マンション売却時の媒介契約はどれがいい?3種類の違いや注意点を紹介
「マンションを売りたいけれど、『媒介契約』とはなんだろう?」
「『媒介契約』にはいくつか種類があるけれど、どれを選べばよいの?」
初めてのマンション売却で「媒介契約」についてこのような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
「媒介契約」とは、不動産を売買する際、不動産業者が売主と買主の間に入り、不動産売買や賃貸借などの仲介をしてくれる契約のことです。
マンションをスムーズに売却したいなら、媒介契約を結ぶのが一番の近道です。
本記事では、マンションを売却する際の「媒介契約」について、契約内容の違いやそれぞれのメリット・デメリットを紹介していきます。媒介契約についての理解を深めるために、ぜひ最後までお読みください。
[監修]宅地建物取引士
市野瀬 裕樹
中古マンション売買仲介を累計1200件以上監督。株式会社groove agentにおいて不動産売買の業務に3年従事。買い手をサポートしてきた経験を活かし、どうすれば高く売れるのか?を、買い手目線で不動産売却仲介のアドバイスを行う。
目次
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1.不動産の「媒介契約」とは?
媒介契約とは、不動産会社などの宅地建物取引事業者に不動産を売買する際の仲介を依頼する契約のことです。
媒介契約を結んだ不動産会社は、依頼された不動産の買主を探すため、積極的な販売活動を行ったり、売主に売買のための情報提供をしたりします。そして、売却活動の条件や不動産が売れた際の成功報酬の金額を定めたものが「媒介契約」です。
もちろん不動産を売る際は、このような媒介契約を結ばず、個人で買主を見つけて不動産を売る「個人売買」も可能です。しかし、販売活動や売買契約の締結などすべて個人で行うと、予想以上に負担が大きくなります。
そのため、不動産を売買する方の多くは「媒介契約」を結んで不動産売却を行うことが一般的です。
媒介契約には以下3種類があります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
上記の3種類はそれぞれ異なった特性を持ち、契約の種類によって不動産売買に影響する範囲が変わってきます。それぞれの契約ス内容の違いを確認してみましょう。
1-1.一般媒介契約
一般媒介契約とは、売主(もしくは貸主)がいくつもの不動産会社(もしくはその他の宅建業者)に同時に仲介を依頼できる媒介契約のことです。
一般媒介契約は「明示型」と「非明示型」に分かけられます。それぞれの違いは下記の通りです。
明示型 | 仲介を依頼している他の不動産会社の情報を通知すること。 ※情報とは「名称」「所在地」を指します。 |
非明示型 | 他の不動産会社に仲介依頼をしているかどうかを通知しないこと。 |
どちらを選ぶこともできますが、特にこだわりがないのであれば「明示型」を選ぶことをおすすめします。
なぜなら、競合する不動産会社の名前を他社に伏せておくと、「お宅の会社を信頼しているわけではない」といったマイナスの意思表示に取られてしまうこともあるからです。
快く売却活動に専念してもらうためには、不動産仲介業者と売主との関係が良好であることが重要です。そのため迷うようであれば、「明示型」を選びましょう。
一般媒介契約の大きな特徴は、売主(もしくは貸主)にとっては、複数の不動産会社とつながりを持つことで、より広い販売活動が期待できることです。
また、不動産会社に依頼しながらも、自分で買主や借主を探して、それぞれ売買契約や賃貸借契約を結ぶことも可能です。
なお、レインズ(不動産流通標準情報システム)への登録は任意となっています。
レインズ |
国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営するコンピューターネットワークシステム。 不動産会が不動産売買のために情報を登録・検索するためのインフラで、登録により物件情報が広まりやすくなる。 |
1-2.専任媒介契約
専任媒介契約とは、媒介契約を結べる不動産会社(もしくはその他の宅建業者)が1社のみである契約のことです。専任媒介契約の契約期間は3か月以内となっています。
ただしこの契約期間中も、売主は自分で買主や借主を探して、それぞれ売買契約や賃貸借契約を結ぶことができます。
専任媒介契約で契約を結んだ不動産会社(もしくはその他の宅建業者)は、売主(=依頼主)に対して、以下のような義務を果たさなくてはなりません。
- レインズへの登録(媒介契約を結んで7営業日以内)
- 営業の活動状況を2週間に1回売主へ報告しなければならない
なお、専任媒介契約の中途解約は以下のようなトラブルがあった場合に可能です。
- 不動産会社の営業活動に問題があった場合
- 不正を働いた場合
- 媒介契約の重要な事柄を故意または重過失によって告げなかった場合など
万が一、上記にあてはまる状況になった際は、契約を破棄し、より熱心に売買活動を進めてくれる会社を探すことをおすすめします。
1-3.専属専任媒介契約
専属専任媒介契約も、専任媒介契約と同様で媒介契約を結べる不動産会社(もしくはその他の宅建業者)が1社のみとなる契約スタイルです。契約期間は3か月以内となっています。
ただし、売主が勝手に買主や借主を探してくることを禁止しています。
また、専属専任媒介契約で契約を結んだ不動産会社(もしくはその他の宅建業者)は、売主(=依頼主)に対して、以下のような義務を果たさなくてはなりません。
- レインズへの登録(媒介契約を結んで5営業日以内)
- 営業の活動状況を1週間に1回売主へ報告しなければならない
専属専任媒介契約は、以下のようなトラブルがあった場合は、たとえ3か月以内の契約期間であっても途中解約ができます。
- 不動産会社の営業活動に問題があった場合
- 不正を働いた場合
- 媒介契約の重要な事柄を故意または重過失によって告げなかった場合など
このように、媒介契約にはそれぞれ条件の異なる3種類があります。
下図にて3者の違いを比較表にまとめてみました。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
依頼できる仲介会社の数 | 複数社に依頼可能 | 1社のみに依頼可能 | |
自分で買主・借主を見つけて取引可能か | できる | できる | できない |
媒介契約の期間 | 定められていないが標準媒介約款では3ヶ月以内 | 3ヶ月以内(宅地物件取引法で決まっている) | |
レインズへの登録 | 業務ではないが登録可能 | 媒介契約の締結日から7日以内 | 媒介契約の締結から5日以内 |
業務報告 | 報告の義務なし | 2週間に1回以上報告する | 1週間に1回以上報告する |
どの契約スタイルがご自分に向いているのか、上記の表を参考にしてみてくださいね。
2.一般媒介契約のメリットとデメリットとは?
「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」は異なる特徴を持ち、それぞれにメリット・デメリットがあります。
まずは一般媒介契約に関するメリット・デメリットを確認していきます。
2-1.一般媒介契約の3つのメリット
一般媒介契約の主なメリットは以下の3つです。
- 複数の不動産業者に依頼するので、より広く買い手にアピールできる
- レインズへの登録義務がないので、公にせず物件を売却できる
- 人気物件の場合は不動産業者同士の競争心が働き、活発に販売活動をしてもらえる可能性がある
一般媒介契約の最大のポイントは、複数の不動産仲介会社に依頼できる点です。
売却相談ができる不動産仲介会社を1社でも多く確保しておくことで、販売活動がより広い範囲に広がるため買い手が見つかりやすくなります。
2-2.一般媒介契約の3つのデメリット
一方で、一般媒介契約の主なデメリットは以下の3つです
- 複数の不動産業者に依頼するため、自社で売れるとは思わずに販売活動をおそろかにされる可能性もある
- 不動産業者からの報告義務がないため、販売状況がつかみにくく販売戦略が立てづらい
- レインズへの登録義務がないため、物件情報を登録してもらえないケースも稀にある
一般媒介契約は複数の不動産仲介会社と契約を結べるため、不動産仲介会社によっては自社で売却できないと考えて、営業活動を熱心にしない可能性もあります。
特に、売主への営業活動の報告義務がありませんので、売主としては現状が把握できず、効果的な販売作戦を立てにくいことがあります。
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3.専任媒介契約のメリットとデメリットとは?
専任媒介契約とは、不動産仲介会社1社のみに仲介を依頼できる契約のことです。
以下では、専任媒介契約のメリット・デメリットを確認していきます。
3-1.専任媒介契約の2つのメリット
専任媒介契約の主なメリットには以下の2つが挙げられます。
- 売主への報告が2週間に1度行われるので販売状況を把握しやすく、販売戦略を立てやすい
- 広告費をかけるなど積極的に販売してもらいやすい
専任媒介契約は、一般媒介契約と比べると不動産仲介会社との距離感や関係性が深いため熱心に物件を販売してもらえます。
物件販売のために広告費を積極的にかけてもらえるため、自身の求める価格帯で物件が売れる可能性が高まります。
3-2.専任媒介契約の3つのデメリット
一方で、専任媒介契約には以下の3つのデメリットもあるため注意が必要です。
- 家を売却しようとしていることが周囲に伝わりやすい
- 囲い込みを受ける可能性がある
- 売主側の事情で媒介契約を途中で解約する際は違約金がかかる
専任媒介契約は、不動産仲介会社1社のみに仲介を依頼できる制度です。
そのため、一般媒介契約と比べると、不動産仲介会社との距離感や関係性が一歩深まっており、その分熱心に物件を販売してもらえます。
広告費をかけて広く宣伝してもらう点はとても助かりますが、知らないうちに「囲い込み」に遭うこともあるので注意しておきましょう。
「囲い込み」とは、他の不動産会社から購買希望者を紹介されたにもかかわらず、その人に物件を売却しないことを指します。なぜ売却しないのかというと、仲介手数料を売主からも買主からも得たいからです。もしA不動産会社から紹介された顧客が、不動産の購入をした場合、買主から不動産仲介会社へ支払われる仲介手数料は、A不動産が得ることになります。
これを防いで、自分のところに回るようにするのが「囲い込み」となります。
また、売主側の一方的な理由で契約をキャンセルした場合、この間かかった広告宣伝費等を請求される場合がありますので注意が必要です。
4.専属専任媒介契約のメリットとデメリットとは?
最後に、専属専任媒介契約のメリット・デメリットを確認していきます。
4-1.専属専任媒介契約の2つのメリット
専属専任媒介契約の主なメリットには以下の2つが挙げられます。
- 売主への報告が1週間に1度なので販売状況を把握しやすく、販売戦略を立てやすい
- 1社とのみ媒介契約を結び、自己発見取引も禁止されて行動が制限される分、仲介業者が精力的に販売活動を行ってくれる
専属専任媒介契約のメリットは、売主への業務報告が1週間に1回以上と定められている点です。
かなり高い頻度で、現在の販売状況を知る機会があるため、現状を把握しやすく、状況に応じて柔軟に販売戦略を立てられます。
また、この契約は自分で買主や借主を見つけてやりとりするのを禁じているため、その分積極的な販売営業が期待できます。
4-2.専属専任媒介契約の3つのデメリット
一方で、専属専任媒介契約には以下の3つのデメリットもあるため注意が必要です。
- 家を売却しようとしていることが周囲に伝わりやすい
- 自分で探した買主とは不動産の売買ができない
- 売主側の事情で媒介契約を途中で解約する際は違約金がかかる
一方デメリットとしては、レインズに物件情報を登録する義務があるため、家の売却が周りに知れてしまうことです。また、売主側の都合によるキャンセルは、違約金が発生する可能性もあるため注意が必要です。
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5.媒介契約を結んだ方がいい理由とは?マンションを早く売りたい場合におすすめ
中には「不動産会社を通さず個人的に売買できないの?」と考える方もいるでしょう。
もちろん、不動産の個人売買は可能です。
ただし、少しでも高値でスムーズに不動産を売却したい場合は、不動産仲介業者との媒介契約を結ばれることをおすすめします。
理由は以下の通りです。
- 物件情報を広く周知できるため買い手がつきやすい
- 売買契約書など不動産関連の法的なやりとりがスムーズ
それぞれの理由を確認していきます。
5-1.物件情報を広く周知できるため買い手がつきやすい
媒介契約をおすすめする1つ目の理由は、不動産業者を通じて物件情報が広く知れ渡るので、買い手が見つかりやすいことが挙げられます。
媒介契約は、物件情報を「レインズ」へ登録することが義務となっているため(「一般媒介契約」については任意登録)、このシステムを通じて多くの不動産業者があなたの物件情報を閲覧できます。
そのため、個人売買では叶わなかった幅広い買主候補の目に触れることになり、買い手が見つかりやすくなるのです。
5-2.不動産関連の法的なやりとりがしやすい
2つ目の理由は、不動産の売買契約書など法的な書類ややりとりがスムーズに行えることです。
媒介契約を締結しておくことで、売主と買主との間で売買契約を交わす際に不動産仲介業者が契約書の作成を担ってくれます。
個人売買の場合は、売主もしくは買主側で「売買契約書」を作成しますが、思っている以上に作成が難しく、時間と手間がかかります。司法書士など専門家を入れることもできますが、別途費用がかかってしまいます。
媒介契約を結べば、物件の売り出しから契約書の作成まで1つの窓口に任せられて、スムーズな不動産売買が可能になるのでおすすめです。
6.媒介契約はどれがいい?物件別に紹介
自身に当てはめた際にどの媒介契約対応を選べばよいのかわからない方のために、物件別のおすすめの媒介契約を紹介します。
- 都心・築浅・ブランドマンション|一般媒介契約
- 立地が不便・築古のマンション|専任媒介契約・専属専任媒介契約
どの媒介契約にすれば良いか悩んでいる方は、次章の解説を参考にしてみてください。
6-1.都心・築浅・ブランドマンション|一般媒介契約
所有する物件が、上記の条件であれば「一般媒介契約」をおすすめします。
なぜなら、誰もが好むような好条件は、マンションを買いたい人の目に触れやすいからです。買主が見つかりやすいからこそ、あえて「一般媒介契約」にすることで複数の不動産仲介業者に競争で販売活動をしてもらいます。
売れやすい物件をライバルと争うことで、「うちなら他社よりもっといい価格で売り出します」と力を入れてくれる会社もあるはずです。当初予想していたよりもさらに高値で売却できる可能性も高まるでしょう。
そのため、「都心・築浅・ブランドマンション」などの立地や物件状態に優れた特徴があるものについては、「一般媒介契約」を選ぶことをおすすめします。
6-2.立地が不便・築古のマンション|専任媒介契約・専属専任媒介契約
立地が不便だったり、築年数が古いマンションを売るならば、「専任媒介契約」もしくは「専属専任媒介契約」をおすすめします。
条件が劣る物件はしっかりとした販売戦略が必要であり、この2種類については、売主と二人三脚になっての積極的な営業活動が期待できます。。
売主に選ばれた不動産仲介会社としても、なんとしてでも成約に繋げて成果を上げたいと考えていますので、物件の営業に力が入ります。
上記のような理由により、立地が不便だったり築年数が古い物件に関しては、「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」を結ぶことをおすすめします。
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7.売主別でおすすめの媒介契約の方法とは?
どの媒介契約を選ぶかは物件タイプだけに限らず、売主のタイプ別からも判断することもできます。
この章では、以下3つの売主パターンについてご紹介していきます。
- 一般媒介契約をおすすめしたい人
- 専任媒介契約をおすすめしたい人
- 専属専任媒介契約をおすすめしたい人
以下で詳しく見ていきましょう。
7-1.一般媒介契約をおすすめしたい人
一般媒介契約をおすすめしたい人は、以下3点の条件にあてはまる方です。
- 好条件の物件を売りたい人
- 自分で買主を見つけられる可能性がある人
- 複数の不動産会社との連絡にストレスを感じない人
以下詳しく説明していきましょう。
7-1-1.好条件の物件を売りたい人
「立地が便利・築浅・ブランドマンション」など誰もが欲しがる好条件の物件は、複数社の不動産仲介業者に営業活動を任せれば、よりよい条件での売却を期待できます。
理由は「6-1.都心・築浅・ブランドマンション|一般媒介契約」でも解説したとおり、複数社で販売競争をしてもらうことで、他社よりもよりよい条件で売却を進めてくれる可能性があるからです。
そのため、好条件の物件を売りたい人には、一般媒介契約をおすすめします。
7-1-2.自分で買主を見つけられる可能性がある人
不動産仲介業者以外にも、自力で買主を見つけられる可能性がある方も、一般媒介契約がおすすめです。
一般媒介契約は、不動産仲介業者のほかにも自力で買主を探して取引することが可能だからです。
そのため、少しでも自分で買主を探せる可能性があるならば、一般媒介契約をおすすめします。
7-1-3.複数の不動産会社との連絡にストレスを感じない人
一般媒介媒介契約は、同時にいくつかの仲介業者に依頼することが可能です。
当然販売状況によっては、短期間に何度も異なった会社の担当者から連絡がくることも考えられます。
各社とのやりとりが、どうしてもわずらわしく感じてしまったり、多忙すぎて対応する暇がなかったりする方は、こちらの媒介契約のスタイルは向いていません。
7-2.専任媒介契約をおすすめしたい人
次に、専任媒介契約をおすすめしたい人は、以下3点の条件にあてはまる方です。
- 条件の悪い物件をスムーズに売りたい人
- 自分で買主を見つけられる可能性がある人
- 複数の不動産会社との連絡に手間をかけたくない人
以下1つずつ説明していきましょう。
7-2-1.条件の悪い物件をスムーズに売りたい人
あなたの物件の条件が悪く、買い手がなかなかつきそうにない場合は、専任媒介契約をおすすめします。専任媒介契約は、2週間に1度、担当者から販売状況が報告されるため、状況を見ながら物件に合わせた販売戦略をじっくり検討できます。
不動産仲介業者の担当者も案件を預かっている身として、自社で売却を成功させたい気持ちもあるでしょう。そのため、条件が悪い中でもいかに売り抜けることができるのか、熱心に考えてくれます。
そのため、条件の悪い物件ほど一般媒介契約を利用するのではなく、担当者とじっくり向き合える専任媒介契約をおすすめします。
7-2-2.自分で買主を見つけられる可能性がある人
自分で買主を見つけられる可能性が少しでもある方は、専属専任媒介契約を結ぶのではなく、専任媒介契約の検討がおすすめです。
専任媒介契約は、不動産仲介業者に依頼する以外にも、自分で買主を探しても問題ありません。
そのため、2つの方向で話が進みそうであれば、専任媒介契約を検討しましょう。
7-2-3.複数の不動産会社との連絡に手間をかけたくない人
複数の不動産仲介業者とのやりとりに手間をかけたくない方も、専任媒介契約がおすすめです。
一度物件の販売活動が始まると、様々なのやりとりが発生します。
電話やメール、文書などのやり取りは時間や手間がかかるものの、ないがしろにはできません。
そんな時、何人もの担当者から一斉に連絡があって対応に追われるのは大変です。
専任媒介契約なら、契約できる1社とのみやりとりすればいいので、あなたの時間や手間を取られることはないでしょう。
7-3.専属専任媒介契約をおすすめしたい人
3つ目に、専属専任媒介契約をおすすめしたい人の条件をご紹介します。
- 条件の悪い物件をスムーズに売りたい人
- 売却の全てを不動産仲介会社におまかせしたい人
- 複数の不動産会社との連絡に手間をかけたくない人
以下1つずつ説明していきましょう。
7-3-1.条件の悪い物件をスムーズに売りたい人
さきほどの専任媒介契約と同様で自身が保有する物件の条件が悪く、買い手がつくのに時間がとてもかかりそうな場合は、専属専任媒介契約をおすすめします。
専属専任媒介契約は1週間に1度、担当者から販売状況が報告される契約スタイルとなります。そのため、状況を見ながら物件に合わせた販売戦略をじっくり検討することができます。
「こんな不便なところにあるマンションなんて売れるのかな?」「ボロボロの家だけど誰も買ってくれなかったらどうしよう」などの悩みをお持ちの場合は、担当者と販売状況をじっくり検討できる、専属専任媒介契約をおすすめします。
7-3-2.売却のすべてを不動産仲介業者にお任せしたい人
専属専任媒介契約では、自力で見つけた買主とのやりとりは一切禁じています。
そのため、すべての不動産仲介は仲介業者を通して行われます。
「売却作業の一切合財を業者に任せてしまいたい」と考える方には、専属専任媒介契約をおすすめします。
7-3-3.複数の不動産会社との連絡に手間をかけたくない人
こちらもやはり前述した専任媒介契約と同じで、複数の不動産仲介業者とのやりとりに手間をかけたくない方は、専属専任媒介契約がおすすめです。
仕事が多忙すぎて不動産売却の作業に少しも時間を割けない方、1人の担当者ときちんと進めていきたい方、担当者とのやりとりが多いとストレスを感じてしまう方などは、迷わず専属専任媒介契約を選びましょう。
6.不動産の媒介契約を結ぶ際の3つの注意点とは?
最後に、マンションを売却する際の媒介契約で、気を付けておきたいポイントを3つ紹介します。
- 契約内容や契約期間をきちんと理解しておく
- 事前に手数料を確認しておく
- 信頼のおける不動産会社を選ぶ
自身に適した媒介契約を結べるようにそれぞれの注意点を理解しておきましょう。
8-1.契約内容や契約期間をきちんと理解しておく
媒介契約を結ぶ際は、相手会社との契約内容や契約期間を契約書で確認しておきましょう。
契約期間については、3種類のうちどの媒介契約を選んでも基本3ヶ月となります。
その間、不動産売却のためにどのような仕事を請け負ってくれるのか、3ヶ月が過ぎたあとはどのように契約を変更・継続するのか、途中解約する際の条件などをチェックしておきましょう。
8-2.不動産の媒介契約を結ぶ際の注意点②事前に手数料を確認しておく
媒介契約を結ぶ際は、手数料を確認しておくことも大変重要です。
基本的には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類とも、仲介手数料はほとんど変わりません。
仲介手数料はどの媒介契約でも、基本的には次の計算式で計算します。
仲介手数料の計算方法
【売却価格の3%+6万円】+消費税
たとえば、3000万円でマンションが無事売れた場合は、仲介手数料は以下のように計算します。
(マンション売却額3000万円 × 3% + 6万円) + 10%の消費税 = 105万6000円
このように、仲介手数料はかなり高額であることがわかります。媒介契約を結ぶ際は、このような仲介手数料がかかる旨を理解しておきましょう。
8-3.不動産の媒介契約を結ぶ際の注意点③信頼のおける不動産会社を選ぶ
最後に注意したいポイントは、信頼のおける不動産仲介業者を選ぶべきいう点です。
複数の不動産会社を比較したい時は、不動産査定一括サイトなどを利用するのも大変有効です。
関連:【2023年最新版】おすすめ不動産一括査定サイト20選!人気な理由とできることを徹底比較
いくつもの不動産会社から査定結果をもらう際に、担当者とやりとりをしますが、その数回の対応で会社の特徴や担当者の人柄などが見えてきます、
自身の物件の販売活動に親身になって対応してもらえる不動産仲介会社を選ぶことで、物件売却の成功につながるでしょう。
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9.媒介契約を結ぶ際の不動産会社の選び方とは?6つ紹介
不動産と媒介契約を結ぶ際の、不動産会社の選び方は以下の6つです。
- 販売実績が豊富か
- レスポンスが早いか
- 販売活動の計画がしっかり決まっているか
- 不動産についての知識が豊富か
- 親身になってくれるか
- 過去の利用者が満足しているか
それぞれの選び方のポイントの詳細を確認していきましょう。
なお、以下の記事では不動産仲介業者の選び方について詳しく解説しています。少しでも良い業者を選ぶために、ぜひご覧ください。
関連:良い不動産屋・仲介業者の簡単な選び方とは?探し方や注意点を解説
9-1.販売実績が豊富か
マンション売却であれば、マンションの販売実績が豊富な会社に任せるのがいいでしょう。
過去の実績を調べるためには、直近の販売実績を確認してください。
あなたの保有するマンションに似た物件を扱っているか、近隣周辺の物件を扱っているかなど色々な情報をチェックできます。
そのエリアに強い会社、その物件の種類に強い会社などきちんと選ぶことで、あなたの物件を売るのに強みを持つ会社が見つかります。
9-2.レスポンスが早いか
担当者からのレスポンスの早さも重要です。
質問や疑問についてすぐに対応してくれるのかどうかをチェックしましょう。
担当者によっては「会社に戻って確認します」と言ったきり、情報が途絶えてしまうところもたまにあります。大切な物件を売るのに、やりとりが迅速にできない会社に任せるのは、不安もリスクも大きくなります。
担当者からのレスポンスが早いかどうか、会社選びをする1つの基準としてしっかり確認しましょう。
9-3.販売活動の計画がしっかり決まっているか
販売活動の計画をしっかり練っている会社であれば、マンションの売買を安心して任せられます。
そのため、担当者にどのような販売活動を行う予定でいるのか、具体的に聞いてみるのもいいでしょう。
この時に納得のいく説明があるかどうかでも、親身になって対応してくれるかを判断することができます。
9-4.不動産についての知識が豊富か
担当者が不動産についての法的な知識が豊富かどうかも重要なポイントです。
不動産売買は、住宅ローンや税金、法律など様々な難しいルールをいくつも理解しておかなければなりません。あなたが少しでも疑問に思ったことを、きちんと正しい知識でもって返答してくれる担当者はとても大切な存在です。
そのため、不動産についての知識をどれぐらい身に付けているという観点でも確認しましょう。
9-5.親身になってくれるか
担当者が親身に相談に乗ってくれるかどうかも大変重要なポイントです。
不動産を売却するのは初めての方も多いですが、そんなとき不明点や悩みがあれば、すぐに相談できる担当者であればあるほど、売主の不安も減少し、安心して売却活動に臨めるでしょう。
そのため、窓口となっている担当者の傾聴力と対応力も、見落とさず確認してください。
9-6.過去の利用者が満足しているか
不動産仲介会社を利用した人の口コミも大変参考になります。
現在はインターネットやSNSを通じて、会社評判などの情報は容易に集まります。
過去にその不動産仲介で取引をした顧客が、どのようなコメントや感想を残しているのかをしっかり確認しておきましょう。
10.媒介契約に関するよくある質問
初めて媒介契約を結ぶ方の中にはさまざまな疑問を持たれる方も多くいます。ここでは、媒介契約に関するよくある質問を5つ紹介します。
- 不動産の媒介契約書を結ばないとどうなる?
- 不動産の媒介契約を解除する際のペナルティとは?
- 専任媒介契約をした家が売れないのは本当?
- 専任媒介契約は解除できる?
- 媒介契約の仲介手数料はいくら?
疑問を解消するために役立ててください。
10-1.不動産の媒介契約書を結ばないとどうなる?
不動産売買の際に不動産仲介会社と媒介契約書を結ばないと、トラブルのもとになってしまう場合があります。
例えば、契約の更新や報告頻度などについての共有が家主に対してされておらず、家主が不利益を被ってしまうケースも少なくありません。
不動産仲介会社と書面で契約書を交わしておくことで、トラブルを防げるうえ、トラブルの責任を不動産会社に問えるようになるので第三者が確認できるような契約書を交わしておきましょう。
10-2. 不動産の媒介契約を解除する際のペナルティとは?
不動産会社との媒介契約を、家主の契約違反や家主都合で解除されるとペナルティを課される場合があります。
ペナルティは、「専任契約にも関わらず他の不動産会社と契約した」といったような場合に課されます。
ペナルティが課されると、場合によっては違約金が請求されることもあるため注意が必要です。
違約金は仲介手数料と同等の金額が請求されることが多く、場合によっては調査や宣伝などにかかった費用が請求されることも少なくありません。
ペナルティによって無駄な出費が増えてしまわないよう、不動産会社と媒介契約を結ぶ際は慎重に決めましょう。
10-3.専任媒介契約をした家が売れないのは本当?
専任媒介契約を締結することで、広告費をかけてもらえるなど不動産仲介会社は積極的に物件の売買を進めてくれます。
しかし、専任媒介契約を締結したからといって必ずしも家が売れるとは限りません。不動産仲介会社によっても売買が得意な物件は異なります。
もしも、契約期間中に家が売れない場合は、他の不動産仲介会社と専任媒介契約を結ぶなどの対策をとるようにしましょう。
専任媒介契約を締結しても家が売れない場合は以下の記事を参考にして対策を行いましょう。
参考:専任媒介契約をした家が売れない!3つの対処法をフローチャート解説
10-4.専任媒介契約は解除できる?
専任媒介契約は特定の条件を満たすことで契約途中での解除が可能です。
国土交通省は、専任媒介契約の解除の条件を以下の通りまとめています。
(引用:宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款 | 国土交通省)
また、国道交通省の解除の条件を満たさない場合でも、書面を提出することで専任媒介契約の途中解約は可能です。
現在、契約している不動産仲介会社がイメージしている会社と違っていた場合は、解約を検討してみるのも一つの手段です。
10-5.媒介契約の仲介手数料はいくら?
不動産仲介会社が受領できる媒介契約の仲介手数料は、以下の通り上限額が決まっています。
取引額 | 仲介手数料(別途消費税) |
200万円以下 | 取引額 × 5% |
200万円超から400万円以下 | 取引額 × 4% + 2万円 |
400万円超 | 取引額 × 3% + 6万円 |
事前に仲介手数料を把握する際に役立ててください。
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11.まとめ
今回は、マンションを売却する際に利用する、媒介契約について詳しくご紹介しました。
媒介契約には3つの種類があります。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
依頼できる仲介会社の数 | 複数社に依頼可能 | 1社のみに依頼可能 | |
自分で買主・借主を見つけて取引可能か | できる | できる | できない |
媒介契約の期間 | 定められていないが標準媒介約款で3ヶ月以内 | 3ヶ月以内(宅地物件取引法で決まっている) | |
レインズへの登録 | 義務ではないが登録可能 | 媒介契約の締結日から7日以内 | 媒介契約の締結から5日以内 |
業務報告 | 報告の義務なし | 2週間に1回以上報告する | 1週間に1回以上報告する |
媒介契約はそれぞれ内容が異なるため、売主一人ひとりに合わせて最適な媒介契約の種類を選ぶことが重要です。
マンション売却の際は、自身の物件の条件に適した媒介契約を締結して少しでマンションを売買しましょう。
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