【必読】マンション売却・手続きの流れとは? 7つの注意点や失敗事例
「マンションを売りたいけど、どこから手をつけたらいいかわからない」
「マンションを売るときの手順や方法は?」
マンション売却に漠然とした不安を持っていませんか?
マンション売却は、はじめての方こそあらかじめ流れを把握しておくことが大切です。流れを把握しておけば、余裕を持って売却活動を進められ有利な条件でマンションを売却することができるためです。
本記事を最後まで読めば、「マンション売却の流れ」はもちろん、はじめての不動産売却で注意点が理解できます。ひと通り知識を身につけておけば、不動産会社と自信を持って交渉できるでしょう。
それでは早速、マンション売却の全体像から見ていきましょう。
[監修]宅地建物取引士
市野瀬 裕樹
中古マンション売買仲介を累計1200件以上監督。株式会社groove agentにおいて不動産売買の業務に3年従事。買い手をサポートしてきた経験を活かし、どうすれば高く売れるのか?を、買い手目線で不動産売却仲介のアドバイスを行う。
目次
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1.マンション売却の流れの全体像
マンションを売却する流れは、7つのステップに分けられます。
- 事前準備をする
- 査定の依頼をする
- 媒介契約を結ぶ
- 売却活動を行う
- 売買契約を結ぶ
- 引き渡しをする
- 確定申告をする
大まかには「売出し前」「売出し中」「売出し後」の3つの段階に分かれます。
一般的にマンション売却までにかかる期間は平均で4ヵ月と言われています。マンションの売却期限の希望がある方は、売却にかかる期間を把握しながら進めるようにしましょう。
それでは、各ステップについて詳しく見ていきます。
2.【STEP1】マンション売却前に事前準備をする
ステップ1は、売却準備/事前準備です。
「マンションを売却したい」と思ったら、まずは不動産会社に連絡する前に3つの準備が必要です。
- 住宅ローンの残債を確認する
- マンション売却に必要な書類を集める
- 売却相場を調べる
3つの準備のポイントについて詳しく解説します。
2-1.住宅ローンの残債を確認する
はじめに、売却するマンションの住宅ローンがいくら残っているのか確認しましょう。
なぜなら、住宅ローンを完済して抵当権を抹消しなければ、マンションの売却はできないからです。住宅ローンの残債がマンションの売却額より大きかった場合は、差額を自己資金で用意する必要があります。
よって、下記の2点を把握しておきましょう。
- マンションの売却額でローンを完済できるのか
- 足りない場合はいくら準備する必要があるのか
この2点を売却前に把握しておくために、住宅ローンの残高を確認する必要があります。
住宅ローン残債の確認の仕方は、毎年金融機関から送られてくる年末残高証明書で確認できます。また、銀行に直接行き、残高証明書を発行してもらうことも可能です。
住宅ローンの残債確認についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
2-2.マンション売却に必要な書類を集める
マンションをスムーズに売却するためには、早めに必要書類を準備しておくことをおすすめします。
必要になる書類を以下の表でまとめましたので、こちらを参考に準備してください。
書類 | 目的 |
身分証明書 | 売主本人確認のため |
実印・印鑑証明 | 書類への捺印と実印の証明のため |
登記済権利証 | 登記名義人の変更のため |
間取り図・測量図 | 物件情報の確認のため |
固定資産税納税通知書 | 固定資産税の計算のため |
建築確認済証・検査済証 | 建築基準を満たしているかの確認のため |
マンションの管理規約 | 媒介契約時・売買契約時に使用 |
時間の余裕のあるうちに揃えておけば、あとで慌てる必要がなくなるので早めに準備しておくことをおすすめします。
2-3.売却価格の相場を調べる
不動産会社へ査定を依頼する前に、マンションの売却相場を調べておきましょう。マンションの売却相場を調べておけば、不動産会社が出す査定額が適切かどうか、自身で判断できるようになります。
なお、相場はネットから簡単に調べられます。
出典:レインズ
公益財団法人東日本流通機構の特設サイト「レインズ・マーケット・インフォメーション」では、不動産の成約価格などの取引情報を公開しています。直近、1年の成約価格が閲覧できるため、売上相場を把握するために役立ちます。
▶︎「レインズ・マーケット・インフォメーション」はコチラから
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3.【STEP2】マンション売却の査定依頼をする
ステップ2は、査定依頼です。
売却/事前準備を済ませたら、いよいよ不動産会社に査定依頼をします。ポイントは、複数の不動産会社に依頼して査定結果を比較することです。
1社にしか査定依頼を出さないと、マンション売却が得意でなかったり、その地域を苦手としていたりする不動産会社に当たる可能性もあります。複数の不動産会社に査定依頼を出せば、査定理由や売却方針を比較して、より高値で売却してくれそうな不動産会社を選べます。
なお、ネットから一括で査定を依頼できる「一括査定サービス」もあるため、利用することをおすすめします。マンション情報を入力すれば不動産会社を自動的にマッチングし、複数の会社へ一度に査定依頼できます。
さらに詳しく知りたい方は、マンションの査定についてはこちらの記事、マンション売却におすすめの一括査定サイトについてはこちらの記事をお読みください。
4.【STEP3】マンション売却の際に媒介契約を結ぶ
ステップ3では、媒介契約を結びます。
媒介契約(ばいかいけいやく)とは、マンションを売る際に、不動産会社に間に入ってもらい、買主を探してもらうため結ぶ契約のことを言います。
媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約があります。
媒介契約を結ぶには、3種類のなかから1つ選ぶ必要があります。
4-1.不動産会社との媒介契約には3種類ある
媒介契約には3種類あり、売主は、この中から1つを選び不動産会社と媒介契約を結ばなければいけません。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
契約できる不動産会社数 | 複数に依頼OK | 1社のみ | 1社のみ |
不動産流通機構(レインズ)への登録義務 | 不動産会社の任意 | 7日以内 | 5日以内 |
状況報告 | なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
自分で買主を見つけたら?(自己発見取引) | 自己発見取引OK | 自己発見取引OK | 自己発見取引OK |
契約有効期間 | 法定上の制限なし | 3ヵ月以内 | 3ヵ月以内 |
それぞれには特徴があるので、特徴に合わせて選ぶ必要があります。
それぞれの媒介契約の特徴を簡単に紹介しますが、媒介契約はマンションが高く・早く売れるかを左右する大切な要素の1つなので、それぞれの特徴をしっかり理解してから契約締結するようにしましょう。
先にマンションの媒介契約について、詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。
4-1-1.一般媒介契約
最初に紹介する媒介契約は一般媒介契約です。一般媒介契約の特徴は下記が挙げられます。
- 複数社と契約できるが、不動産会社に積極的な売却活動をしてもらえない可能性がある
- 人気エリアにあるマンションや築浅マンションを売りたい人向き
- レインズへの登録義務がないので、周りに知られることなくマンションを売りたい人向き
上記のような特徴があるのが、一般媒介契約です。
4-1-2.専任媒介契約
次に紹介する媒介契約は、専任媒介契約です。専任媒介契約の特徴は下記が挙げられます。
- 契約は1社のみだが、不動産会社に積極的に売却活動をしてもらえる
- 不動産会社の力量に左右されるため慎重に選ぶ必要がある
- どの媒介契約にしようか迷う場合は専任媒介契約がおすすめ
下記にて専属専任媒介契約も紹介しますが、本章で紹介した媒介契約の中で1番おすすめの契約です。
4-1-3.専属専任媒介契約
最後に紹介する媒介契約は、専属専任媒介契約です。専属専任媒介契約の特徴は下記が挙げられます。
- 契約は1社のみだが、不動産会社に積極的に売却活動をしてもらえる
- 不動産会社の手厚いフォローがあるため、早く売りやすい
- 不動産会社の力量に左右されるため慎重に選ぶ必要がある
専任媒介契約と同様に契約は1社のみですが、不動産会社の手厚いフォローがある点は専任媒介契約よりも強みでしょう。
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5.【STEP4】マンションの売却活動を行う
ステップ4で、いよいよ本格的にマンションの売却がスタートします。
不動産会社は、広告を出したり営業をかけたりして、買主を探します。
売却活動は不動産会社に任せる形ですが、事前に以下の2つの準備をおこなっておくことで、スムーズにマンションを売却できる確率が上がります。
- 付帯設備表の記載をする
- マンション内覧の準備をする
詳しく見てみましょう。
5-1.付帯設備表を記載する
1つ目の売却活動のための事前準備は、付帯設備表の記載です。
マンションを引き渡すためには、マンションの設備に関する状況について買主に明確にしておく必要があります。設備状況を明確するために、付帯設備表の記入をします。
マンション売却後、設備に関するトラブルを防ぐために大切な書類なので、設備に故障や不具合、設備を使用する上で買主に伝えておいたほうがよいことも、しっかり記入しましょう。
▼記入例
引用:グロープロフィット
売却しやすくするために虚偽の内容を記載することは許されません。後々バレたら損害賠償を請求されかねませんので、事実を記入するようにしましょう。
5-2.マンション内覧の準備をする
2つ目は、マンション内覧の準備です。
内覧は、マンションが売れるか・売れないかを左右する大切な要素です。内覧で感じた部屋の印象が売却の成否に直結しますので、良い印象を持ってもらうために掃除をしておきましょう。
具体的な内覧準備は以下のとおりです。
- すべての部屋を徹底的に掃除する
- 水回り(キッチン・トイレ・お風呂)を掃除する
- 玄関を掃除する・スリッパを準備する
- 修復できる床のキズや壁の穴は修復しておく
- ベランダを掃除する
- 窓ガラスを磨く・網戸をキレイにする
- 家庭特有のニオイがこもっていないか注意する
- クローゼットの中を整頓する
掃除や整理整頓は手間がかかりますが、良い印象を与えるために内覧準備はとても大切なポイントとなりますので、準備を進めておきましょう。
6.【STEP5】売買契約を結ぶ
ステップ5は、売買契約を結びます。
条件が合致するマンションの購入希望者があらわれたら、売買契約を締結します。売買契約書は、売主・買主が合意した内容をもとに不動産会社が作成します。
売買契約を結ぶにあたり、以下の2つを事前に把握しておくことをおすすめします。
- マンション売買契約の事前準備
- 売買契約の手続き・流れ
順に紹介します。
6-1.マンション売買契約に必要なものを準備する
売買契約を結ぶにあたり、次のものを事前に準備しておきましょう。
事前に準備しておくもの | 備考 |
実印 | 不動産が共有名義の場合は、それぞれの実印が必要 |
印鑑証明書 | 印鑑証明書の有効期限は3ヵ月。3ヵ月以内のものを準備 |
収入印紙 | 売買代金によって印紙代は異なる |
本人確認書類 | 運転免許証、マイナンバーカードなど |
登記済証(権利証)または登記識別情報通知 | 不動産の所有を確認するものとして、買主に提示する |
仲介手数料の半金 | 仲介手数料は契約時に半金、残代金決済時に半金を不動産会社に支払う |
次に売買契約の手続き・流れを紹介します。
6-2.売買契約の手続き・流れ
売買契約の当日の流れを把握しておき、円滑に進められるようイメージしておきましょう。売買契約は、一般的には不動産会社のオフィスに売主・買主が集合して行います。
手続きの流れは主に以下のような形です。
- 売主と買主の顔合わせ
- 売主側の不動産業者から買主へ重要事項の説明
- 売買契約書の読み合わせ
- 売買契約書の内容に双方が納得すれば、署名・捺印して正式に契約を結ぶ
- 買主から売主へ手付金を支払う
- 不動産業者に仲介手数料を支払う
一般的には以上のような流れになります。
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7.【STEP6】マンションの引き渡しをする
ステップ6は、引き渡しです。
引き渡しは、マンションの買主が代金を支払い、同時に売主から所有権の移転登記申請を行って物件を引き渡します。
引き渡しは契約で定められた内容にしたがって行われます。また、売主と買主に加え、不動産会社、司法書士、売主買主双方の銀行担当者が集まって行うのが一般的です。
7-1.マンションの引き渡し時に必要な書類
マンションの引き渡し時に必要な書類は以下のとおりです。
- 権利証・登記識別情報通知書
- 固定資産税・都市計画税納税通知書
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 固定資産税評価証明書
- 住民票
- 抵当権抹消書類
- 管理費・修繕積立金の確認書等
- 分譲時のパンフレット
- 管理規約・使用細則
- 実印
- 印鑑証明書(3ヵ月以内)
必要な書類は、不動産会社の担当者から事前に案内があるため、内容に沿って事前に準備をすれば問題ありません。
決済・引き渡しが済んだら、仲介手数料の残金を不動産会社に支払って取引が完了します。
8.【STEP7】確定申告をする
直前の課税期間の消費税額 | 中間申告の回数 | 納付金額 |
48万超400万円以下 | 年1回 | 直前の課税期間の消費税額の1/2 |
400万超4,800万円以下 | 年3回 | 直前の課税期間の消費税額の1/4ずつ |
4,800万円超 | 年11回 | 直前の課税期間の消費税額の1/12ずつ |
ステップ7は、確定申告です。
マンション売却で利益が出た場合は、必ず確定申告をしましょう。確定申告は、売却した翌年の2月16日〜3月15日の1ヵ月間に行わなければいけません。
確定申告のだいたいの流れをみてみましょう。
確定申告は、まず必要書類を準備し、記入をして申告を行います。手続きは、税務署に申告書を持参するか、郵送、オンライン(e-Tax)でも行うことができます。
確定申告に必要な手続きを終えたら、実際に納税または還付を受けて確定申告が完了します。はじめて確定申告を行う方は、まずは国税庁の「申告相談」に目を通しておきましょう。
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9.マンション売却時に注意するべき4つのこと
マンションの売却では、失敗しないために注意すべきポイントが4つあります。
把握しておくことでスムーズかつ高値で売却できる可能性が高まるため、目を通しておきましょう。
- マンション売却には費用・税金がかかる
- 売却前のリフォームは基本的にしない
- 物件の問題点は買主に隠さず伝える
- 不動産会社選びを大切にする
それぞれに詳しく解説します。
9-1.マンション売却には費用・税金がかかる
マンションを売却するにはお金がかかります。事前にどれぐらい必要になるのか頭に入れておくことで、後々、焦らずに済みますので、把握しておくとよいですよ。
一般的にマンション売却にかかる費用は以下の通りです。
項目 | 仲介 | 直接取引 | 費用目安 |
仲介手数料 | 要 | 不要 | 400万円を超える売買は「売却価格の3%+6,000円+消費税」が上限額 |
印紙代 | 要 | 要 | 5千円~3万円程度(詳細は国税庁HPで確認) |
住所等変更登記 | 該当すれば | 該当すれば | 3~4万円程度 |
抵当権抹消登記 | 該当すれば | 該当すれば | 3~4万円程度 |
ハウスクリーニング | 必要に応じて | 必要に応じて | 8万円~ |
住宅ローン一括返済 | 必要に応じて | 必要に応じて | ローンの残責+手数料は金融機関による |
引越し | 必要に応じて | 必要に応じて | 10万円~ |
譲渡所得税 | 売却益が発生した場合 | 売却益が発生した場合 | 税率はマンションの所有期間が5年以下か5年超かで変わる |
譲渡所得税は3,000万円まで譲渡所得を控除できる制度があります。確定申告の際に利用できる特例なので、自身が該当するか確認しておきましょう。詳しくは、国税庁の「マイホームを売ったときの特例」をご覧ください。
また、必要となる費用や税金について詳しく知りたい方は、不動産会社の担当者や司法書士・税理士などの専門家に確認することをおすすめします。
9-2.売却前のリフォームは基本的にしない
マンションを高くスムーズに売却するためにリフォームをしようと考える人がいるかもしれませんが、リフォームはNGです!
以下の理由から、基本的にはリフォームせずに売却することをおすすめします。
- リフォームしてもその分の費用を上乗せした価格で売れるわけではない
- 中古物件の魅力である「安さ」が失われ、買い手がつきにくくなる
- リフォーム内容が買主の趣味に合わない可能性もある
リフォームをして費用を上乗せして高く家を売り出すよりも、自分好みにリフォームできる安い物件の方が買い手がつきやすいです。大がかりなリフォームは考えずに、室内の印象が良くなるハウスクリーニングにとどめておく方がよいでしょう。
さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をお読みください。
9-3.物件の問題点は買主に隠さず伝える
売却するマンションにもし問題点があるなら、買主には正直に伝えましょう。マンションを売れやすくするためにマイナス要素を隠さないように注意してください。
例えば、以下のような問題点があれば契約前に必ず買主に伝えることが大切です。
- 近隣の騒音・異臭
- 設備の不具合
- 日照障害
もし、買主に問題を隠して売却し、契約後に発覚した場合、契約解除や損害賠償などの「契約不適合責任」に問われる可能性もあります。後々、トラブルにならないためにも正直に売却にのぞみましょう。
9-4.不動産会社選びを大切にする
マンション売却の成功を左右する最も重要なポイントは不動産会社選びです。
以下のポイントをしっかり頭に入れてから、売却をお願いする不動産会社を選ぶことをおすすめします。
- マンションの査定額は不動産会社によって大きく差が出る
- 担当者の知識や経験には個人差がある
- 囲い込みをする不動産会社には注意をする
また、マンション査定額はそれぞれの会社で異なるため必ず複数の不動産会社に査定依頼をしましょう。一括査定サイトを利用すれば、一度に複数の不動産会社とコンタクトが取れて便利です。
担当者の知識や経験に差があることで、スムーズに売れるかが左右されます。不動産会社の担当者との相性は重要ですので、コミュニケーションを取り、担当者の知識や経験を確かめるために、マンションをどのように販売するのか、戦略や方針を質問することもおすすめです。
さらに、不動産会社が自分の顧客の中から買主を見つけるための「囲い込み」に注意です。囲い込みをされると成約まで時間がかかり、いつまでもマンションが売れないことも!囲い込みされないために、口頭で確認するようにしましょう。
不動産仲介会社の選び方について、詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。
10.マンション売却後に注意するべき3つのこと
マンション売却後に注意すべきことは主に以下の3つです。
- 住宅ローンの抹消手続きを行う
- 売却益が出た際は確定申告する
- 引越しスケジュールは早めに立てる
それぞれの注意点を解説します。
10-1.住宅ローンの抹消手続きを行う
不動産を売却するには、抵当権を抹消する手続きが必要です。この手続きはほとんどの場合、司法書士に依頼することになりますが、売却が決まってから手続きを始めると時間がかかるため、その後のスケジュールに影響が出る場合があります。
売却をスムーズに進めるためには、引き渡しの1ヵ月前くらいから準備を始め、できるだけ早く手続きを完了させておくことが大切です。
10-2.売却益が出た際は確定申告する
マンションを売却して利益が出た場合、譲渡損失の繰越控除や買い替え特例を適用したい場合は、売却した翌年に確定申告をする必要があります。
確定申告時には、さまざまな控除や特例の申告が可能です。
利益が出た場合に確定申告を怠ると無申告加算税と延滞税が課せられるため注意が必要です。
10-3.引越しスケジュールは早めに立てる
3月や4月の時期は、引越し会社の予約が満杯で、希望通りの日程が取れないことがあります。直前に慌てることがないように、不動産会社が提携している引越し会社があれば、売却の依頼と同時に相談しておくと安心です。
荷造りは早めに進めるのがおすすめですが、一度にすべてやらず、まずは使わないものからダンボールに詰めましょう。
ダンボールの中身は、引越し先の部屋ごと、カテゴリごとに分けておくと、荷解きがスムーズに進められます。
11.マンション売却でよくある失敗事例
次に、マンション売却でよくある失敗事例を5つ紹介します。
- マンション売却が不得意な不動産会社を選んでしまった
- 売値を高くつけすぎて売れ残ってしまった
- 売却にかかる期間を甘く見積もってしまった
- 手付金を使い込んだ後に買主のローン審査が通らず契約解除になった
- タイミングを誤り低価格で売却してしまった
それぞれの事例を紹介します。
11-1.マンション売却が不得意な不動産会社を選んでしまった
はじめに、マンション売却が不得意な不動産会社を選んでしまった事例です。
マンションを売りたいのに、マンション売却が不得意な不動産会社に仲介を依頼すると、売却の成功率が大きく下がる可能性があります。
マンション売却は、一戸建てや土地の売却よりも確認事項が多く、専門性が求められるため、不慣れな不動産会社に依頼すると、売却がスムーズに進まなかったり、長期間売れ残ったりするリスクがあります。
11-2.売値を高くつけすぎて売れ残ってしまった
次に、売値を高くつけすぎて売れ残ってしまった事例です。
マンション売却が失敗する理由の多くは、売り出し価格が高すぎることです。
マンション売却では、査定額より高い価格で売り出すことも可能です。例えば、適正な査定額が3,500万円で、住宅ローンの残債が4,000万円の場合、売り出し価格を4,000万円に設定することがあります。これを「チャレンジ価格」と言います。
しかし、価格が高すぎると購入希望者に相手にされない可能性が高くなるため、注意が必要です。
11-3.売却にかかる期間を甘く見積もってしまった
次に、売却にかかる期間を甘く見積もってしまった事例です。
定年退職を迎えて住み替えを検討し、希望のエリアで魅力的な新築マンションを見つけて購入を決意しました。
住宅ローンの残債がほとんどなかったため自宅の売却は問題ないと考えていましたが、資金繰りがうまくいかず、急いで売却することに。
結果、売出価格より500万円低い価格でしか売れず、後悔が残りました。
11-4.手付金を使い込んだ後に買主のローン審査が通らず契約解除になった
次に、手付金を使い込んだ後に買主のローン審査が通らず契約解除になった事例です。
相続した不動産を売却することになったため、得た手付金で自宅のリフォームをすることにしました。
手付金のほとんどをリフォーム代に充てましたが、確定申告で税金の支払いが必要なことが発覚し予想外の出費に焦る事態となりました。
11-5.タイミングを誤り低価格で売却してしまった
最後に、タイミングを誤り低価格で売却してしまった事例です。
不動産価格が高騰している時期に売却を検討しました。しかし、さらなる値上がりを期待し、不動産会社の担当者が提案した価格よりも高い設定で売り出すことに。
予想に反して半年が経過しても売却が決まらず、結局価格を下げることになりました。
その時点で周辺の相場も下がり、売却のタイミングを逃してしまいました。
12.マンションを高く売却するための6つのポイントとは?
本章では、マンション売却で成功するためのポイントを6つ紹介します。
- 高く売れる時期をリサーチする
- 余裕を持ったスケジュールを組む
- 売り出し価格は適切に設定する
- 既存建物状況調査(インスペクション)を行う
- 物件の写真を充実させる
- 値引きは慎重に行う
それでは順に紹介します。
12-1.高く売れる時期をリサーチする
分譲マンションを売る際には、需要が高まっている時期を見極めることが重要です。
例えば、新生活を始める人が多い2~3月や、マンションの大規模修繕が終わった後や近隣に新しい施設ができたなど、住環境の利便性が向上した時期は需要が高まる傾向にあります。
また、築年数による平均価格データによれば、築20年を過ぎると成約価格が大きく下がる傾向があるため、マンション売却を考えている方は、築20年を過ぎる前に不動産会社に相談することをおすすめします。
不動産の価値は経済状況にも影響されるため、普段から経済の動向をチェックすることも重要です。しかし、同じエリアや同じマンション内に競合物件がある場合は、値下げ競争になる可能性があるため注意が必要です。
12-2.余裕を持ったスケジュールを組む
一般的にマンションを売却する際には、売却活動の開始から引き渡しまでには3〜6ヵ月ほどかかると言われています。
そのため、少なくとも引越しの3ヵ月前には売却活動を始めることが望ましいです。売却活動の期間に余裕がない場合、焦って値下げせざるを得ない状況になることがあります。余裕を持って売却活動を進めましょう。
12-3.売り出し価格は適切に設定する
売り出し価格は、不動産会社からの査定価格を参考に売り手が自由に決めることができます。
高値での売却願望は理解できますが、相場から大きく外れると買い手が見つかりにくくなったり売却のチャンスを逃したりして、結果的に売却まで時間がかかり、値下げせざるを得ない状況になる可能性も。
納得のいく価格で売るためには、最初から適切な価格で売り出すことが重要です。そのためには、査定だけでなく、自分自身でも情報を集めて相場を把握する必要があります。
似たような条件の物件の売り出し価格を、物件情報サイトで調べてみるとよいでしょう。
12-4.既存建物状況調査(インスペクション)を行う
インスペクション(既存建物状況調査)とは、建築士などの専門家が客観的な立場で物件の状態を調査することです。中古マンションの場合、築年数が経っているため、欠陥や経年劣化が心配されることがあります。
インスペクションを行うことで、買い手に安心感を与えることができ、納得のいく価格で売却することができます。
12-5.物件の写真を充実させる
不動産を購入する際に、重要な判断材料となるのは物件の写真です。
購入を希望する人は、チラシやインターネットの広告に掲載された物件の写真を見て、興味を持ち問い合わせをします。そして、内覧を進めるために物件を絞り込んでいきます。
情報量が十分に掲載されていると、多くの購入希望者が集まりやすくなり、希望通りの売却に近づくことができます。
具体的に紹介すると、三井のリハウスでは、プロのフォトグラファーが売却物件の撮影を行う「ご売却物件イメージアップコンテンツ」を提供しています。このサービスは、広告に掲載する写真のクオリティを高め、物件の魅力をより伝えやすくするものです。
上記より、物件の写真を充実させることがマンション売却を成功させる1つの秘訣です。
12-6.値引きは慎重に行う
物件が売れない場合、不動産会社からは値下げをすすめられます。売り出し価格を下げることで、物件の売れ行きを活性化させる効果があります。ただし、安易に値下げをしてしまうと損をする可能性もあるため、注意が必要です。
もし不動産会社から値引きを提案された場合、なぜ値引きをする必要があるのか、その根拠をしっかりと聞くようにしましょう。また、どのような宣伝活動を行っているのかもあわせて尋ねることをおすすめします。
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13.マンションを早く売却する方法
マンションを早く売る方法として、希望価格で売るために時間をかけるのが理想的です。しかし、急いで売りたい場合には「買取」の方法があります。
買取は、不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。買取のメリットは、売却活動の手間がかからず、媒介契約を結ぶよりもスピーディに売却できる点です。ただし、成約価格は一般的な相場よりも低くなることがあるため、注意が必要です。
14.マンション売却で困ったときの相談先
マンション売却で困ったときの相談先は、以下の通りです。
相談方法 | 相談窓口 |
不動産売却の方法や査定 | 不動産会社 |
不動産の公的な価値 | 不動産鑑定士 |
不動産登記や権利関係 | 司法書士 |
不動産の測量や境界関係 | 土地家屋調査士 |
不動産売却に関する税金関係 | 税理士 |
確定申告の仕方など | 税務署・国税庁電話相談センター |
不動産売却のトラブルや法律関係 | 弁護士 |
不動産に関する悩み事に相談すべき相手は異なります。的確なアドバイスを受けるためにも、適切な期間に相談しましょう。
15.マンション売却の流れに関するよくある質問
マンション売却の流れに関するよくある質問を紹介します。
- マンション売却が失敗する理由はなに?
- マンションを売却しようとしても売れない場合はどうするべき?
- マンション売却時の入金はいつ?
順に紹介しますので、同じような疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてください。
11-1.マンション売却が失敗する理由はなに?
マンション売却が失敗する理由は以下の項目が挙げられます。
- 高く売れない時期に売却してしまう
- 余裕のないスケジュールを組んでしまう
- 売り出し価格が適切ではない
- 既存建物状況調査(インスペクション)を行わない
- 物件の写真が魅力的ではない
- 安易に値引きを行ってしまう
上記の行動をするとマンションの売却が失敗する可能性が高いので注意してください。
11-2.マンションを売却しようとしても売れない場合はどうするべき?
マンションを売却しようとしても売れない場合は、不動産会社の買取や賃貸などのオプションを検討するのが有益です。
しかし、買取の場合はすべてのマンションが買取対象とならない点や、賃貸であれば住宅ローンが完済していなければ賃貸には出せないといった点に注意してください。
11-3.マンション売却時の入金はいつ?
マンション売却時の入金は下記の2つのタイミングで行われます。
- 売買契約時
- 引渡時
売買契約時には手付金を受け取り、不動産会社へ手数料50%を支払う必要があり、引渡時には売却代金の残金の入金と不動産会社へ手数料50%を支払うこととなっています。
16.マンション売却の流れのまとめ
マンションの売却を検討している方は、あらかじめ売却の流れを頭に入れてから行動に移すと、後の売却活動がスムーズに進みます。
売却にかかる期間はだいたい3ヵ月〜6ヵ月です。7つのステップがありますので、慎重に売却活動を進めましょう。
流れを把握しておけば落ちついて行動でき、余裕を持って有利な条件でマンションを売却できます。本記事で紹介した知識を身につけておけば、自信を持って不動産会社と交渉できるはずです。
あなたのマンションがスムーズに高値で売却できることを祈っています!
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