、間隔をあけずに進めることができます。

    3-3.個人情報を伏せ匿名で依頼することもできる

    簡易査定の方法の1つである匿名査定の場合は、個人情報を入力せず匿名で査定を依頼することができます。そのため、しつこく営業電話がかかってくるようなことはありません。

    インターネットで査定を依頼する際に、「査定後に営業電話がかかってきて困ってしまった」というお話を聞いたことがありませんか?

    不動産会社も自分のところで物件を扱いたいので、訪問査定に進むかどうかのお話をしたいのは当然です。しかし、「まだ売るかどうかは決めていない」「ただ目安を知りたかっただけ」という気軽な気持ちで査定を依頼した人にとっては、営業電話が迷惑に感じてしまうこともあるでしょう。

    匿名査定なら営業電話に悩まされるリスクがないので、ただ査定額だけを知りたい人には大きなメリットになります。

    4.簡易査定のデメリットは査定額が正確ではないこと

    先ほど、簡易査定のメリットを3つお話ししました。では次に、デメリットについてのお話もしていきましょう。

    簡易査定の主なデメリットは、査定額が正確ではないという点です。

    先にもお話ししましたが、簡易査定では実際に物件を見ることなく、依頼者が提供した情報や類似物件の取引価格などを参考に査定額を算出していきます。

    そのため、簡易査定の価格はあくまでもおおよその目安でしかなく、その後に訪問査定をした際に査定額が大きく変動してしまうこともあり得るのです。

    物件の査定額は、簡易査定で入力する項目である住所や面積、築年数などだけは正確なところを判断できません。

    例えば、物件を実際に見たら水漏れしている部分があった、トイレタンクが壊れていた、ドアのパッキンが劣化していた、建て付けが悪くなっていた……などと不具合が発見される場合もあれば、同じくらいの築年数の建物と比べて劣化が激しいと見られる場合もあります。

    その反面、最近給湯器を取り替えたばかり、IHを最新のものに取り替えたばかり……など、プラスに働く発見もあるでしょう。

    さらに、物件の周辺の状況や日当たりなども査定額に影響してきます。マンションの場合は階数や角部屋かどうかによっても価格が変わってきます。

    簡易査定はそもそも不動産査定の第一ステップなので、手軽に査定できる分正確さに欠けるのは仕方がないことでしょう。

    訪問査定との開きをできるだけ小さくしたい、できる限り正確な価格に近づけたい、という場合は、簡易査定を依頼する際にできるだけ具体的で詳細なデータを提供することが必要です。

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    5.簡易査定がおすすめな人

    先ほどお伝えした簡易査定のメリットとデメリットを基に、簡易査定がおすすめな人を解説していきます。

    簡易査定がおすすめな人は、気軽に不動産の査定を依頼したい人です。もう少し詳しく言うと、

    • とりあえず目安になる査定額だけを知りたい
    • 訪問査定を依頼する不動産会社を選択したい
    • 遠方に住んでいて頻繁に物件の所在地に出向けない

    という人になります。それぞれの理由について詳しく解説していきます。

    5-1.とりあえず目安になる査定額だけを知りたい

    簡易査定は、とりあえず目安の査定額を知りたい人におすすめです。

    どういう人かと言うと、例えば、物件を売却するかどうかについてはっきり決まっていなく、とりあえず査定額を知ってから売却するかどうかを決めたい人です。

    まだ売るかどうかを決めていないのに、いきなり不動産会社の人が訪問してきたり、売却の話をしてきたりするのはとても荷が重いことですよね。

    簡易査定なら仕事や家事の合間、移動時間などの隙間時間に少しの項目を入力するだけで申し込みが完了しますし、不動産会社の人が訪問することもないので気軽に依頼できます。

    5-2.訪問査定を依頼する不動産会社を選択したい

    物件を売却することはおおよそ決めているけれど、不動産会社がたくさんありすぎてどこに依頼したら良いか分からない、という人にも簡易査定はおすすめです。

    まずは一括査定サイトなどで複数の不動産会社に簡易査定を依頼して、各社の査定額や対応を比較してみましょう。複数社から査定額が出されると、大体の平均額が分かると思います。高い査定額を出してくれたとしても、その平均額からあまりにもかけ離れている不動産会社は、顧客を獲得したいがための作戦である可能性も高いので、できれば避けたほうが無難です。

    査定額に、きちんと根拠が示されているかも見逃せないポイントです。簡易査定でも親切丁寧な対応が窺える不動産会社なら、今後訪問査定や売却を依頼する際に安心してお任せできそうですよね。

    ほかにも、不動産会社の実績や口コミを参考にしながら、訪問査定を依頼する不動産会社を選んでいきましょう。

    5-3.遠方に住んでいて頻繁に物件の所在地に出向けない

    遠方に住んでいる人にとっても、簡易査定はおすすめです。なぜなら、簡易査定は依頼する側も物件に足を運ぶ必要がなく、思い立ったタイミングで査定を依頼できるからです。

    遠く離れている物件に、高い交通費をかけて何回も足を運ぶのは経済的にも肉体的にも負担です。その負担を軽減するためにも、最初の一歩は自宅でできる簡易査定を利用することがおすすめです。

    【正確な査定額が知りたい人は訪問査定を活用しよう】

    「早く家を売りたい」「最初からできるだけ正確な価格が知りたい」という人は訪問査定を活用しましょう

    物件の実際の状態を見てもらえるので、正確な査定額を算出してもらえます。

    最初から訪問査定を利用すれば、売却までの時間を短縮できます。もう売ることは決めているという人は、簡易査定を利用せず訪問査定から始めても良いでしょう。

    6.簡易査定を受ける方法は3つ

    簡易査定がおすすめな人についてお話ししましたが、「ぜひ簡易査定を受けてみたい!」と感じた人もいるのではないでしょうか。

    そこで、ここでは簡易査定を受ける方法についてご紹介していきます。

    先にもお話ししましたが、簡易査定を受けるには3種類の方法があります。

    1. 不動産会社の査定依頼フォーム
    2. 一括査定サイト
    3. 匿名査定(AI査定含む)

    それぞれの方法の特徴をよく知ってから、どの方法で査定を依頼するかを選ぶと良いでしょう。それでは、詳しく説明していきますね。

    6-1.不動産会社の査定依頼フォーム

    不動産会社のホームページを見てみると、大抵、「無料査定依頼フォーム」などといった名称のページが作られています。そこに必要事項を入力して、簡易査定を依頼することができます。

    この方法は、あらかじめ簡易査定を依頼する不動産会社にめぼしが付いている人や、「ご縁があってここに依頼すると決めている」という人にはおすすめです。

    一方、依頼する不動産会社をまだ決めていない人は、次に説明する一括査定サイトがおすすめです。その理由も併せて説明していきますね。

    6-2.一括査定サイト

    不動産の一括査定サイトは、そのサイトに必要事項を入力するだけで複数の不動産会社からの概算査定額を知ることができるシステムです。

    そもそも、不動産の査定は1社だけでなく複数社からとった方が良いとされています。その理由は、不動産の査定額は査定する会社によって変わるからです。1社だけの結果に頼るよりも、複数社の査定額を比較して、自分にとって一番適切な査定額を見つけるのがベストな方法です。

    ただ、不動産の一括査定サイトはたくさんあるため、どこで依頼するか迷ってしまいますよね。一括査定サイトを選ぶポイントは、サイトと提携している不動産会社の数はどのくらいでどういうところか、実績はあるのか、信頼できるのか、といった点に着目してみると良いでしょう。

    【おすすめの一括査定サイト3選】

    「HOME4U(ホームフォーユー)」

    ホームフォーユー

    出典:HOME4U

    「HOME4U」は、NTTデータグループが運営する国内初・日本最大級の不動産一括査定サイトで、運用21年の実績を誇ります。大手企業から実績豊富な地域密着企業まで、全国約1,800社と提携している規模の大きい一括査定サイトです。最大6社から、査定価格をまとめて取り寄せることができます。

    ◎「イエウール」

    イエウール

    出典:イエウール

    「イエウール」は、最近メディアでの紹介頻度が高く、人気が右肩上がりの一括査定サイトです。東京商工リサーチの調べによると、利用者数は月間1万3,000人を突破、提携不動産会社数は1,974社にものぼります。さらに、売却成立サポート件数は年間20万件を突破するなど、今勢いのある注目サイトです。

    「おうちダイレクト」

    おうちダイレクト

    出典:おうちダイレクト

    「おうちダイレクト」は、マンション販売を得意とする不動産会社が多く提携している一括査定サイトで、主に都心部のマンションを売却したい人におすすめです。ヤフーとソニーグループが共同で運営しているので、「おうちダイレクト」を通じて査定依頼をした不動産会社と媒介契約を結ぶと、Yahoo!不動産とおうちダイレクトが売却活動をサポートしてくれるという大きなメリットがあります。

    6-3.匿名査定(AI査定含む)

    「簡易査定を依頼したいけど、まだ売却を決めたわけではないし営業の電話がかかってこないか心配……」と不安に感じている人は、匿名査定がおすすめです。

    匿名査定とは、個人情報を出さずに査定ができるシステムです。サイト内で入力するのは物件情報と、査定結果を受け取るためのメールアドレス程度です。メールアドレスの情報なども査定サイトの運営会社で管理され、不動産会社には知らされません。

    匿名査定には、人間が査定するものとAIが査定するAI査定があります。どちらも匿名で査定してもらえますが、AI査定の場合は、人間に代わってコンピュータが査定を行うので結果が出るまでの時間が短いのが特徴です。早ければ数秒〜数分で査定額が出る場合が多いので、今すぐに査定額の目安を知りたい人におすすめです。

    匿名査定サイトは前述した一括査定サイトのように、一度に複数の不動産会社の査定を受けることができるものが多いです。また、不動産会社のサービスの1つとしてAI査定を採用するところも増えてきました。

    【おすすめの匿名査定サイト2選】

    「マンションナビ」

    マンションナビ

    出典:マンションナビ

    「マンションナビ」は全国のマンションを対象にした一括査定サイトです。個人情報が不要な「AI査定」では、マンション名で検索すると推定価格相場や市場データを返してくれます。登録店舗数は全国2,500店舗。一括査定(無料プロ査定)を申し込むと、最大9社(売買6社+賃貸3社)の不動産会社に査定してもらえます。一括査定は個人情報が必要になります。「45秒で無料査定」と謳っているとおり、スピーディーな査定が特徴です。

    「LIFULL HOME’S」

    LIFULL HOME’S

    出典:LIFULL HOME’S

    「LIFULL HOME’S」では、匿名で一括査定の依頼ができます。ホームページによると、全国の参加社数は2,400社以上、査定利用者数は736万人を突破しています。最大13社、平均4社から概算価格が届きます。

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    7.正確な査定額に近づけるコツは詳細な物件情報を提示すること

    ここまで、簡易査定の概要やメリットデメリット、おすすめな人、簡易査定を受ける方法についてお話ししてきました。

    簡易査定とは無料で依頼できる不動産査定の1つで、物件を実際に見ることなく査定が完了する手軽さの反面、あくまでも査定額は目安であることをお伝えしてきました。

    とはいえ、簡易査定のような手軽な方法で正確な査定額が出ればとても良いと思いませんか?

    実際には、物件を見なければ建物の劣化具合や設備の状態、周辺状況や日当たりなどを確認できないため、正確な査定額を出すことはできません。

    ですが、依頼する側の準備によっては、簡易査定でも正確な査定額に近づけることはできます。それは詳細な物件情報を提示することです。

    簡易査定を依頼する際の入力フォームは項目によって分けられていますが、最後に「その他」の欄があることが多いです。そこにできるだけ詳しい情報を記載しておきましょう。

    具体的には、

    • 設備の状態
    • 室内の状態
    • 建物の劣化の程度
    • 内部の使用状況
    • 日当たり
    • 周辺状況(駅からの距離、病院、大型スーパー、バス停、高速道路、幹線道路との距離など)
    • マンションの場合は階数や角部屋、採光や眺望、管理体制、後付け困難な設備があるか(ディスポーザーなど)
    • 大手ブランドかどうか

    といった内容です。

    最初に詳細な情報を提示することでより正確な査定額に近づけることができ、売却への意思が固まり訪問査定を依頼しても、査定結果の開きは小さくなるでしょう。

    8.簡易査定を依頼する際の注意点

    簡易査定を依頼する際、気をつけなければならない点がありますのでお伝えします。注意点は次の2つです。

    • 正確な情報を入力すること
    • 査定後の対応についての要望は備考欄に記載を

    それぞれの理由について詳しく説明していきます。

    8-1.正確な情報を入力すること

    簡易査定は依頼者が提供するデータに基づいて査定額が算出されますので、言うまでもなく正確な情報でなければなりません。

    また、入力していない項目があると査定額にも響いてきますので、入力欄は可能な限り埋めるようにすることが大切です。

    誤字脱字があったり、住所の数字を間違えていたりすると正しい査定になりませんので、入力後は内容に間違いがないかしっかり確認するようにしましょう。

    8-2.査定後の対応についての要望は備考欄に記載を

    不動産の簡易査定は気軽にできて料金はかかりませんが、あくまでも不動産会社側にとっては営業のツールであるという側面があることを認識しておきましょう。

    というのも、簡易査定の際に不動産会社に個人情報が知らされている場合、査定後に営業の電話がくることがあるからです。

    もちろん、訪問査定を希望する不動産会社からなら良いですが、そうではない会社からの電話はなかなか喜んで受けにくいものですよね。

    特に一括査定サイトで一度に複数の不動産会社に査定を依頼した場合は、立て続けに電話がかかってきてしまうこともあるかもしれません。

    そんな事態を避けるために必要なのが、要望を概要欄に記載しておくことです。具体的には、

    • 営業連絡を希望しない
    • 連絡は○曜日の▲時〜□時以外にしてください

    など、連絡を希望しない旨や時間帯を明記しておくと良いでしょう。

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    9.まとめ

    いかがでしたか? 不動産の簡易査定について、特徴や流れ、メリットデメリット、おすすめな人、受ける方法や注意点などを説明しました。

    この記事をまとめると、以下のようになります。

    • 簡易査定とは、物件価格のおおよその目安を出す方法
    • 簡易査定は、実際に物件を見ることなく依頼者からのデータを基に査定額を算出する
    • 簡易査定に必要なのは、物件の種類、住所、面積、間取り、築年数などの基礎情報のみ
    • 簡易査定は早ければ当日中、遅くても2〜3日で査定額を知ることができる
    • 簡易査定を受けて売却の方向で意思が固まったら、次は訪問査定を依頼する
    • 訪問査定とは簡易査定の内容に加え、実際に物件を見て、建物や設備の状態、日当たりや周辺状況などの情報も加味してより正確な査定額を出す方法。簡易査定との違いは、査定方法、査定項目、査定にかかる時間、査定額の精度。
    • 簡易査定のメリットは3つ
    1. 掃除や片付けをせずに今すぐ査定を依頼できる
    2. 査定結果が当日〜数日で届く
    3. 個人情報を伏せ匿名で依頼することもできる
    • 簡易査定のデメリットは、査定額の精度が低いこと
    • 簡易査定がおすすめな人は手軽に不動産の査定を依頼したい人。具体的には、

    -とりあえず目安になる査定額だけを知りたい

    -訪問査定を依頼する不動産会社を選択したい

    -遠方に住んでいて頻繁に物件の所在地に出向けない

    といった人

    • 簡易査定を受ける方法は、
    1. 不動産会社の査定依頼フォーム
    2. 一括査定サイト
    3. 匿名査定(AI査定)

    の3つ。どれを選ぶかは依頼者の状況により、不動産会社が決まっているなら「不動産会社の査定依頼フォーム」、未定なら一括査定サイト、営業電話を一切受けたくないなら匿名査定がおすすめ

    • 簡易査定で正確な査定額に近づけるためには、できるだけ詳細な情報を提示すること。物件の住所や面積、間取り、築年数などの基礎情報だけではなく、
    • 設備の状態
    • 室内の状態
    • 建物の劣化の程度
    • 内部の使用状況
    • 日当たり
    • 周辺状況(駅からの距離、病院、大型スーパー、バス停、高速道路、幹線道路との距離など)
    • マンションの場合は階数や角部屋、採光や眺望、管理体制、後付け困難な設備があるか(ディスポーザーなど)
    • 大手ブランドかどうか

    といった詳細を記載すると良い

    • 簡易査定を依頼する際には、正確な情報を入力すること。査定後に営業電話に悩まされないために連絡が不要な場合や日時を指定したい場合はその旨を明記しておくと良い

    簡易査定は査定項目が少なく手軽にできる分、あくまでも概算価格しか出ませんが、家を売るかどうかを決める第一歩として、まずは利用してみましょう。

    この記事があなたの不動産査定のお役に立てれば幸いです。

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