更新:2022.07.05

一般媒介契約期間は更新も解除もできる!締結前に知っておきたい基本

一般 媒介 契約 期間

「一般媒介契約の契約期間には決まりがあるの?」

「契約期間中に契約の解除はできるの?」

一般媒介契約は複数の不動産会社と契約を締結することができるため、契約期間の長さや契約変更時の注意点などは気になりますよね。

結論から言うと、一般媒介契約の期間は法律の定めはありませんが、基本的には有効期間は3ヶ月が目安とされています。

ただし、期間途中での契約解除は費用が発生する場合もあるため、安易に行うことはおすすめできません。しっかり理解したうえで契約期間を設定していくことが大切です。

この記事では一般媒介契約の契約期間について理解していただけるよう以下の内容をまとめました。

  • 契約期間に関する基本
  • 契約期間中の解除や変更について
  • 解除や変更の流れ

不動産の売却はタイミングやスピードも大切なポイントになります。理想的かつスムーズな売却を目指すために、一般媒介契約の契約期間について知識を取り入れていきましょう。

[監修]宅地建物取引士

市野瀬 裕樹

中古マンション売買仲介を累計1200件以上監督。株式会社groove agentにおいて不動産売買の業務に3年従事。買い手をサポートしてきた経験を活かし、どうすれば高く売れるのか?を、買い手目線で不動産売却仲介のアドバイスを行う。

目次

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    1.一般媒介契約の契約期間の基礎知識

    一般媒介契約の契約期間の基礎知識

    一般媒介契約の契約期間についての基本的な特徴は以下のとおりです。

    1. 法律で定められた有効期間はない
    2. 契約書にて有効期間を確認できる
    3. 契約期間中でも電話1本で解除できる
    4. 契約期間中であっても変更ができる
    5. 契約は自動的に更新されない

    5つの特徴について解説いたします。

    1-1.法律で定められた有効期間はない

    『専任媒介契約』と『専属専任媒介契約』には法律で“最大3ヶ月”と契約期間に定めがあることに対し、一般媒介契約には定めがありません。

    なぜ一般媒介契約だけ法律上の定めがないのかと言うと、複数の不動産会社に依頼できる唯一の媒介契約だからです。

    法律で定められた有効期間はない

    そもそも、他の媒介契約は1社のみに限定して依頼するため、その物件を不動産会社が“独占”している状態となります。

    不動産会社に物件を委ねるということになるので、もしも、その不動産会社が売却活動を行わなければ物件情報は不動産業界や購入希望者に認知されません。

    不動産会社の売却活動次第で、値下げしなくてはいけなくなることもあれば、最悪売却できなくなるということもあり得るのです。

    このように特定の不動産会社だけと契約を交わす場合には、売主にとって不利益な状態を長引かせないために、契約期間は3ヶ月以内と法律上で定められています。

    一方、一般媒介契約は複数の不動産会社に依頼できるため、特定の不動産会社に物件を独占されることがありません。

    そのため、一般媒介契約は法律上で定められている契約期間がなく、3ヶ月以内におさえても、3ヶ月以上の長期間で締結しても問題はないということになります。

    ただし、国土交通省が定めている標準媒介契約約款では契約期間を3ヶ月以内と記載しているため、不動産業界では「3ヶ月が目安」となっているのです。

    1-2.契約書にて有効期間を確認できる

    一般媒介契約の有効期間は、一般媒介契約を締結するときの契約書にて確認しましょう。

    というのも、一般媒介契約には法律上で定められた有効期間がなく、不動産会社によって異なるからです。

    契約書にて有効期間を確認できる

    「3ヶ月が目安」と言われていても、不動産会社によって3ヶ月未満の場合もあれば、3ヶ月以上の長期で契約する場合もあります。

    短期間で契約を交わすことに特に問題はありませんが、長期の契約期間が提示されていたら注意が必要です。

    その理由については次の章でご紹介するので、続けてご覧ください。

    契約期間は契約を締結した後に変更することはできないので、契約期間に納得してから締結するようにしましょう。

    1-3.契約期間中でも電話1本で解除できる

    一般媒介契約は契約期間中であっても契約を解除することが認められています。

    というのも、一般媒介契約は売主自身が買主を見つけることも許されていますし、他の不動産会社にも依頼できる契約です。

    契約期間中でも電話1本で解除できる

    一般媒介契約の契約期間には法的な拘束力もなく、不動産会社も他で売買が決まる可能性があることを承知しているため、解除にも制限を設けていないということが一般的となっています。

    ただし、解除の際は売主側に正当な理由があることが条件となります。

    正当な理由とは、たとえば、

    • 売買契約が決まった
    • 他の不動産会社と『専任媒介契約』もしくは『専属専任媒介契約』を結ぶことにした
    • 売却活動など対応に不満を感じている、信頼できなくなった

    などです。

    電話や口頭での申し出でも問題はないので、解除することを決めたら連絡を入れてください。

    もし「後々のトラブルを未然に防ぐためにしっかり形に残して解除したい」と思っているなら、“内容証明郵便”にて書面で残す方法を取ると安心でしょう。

    1. 日付
    2. 不動産会社の名称
    3. 売主の氏名と住所
    4. 契約を解除する旨の文章
    5. 一般媒介契約を交わした契約日
    6. 物件の住所
    7. 物件の所有者

    を明記して送付してください。

    また、交わした契約内容に「契約期間中の解除で違約金発生」「広告宣伝費の請求をする」など費用が発生する旨で合意がある場合は、解除に違約金が発生したり、活動費に対して請求がきたりする場合もあります。

    解除を申し出るときは契約書の約款をよくチェックして、思わぬ費用が発生しないようにしてください

    1-4.契約期間中であっても変更ができる

    一般媒介契約は契約期間中でも売却価格を変更したり、『専任媒介契約』や『専属専任媒介契約』に変更したりすることが可能です。

    なぜなら、国土交通省が定めている標準媒介契約約款に沿った内容で交わした契約であれば、売主の意向に沿って契約内容を変更することは認められているからです。

    変更や契約の解除をする場合の具体的な注意点や方法については4〜6章で解説いたします。

    1-5.契約は自動的に更新されない

    一般媒介契約の契約期間は自動的に更新されないような内容になっていることが通常です。

    なぜなら、売主にとって契約期間は物件を売却するための活動期間であると同時に「信頼できる不動産会社か?」を見極める期間でもあるからです。

    契約期間の終了をきっかけにして依頼する不動産会社を選び直してもいいですし、継続してもらうこともできます。

    ただし、自動更新が特約で付いているケースもあるので注意しましょう。

    もしも自動更新が付いている場合は解除を申し出ない限り契約が終了することがないため、契約書をよく確認するようにしてください。

    2.一般媒介契約を長期で契約した場合のデメリット

    一般媒介契約を長期で契約した場合のデメリット

    長期間にわたって一般媒介契約を交わすと、以下のようなデメリットが生じることが懸念されます。

    • 値下げせざるを得ない状況になる
    • 売却活動を見直すきっかけを損なう

    それぞれのデメリットについて詳しく解説いたします。

    2-1.値下げせざるを得ない状況になる

    一般媒介契約での長期的な契約は、売却価格を下げざるを得ない状況になることも懸念されるため注意が必要です。

    というのも、もともと一般媒介契約は、不動産会社から見ると必ずしも売買契約につながって報酬が得られるわけではない契約であるため、売却活動に注力してもらいにくい傾向にあります。

    長期的な契約を結んでも、売却活動が活発になる理由にはなりません。

    ダラダラと売却活動をすることで、不動産業界にも、購入希望者にも「この物件はいまだ売れていない」という印象を与えてしまうため、長期間売却活動をしていること自体が悪い印象につながってしまいます。

    よって、売却期間をできる限り短くすることが高額での売却を実現するポイントになるため、「更新するのは面倒」などという理由で契約期間を長期間にすることはおすすめできません。

    なるべく不動産会社に短期間で集中して売却活動をしてもらうために、売主も3ヶ月を目安にして契約期間を設定することがポイントです。

    2-2.売却活動を見直すきっかけを損なう

    一般媒介契約を長期間で結ぶことは、売却活動を見直すきっかけを損なう要因になります。

    なぜなら、契約期間の終了は売却活動の見直しをせざるを得ないタイミングであるからです。

    売却活動を続行するのであれば、

    「契約を更新してこの不動産会社に再度売却活動を依頼するか?」

    「この売却価格が適正なのか?」

    「再び一般媒介契約を結ぶのか?」

    など、改めて考えなければなりません。強制的に理想の売却を実現するために考えざるを得ない状況にできるのです。

    長期的な契約を結ぶと売却活動について考えることも少なくなり、売却に時間がかかってしまうことも懸念されます。

    一般媒介契約は媒介契約の中でも不動産会社に注力してもらいにくい契約であるからこそ、売主も積極性を持って売却活動をしていく姿勢でいることがポイントになるのです。

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    3.契約期間中に解除・変更をする際に注意すること

    契約期間中に解除・変更をする際に注意すること

    契約期間中でも自由に解除・変更することが可能な一般媒介契約ですが、交わしている契約の内容によっては売主が損をする可能性も出てきます。

    契約期間中に契約解除や変更を申し出る前に注意していただきたいポイントを紹介します。

    3-1.解除にかかる費用について

    売主側の都合で契約期間中に解除をする場合、不動産会社には売却活動でかかった費用を請求する権利が認められています

    というのも、物件情報を広めるためには広告や宣伝を行う必要があります。

    広告や宣伝活動には手間も費用も発生しますが仲介手数料に含まれるため、基本的に広告宣伝費として売主に請求がいくことはありません。

    ただし、解除の理由が不動産会社に非のない売主側の都合であったり、契約書に「売却活動で発生した費用は売主負担」などの文言があったり、売主が特別に依頼した広告制作が行われたりした場合には、契約期間中の解除で広告宣伝費の請求がくることもあります。

    解除を申し出る前には契約書に記載されている内容をよく確認するとともに、契約解除をする理由を明確に伝えましょう。

    もし費用が発生するか不安な場合は不動産会社に問い合わせて相談するなどしてトラブルを未然に防ぐことがおすすめです。

    3-2.違約金について

    契約書に「契約期間中に契約を解除する場合は違約金が発生する」などの記載がある場合には、一般媒介契約でも違約金は発生するので注意が必要です。

    なぜなら、契約書は内容に双方合意があったことで取り交わされるものだからです。

    もしもこのような内容の記載がある契約書で契約を結んだ場合は契約期間中の解除で違約金が発生するため、契約前はもちろん、解除する際も注意しましょう。

    3-3.自動更新の特約について

    一般媒介契約には自動更新の特約が付いている場合があるので注意しましょう。

    なぜなら、自動更新が付いている契約は売主の申し出がない限り契約が終了することはないからです。

    不動産会社と契約が続いている以上、買主と売買契約を結ぶ際や、他社と『専任媒介契約』などを締結する際には契約を交わしている不動産会社への連絡は欠かせません。

    もしも連絡を怠った場合はその会社が負担していた広告宣伝費の請求がくる可能性もあります。

    自動更新の特約が付いた契約書に署名して契約を交わしている以上、売主側にも責任が生じます。契約を締結する際には自動更新の特約にも注目するようにしてください。

    3-4.購入希望者の状況について

    物件の価格や契約する不動産会社を変更する場合、購入希望者の存在にも注意を払いましょう。

    というのも、物件の売却は買主がいるからこそ成り立つものだからです。きっと、一般媒介契約を交わして売却活動を行っていると内覧が増え、購入の申し込みも入ってきます。

    売主と不動産会社の関係だけでは売却できないので、変更や解除を申し出る際は購入希望者の状況にも配慮しましょう。

    買主と正式に売買契約を交わす前であれば違約金が発生することはないですが、もし手付金が支払われているタイミングだと倍額の支払いをしなければキャンセルすることができません。

    さらに倍額の支払いで契約解除ができたとしても、不動産会社へ支払う仲介手数料も請求対象になるケースもあります。

    購入希望者がいる状況での変更や解除は、費用がかかる点だけでなく、買主の信頼も損なうことになるため、購入希望者にも配慮して進めることが重要なポイントになります。

    4.契約を一般媒介契約のまま更新したい場合

    一般媒介契約として締結している契約をそのまま更新させたい場合、どのようなステップで更新していくかご存知ですか?

    ここでは契約を更新する方法についてご紹介いたします。

    契約を一般媒介契約のまま更新したい場合

    4-1.不動産会社からの更新の申し出に応じる

    契約期間の満了が近づいているのに売却ができていない場合、通常は不動産会社から契約更新の申し出があります。

    売主もそのまま契約を更新することを望んでいるのであれば、申し出に応えましょう。

    もしも、申し出に応えなければ、契約期間の満了と共に契約は解除となります。

    4-2.一般媒介契約書の内容をよく確認する

    契約を更新するとなると、再度契約書にサインする必要があります。

    不動産会社の担当者から口頭で説明がある場合もありますが、郵送でやり取りをする場合もあるでしょう。

    更新前の契約内容とは異なる可能性もあるため、更新の場合であっても、一般媒介契約書の内容をよく確認してから契約を締結することがポイントです。

    特に更新の際は以下の点に注目して前回の契約書と比較しながら確認してください

    4-2-1.売却価格

    更新の際には売却価格の値下げを提案されることが一般的です。

    なぜなら、これまでそれ相応の売却活動をしてきたにもかかわらず、未だに物件が売れていないという現実があるからです。

    ただし、一般媒介契約の場合は、販売状況の報告義務やレインズへの登録義務がないため、そこまで販売活動に注力していなかったという可能性もあります。

    売却価格が以前より下がっていたら、その理由を聞きましょう。満足度の高い売却を目指すためにも売却価格の変更に安易に応じるのではなく、納得してから契約の締結をすることがポイントです。

    4-2-2.広告宣伝活動の内容

    更新する際には、「今後はどのような広告宣伝活動を行っていくのか」を明確化して契約することもおすすめです。

    なぜなら、物件を好条件で売るためにはその物件を市場に認知してもらわなければいけないからです。

    広告や宣伝をどう進めていくか、どこで打ち出すのかが重要になるため、これまで売却活動を行ってきて得た知見を今後どのようにして売却活動に活かすのかに注目しましょう。

    納得できる内容であれば契約書に記載してもらうことで、売却活動の内容に効力を持たせることが期待できます。

    4-2-3.特約について

    一般媒介契約における特約事項とは、自動更新や非明示型での契約形態、契約期間中の解除による違約金の発生などです。

    売主が希望するものは伝えることで追記してくれますし、不要なものは除外してくれます。

    これまで特約は付いていなかったけど、更新する契約書には特約が付いているという可能性もあるため、注意深く確認して契約内容に納得してから交わすようにしてください。

    4-3.署名・捺印をする

    更新する契約書の内容確認ができたら署名と捺印をして提出すれば契約更新は完了です。

    郵送の場合は返送し、担当者と対面でのやり取りの場合はその場でサインすることで完結するので、契約の更新は1日程度で済ませられる作業量です。

    ただし、郵送でのやり取りの場合は、担当者への確認に時間がかかる可能性もあります。じっくり考えられる時間があるときに更新手続きを行うようにしましょう。

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    5.契約期間中に他の媒介契約に変更したい場合

    一般媒介契約から『専任媒介契約』や『専属専任媒介契約』に変更したい場合は、以下の手順で変更が可能です。

    契約期間中に他の媒介契約に変更したい場合

    各ステップの詳細について解説いたします。

    5-1.切り替えを希望する不動産会社へ連絡する

    『専任媒介契約』もしくは『専属専任媒介契約』の締結を希望する旨を不動産会社へ伝えましょう。

    ここで注意が必要なのは『専任媒介契約』も『専属専任媒介契約』も契約できる会社は1社のみということです。

    つまり、切り替えを行ったら他社との契約は続行することも、新しく契約を結ぶこともできません。

    そのため、信頼できるという確信を持ってから連絡するようにしてください。

    5-2.一般媒介契約を結んでいる他の不動産会社との契約を解除する

    もしも一般媒介契約で他社とも契約を交わしている場合は、忘れずに契約解除の申し出をしてください。

    なぜなら、複数の不動産会社との契約が認められているのは一般媒介契約のみだからです。

    『専任媒介契約』も『専属専任媒介契約』も契約できる不動産会社は1社のみと法律上でも限定されているため、他社との契約は違反行為とみなされます。

    違約金の支払いが求められるなどペナルティが発生する可能性もあるため、必ず他社との契約は解除しましょう。

    5-3.希望する媒介契約を締結する

    他社との契約が解除できたら、希望する不動産会社と媒介契約を結びます。

    一般媒介契約のときと同様に、契約書の中身をよく確認し、納得できてから契約を締結するようにしましょう。

    6.一般媒介の契約期間中に売却価格を変更したい場合

    一般媒介の契約期間中に売却価格を変更する際は、以下のステップで変更します。

    一般媒介の契約期間中に売却価格を変更したい場合

    6-1.売却価格を変更したい旨を不動産会社へ連絡する

    一般媒介契約の契約期間中に売却価格の変更を希望する際は、契約している不動産会社へ連絡を入れてください。

    価格を変更した新しい契約書を不動産会社が作成してくれるので、契約書が手元にくるまで待ちます。

    6-2.価格変更された新しい契約書に署名・捺印をする

    価格変更のされた媒介契約書が郵送または担当者の持参によって売主に届けられます。

    売主は希望している売却価格になっているかを確認して署名・捺印を行い、不動産会社へ返却すれば価格変更できます。

    6-3.売却価格を変更する場合の注意点

    売却価格は売却の満足度を左右する大きな要素になります。そのため、以下2つの注意点をおさえてから変更するようにしましょう。

    6-3-1.売却価格は売主が納得できる価格にする

    売却価格の変更は簡単に行えますが、不動産会社から勧められるがままに売却価格を変更することは賢明とは言えません。

    なぜなら、売主の利益よりも自社の利益を重視する不動産会社も存在するからです。

    高く売ることを目指すよりも、仲介手数料を確実に取ることを優先して売却価格の変更を提案している場合もあるため注意しましょう。

    しかし、売却活動が初めてだったり、その土地の相場やニーズが分からなかったりすれば売主も適正価格が分かりませんよね。

    実際に売主はどのようにして価格を見極めればいいのかを次の項でご説明いたします。

    6-3-2.物件価格を再査定し相場を確認する

    売却価格は複数の不動産会社に再査定してもらって相場を確認してから決めましょう。

    なぜ複数の不動産会社へ査定してもらうのかと言うと、査定額は見積もりを取る不動産会社によって差が生じやすいからです。

    特定の不動産会社による査定内容だけではなく、複数の不動産会社による査定内容を確認してから売却価格を再設定することがポイントです。

    また、これまでの売却活動で買手が見つからなかった原因も探りましょう。

    なぜなら、売り出す際に設定した価格は、その土地の相場や物件の状況から導き出した価格になっているはずだからです。

    売却できていない原因は不動産会社の力量によるものかもしれません。

    再査定を依頼しながら、より信頼できる不動産会社も探すと、満足度の高い売却を実現できるきっかけになる可能性もあります。

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    7.気持ちのよい売却のために売主ができること

    気持ちのよい売却のために売主ができること

    満足度の高い売却のために売主が一般媒介契約の契約期間中にできることを紹介いたします。

    7-1.変更を行った場合は契約しているすべての不動産会社へ連絡する

    媒介契約の種類や売却価格など、何かしら変更を行うのであれば、契約しているすべての不動産会社へ連絡しましょう。

    なぜなら、不動産会社は売主の依頼に沿うように売却活動をしてくれているからです。

    もしも物件の情報や契約が変わっていることを知らせていないままだったら、誤った情報を購入希望者へ伝えることになったり、仲介する権利がないのに売却活動をさせてしまったりなど、トラブルの原因になるでしょう。

    最悪、売主へのペナルティとして違約金や販売活動にかかった費用の支払いを求められることにもなります。

    売却活動を依頼しているすべての不動産会社への連絡は怠らないように注意してください。

    7-2.一般媒介契約で売れない場合は他の媒介契約を検討する

    一般媒介契約で売れない場合は他の媒介契約を検討することもおすすめです。

    というのも、一般媒介契約は複数の不動産会社に競うように販売活動をしてもらうことで好条件な売却が期待できる媒介契約だからです。

    例えば、ニーズの高い「都心・築浅・ブランドのあるマンション」なら一般媒介契約で満足度の高い売却が実現するでしょう。

    一方、以下のような競争が生まれにくい物件は、売却活動に力を入れないと売れにくいため一般媒介契約はあまりおすすめではありません。

    • 立地が悪い
    • 築年数が経っている古いマンション

    『専任媒介契約』や『専属専任媒介契約』で契約すると、レインズへの登録や販売状況の報告が義務化されているため、注力した販売活動が期待できます。

    さらに、1社のみの契約となるため、契約期間中は他社に契約を取られてしまう心配がなく、販売活動に力を入れてくれる可能性が高いです。

    不動産会社によっては、契約期間中に確実に売買契約を交わせるよう、ハウスクリーニングを行ったり、広告に力を入れたりなど充実のサービスで売却をサポートする場合もあります。

    媒介契約の種類を変えることでスムーズな売却になりやすくなるというメリットもあるため、一般媒介契約の契約期間は「信頼できる不動産会社探し」の期間として他の媒介契約も検討することがおすすめです。

    媒介契約を比較しながら詳しく解説している記事はこちらです。各契約の特徴を比較して理想の売却が叶う方法を取り入れていきましょう。

    8.まとめ

    一般媒介契約の契約期間には以下のような特徴があります。

    • 3ヶ月を超えない範囲で契約期間を決めることが一般的
    • 不動産会社によって契約期間は異なる
    • 契約期間中でも契約の変更・解除は可能
    • 契約は自動的に更新されない

    ただし、契約によっては自動更新の特約が付いていたり、契約期間中の解除にペナルティがあったりなど、不動産会社によって内容が異なる場合があります。

    一般媒介契約は複数の不動産会社と契約できますが、それぞれの契約内容が異なる可能性があるため、1つ1つよく確認をして契約するようにしましょう。

    また、一般媒介契約の契約期間中は売主の義務も発生します。

    それは、契約を交わした不動産会社への連絡です。

    • 物件が売れた
    • 他社と専任媒介契約を結ぶことになった
    • 売却価格を変更した

    など、変更があった場合は必ずすべての不動産会社へ連絡してください。トラブルを未然に防ぐためにも売主の義務はしっかりと果たしましょう。

    また、一般媒介契約の契約期間中は、信頼をおける不動産会社を吟味する期間でもあると捉え、他の媒介契約を検討することも売れ残り物件にならないためのポイントです。

    本記事を参考にしてスムーズな売却を目指していってください。

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