不動産の訪問査定とは?特徴・机上査定との違いや注意点を解説
不動産を売却しようと査定方法を探している中で、「訪問査定」「机上査定(机上査定)」という言葉にぶつかったことがありませんか?「訪問査定って何?」「机上査定ではダメなの?」と疑問に思う人も多いでしょう。
そこで不動産の訪問査定について説明すると、不動産の訪問査定とは3つある不動産の査定方法の1つで、実際に物件を見て精度高く査定額を出す方法です。
もう少し詳しく言うと、物件の住所や間取りなどの基礎情報を基にデータ上の査定を行った上で、実際に物件を見てさらに精度の高い査定額を算出する方法です。
一方机上査定とは、訪問査定の準備段階であるデータ上の査定のことです。あくまでもデータを基にした査定なので、訪問査定よりも査定額の精度が落ちてしまいます。
つまり、訪問査定と机上査定の2つの違いは、査定方法や内容、査定額の精度などにあるのです。
不動産を売却するためには、必ず物件を査定してもらわなければなりません。訪問査定と机上査定のどちらの方法を選ぶのかは、2つの特徴や違いを知り、査定する目的と合わせて決めると良いでしょう。
そこでこの記事では、
- 不動産の訪問査定とは
- 訪問査定と机上査定の違い
- 訪問査定のメリット・デメリット
- 机上査定のメリット・デメリット
- 訪問査定と机上査定どっちにするかの判断基準
- 不動産の訪問査定の際に準備するもの
- 不動産の訪問査定の注意点
- 不動産の訪問査定は複数社に依頼しよう
といった内容を解説していきます。訪問査定と机上査定についての理解を深めることで、どちらを選ぶべきか判断できるでしょう。
この記事があなたのお役に立てれば幸いです。
[監修]宅地建物取引士
市野瀬 裕樹
中古マンション売買仲介を累計1200件以上監督。株式会社groove agentにおいて不動産売買の業務に3年従事。買い手をサポートしてきた経験を活かし、どうすれば高く売れるのか?を、買い手目線で不動産売却仲介のアドバイスを行う。
目次
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1.不動産の訪問査定とは
冒頭でもお話したとおり、不動産の訪問査定とは3つある不動産の査定方法のうちの1つです。不動産の査定方法は無料で行える机上査定と訪問査定、不動産鑑定士による有料の査定の3種類があります。
訪問査定は、物件の住所や間取りなどの基礎情報を基にデータ上の査定を行った上で、さらに実際に物件を訪れてさらに精密な査定額を算出していく方法です。
一方机上査定は、物件を実際に見ることはなくデータだけを参考に物件価格の概算を算出します。
不動産鑑定士による査定は、厳密には「鑑定」で、国家資格である不動産鑑定士が専門的な知識と経験を駆使して物件の価格を算出するものです。
一般的な不動産の売却では鑑定を依頼する必要はなく、机上査定か訪問査定で十分です。
そして、不動産を売却するためには最終的には訪問査定を依頼しなければなりません。そのため、不動産を売却したいのなら、訪問査定は必須ということになります。
そこで、不動産の売却に必ず必要になる訪問査定について、特徴や査定の流れ、机上査定との違いについての理解を深めておきましょう。
1-1.不動産の訪問査定の特徴
先ほど、不動産の訪問査定とは、データ上の査定をしてからさらに現地調査をして精度の高い査定をする方法だということをお話しました。
訪問査定では、数時間かけてじっくり物件の現状を調査していきます。では、現地調査の際、具体的にはどのような項目を見ているのかと言うと、
- 築年数
- 間取り
- 構造(耐震や断熱性能など)
- 建物の状態(築年数に対する劣化具合)
- 設備の状態(不具合や破損はないか。最近新しく交換したものはないか)
- 日当たり(採光は良いか)
- 眺望
- 近隣の建物(病院や学校、商業施設などへの距離)
- 周辺環境(騒音や振動、臭気の有無)
- 街路状況(街灯の有無、歩道は整備されているか)
- 交通の便(主要道路からの距離、バス停からの距離、駅からの距離)
- マンションの場合は専有部分だけでなく共用部分、階数や位置(角部屋かなど)
など、たくさんの項目を見ています。
訪問査定では実際の物件の状態や周辺の環境などをできるだけ細かく調査するため、立ち会いが必要になります。
1-2.不動産の訪問査定の流れ
次に、不動産の訪問査定の流れについて説明していきましょう。
不動産の訪問査定は、次のような流れで進められていきます。
この図のように、まずは売主が不動産会社に査定依頼をします。依頼を受けた不動産会社は物件の基礎情報を調査し簡易的な概算価格を算出した後、現地に出向きさらに詳しい調査をします。
そして修繕が必要な箇所はないかなどを確認し、諸費用の見積りを出してから最終的な査定額を算出するという流れになります。
では、それぞれの項目について詳しく説明していきます。
1-2-1.査定依頼
不動産の訪問査定を受けるためには、売主が不動産会社に直接依頼します。以前物件を購入した経緯がある不動産会社やご縁がある不動産会社がある場合はピンポイントで依頼しても良いでしょう。
特定の不動産会社とつながりがない場合は、先に一括査定などの机上査定を使ってから訪問査定を依頼する不動産会社を決めるという方法がおすすめです。
これについてはこの記事の終わりの方で詳しく説明していきます。
1-2-2.書類調査
不動産会社は査定の依頼を受けた対象物件に関する権利関係や法令に基づく制限などについて、役所で書類を取り寄せて調査します。
この「法令に基づく制限」とは、簡単に言うと、対象となる土地や建物が、都市計画法や建築基準法を始めとする各種法令による制限を受けるかどうかということです。物件を購入した際に取り交わされる「重要事項説明書」に記載されている内容になります。
少し専門的で難しい内容になるので、不動産会社の人が物件に関する書類を役所から取り寄せて法律的な部分を確認することを覚えておけば大丈夫です。
1-2-3.机上査定
物件に関する基礎的なデータが揃ったら、まずは机上査定をします。机上査定とは、実際の物件を見ずに物件の所在地や築年数、間取り、面積、登記情報や類似物件の取引実績などのデータを基に査定額を算出することです。
データ上の査定なので、ここではあくまでも概算価格の算出となります。
1-2-4.現地調査
次に現地調査を行います。実際に物件を訪れて、前述したような建物の状況や周辺環境の状況を確認していきます。
実際に物件に足を運んでみないと分からないことがたくさんあります。例えば日当たりや眺望、周辺からの騒音や臭気、街灯の状況や歩道の整備状況などは、基礎的なデータからは見えてきません。
だからこそ、より正確な査定額を出すためには、実際に物件を訪れ訪問査定をすることが必要になります。
1-2-5.諸費用見積もり
物件の査定額を決定する前に、売却にかかる諸費用の見積もりを出していきます。諸費用とは、仲介手数料や印紙税などの税金のほかに、必要に応じて修繕費や解体費、廃棄物処理費、ハウスクリーニングなどが含まれます。
1-2-6.査定額の算出
机上査定と訪問査定、諸費用の見積もりを踏まえて総合的に判断し、最終的な査定額を算出します。査定額が出るまでは、物件を訪問してから数日〜1週間程度かかるのが一般的です。
査定額は「おおよそ3ヶ月以内に売れるであろう金額」です。つまり、売却価格ではありません。実際の売却価格は、査定額を基準とし、売主の希望価格や売却を成功させたい期間などを併せて精査して決定していきます。
もう少し具体的に言うと、3ヶ月以内に売りたいのであれば査定額よりも低くすると良いでしょう。ただし、先に算出している諸費用がどのくらいかかりそうかを考慮して、これからの生活に負担がかからないような価格にすることが大前提です。
一方、特に売却を急いでいないのであれば不動産会社と相談をして戦略的に売却価格を設定しても良いでしょう。査定額より少し高めに設定して、様子を見ながら段階的に値下げをしていくことも可能です。
1-3.机上査定との違い
冒頭で、訪問査定は不動産の査定方法の1つだというお話をしました。では、他に何があるのかと言うと、訪問査定の過程にも出てくる「机上査定」です。訪問査定を依頼するかどうかを決めるには、もう一つの査定方法である机上査定との違いを理解することが必要です。
では、訪問査定と机上査定では具体的にどのような違いがあるのかと言うと、
- 査定の方法
- 査定にかかる時間
- 査定の精度
です。
この表からも分かるように、簡単に言うと、訪問査定は物件をより詳しく調査する方法で机上査定は簡単な査定だということです。
それでは、それぞれについて詳しく説明していきましょう。
1-3-1.査定方法
訪問査定と机上査定では、まず査定方法が大きく違います。
訪問査定の査定方法は先ほどもお話したとおり、データ上の査定をしてからさらに現地調査をして精度の高い査定をする方法です。
より精度の高い査定を目指しているため、準備するものも多くなります。
例えば購入時の売買契約書や新築時の各種設計図書、マンションの場合は管理組合の関係書類など、売却を希望する不動産に関する書類は一通り準備しておきましょう。
訪問査定では不動産会社の担当者が実際に物件を訪れるため、査定時の立ち会いも必要になります。
一方、机上査定とは物件の住所や築年数、間取り、面積などのデータを基に査定額を算出する方法で、実際に物件を訪れることはありません。机上査定はデータを見るだけで完結するので、机上査定とも言われます。
机上査定の際に準備するものや取り寄せる書類などはなく、いつでも気軽に依頼できる査定方法です。
1-3-2.査定にかかる時間
訪問査定と机上査定では、査定に必要な時間も違います。当然ながら、より詳しく査定する訪問査定の方が長く、机上査定の方が短く済みます。
訪問査定では精度が高い査定結果を目指す分、査定項目が多く査定に時間がかかります。具体的には、現地での査定に1〜2時間かかり、最終的な査定額の算出までに1週間程度を要します。
一方机上査定は、住所や築年数、面積など必要最低限の情報を入力するだけで査定依頼が完了します。早ければ数時間〜当日に査定結果が出る場合もあります。
1-3-3.査定の精度
査定方法や査定にかかる時間の違いを説明したのでお分かりかと思いますが、訪問査定と机上査定では査定額の精度が違います。
机上査定はデータ上でしか査定をしていないので、あくまでも目安になる価格しか出せません。一方訪問査定は、机上査定で参考にする情報を基に概算を算出した後に、さらに実際に物件を見て細部に渡って調査して査定額を決めていくので、かなり精度の高い査定額が期待できます。
「じゃあ、精度の低い机上査定を依頼する意味はあるの?」
と疑問に感じる人もいるかもしれません。
机上査定を依頼するのは、現実的な詳しい査定額を知りたいというよりも、数社の査定額を比較して訪問査定を依頼する不動産会社を選びたい、大体の目安の価格を知って売るかどうかを判断したい、という場合です。
おおよその価格を知れれば良いので、査定の精度が高くなくても十分なのです。
◎不動産の机上査定についてより詳しくは机上査定について書かれたこちらの記事をご覧ください。
2.不動産の訪問査定と机上査定のメリット・デメリットを比較
先ほど、訪問査定と机上査定の違いを簡単に説明しました。そこでもう少し具体的に、2つの方法の特徴やメリット・デメリットを比較してみましょう。
訪問査定と机上査定には、どちらにもメリット・デメリットがあります。
この表のように、訪問査定は査定の精度が高いですが、準備や査定に時間がかかります。一方、机上査定は気軽にできますが、査定の精度は低いです。
この章では、訪問査定と机上査定のメリット・デメリットについて詳しく比較していきます。
2-1.訪問査定のメリットとデメリット
まずは訪問査定のメリットについてお話しましょう。訪問査定のメリットは精度の高い査定額を算出してもらえるという点です。
前述したとおり、訪問査定では現地調査を行います。データ面と実際の物件の状況を合わせて総合的に査定額を算出するので、査定額は非常に精度が高く信憑性が高いのです。
一方デメリットは、物件の査定に立ち会いが必要なことや、査定額が算出されるまでに1週間程度は時間が必要になるということです。物件を訪問されるということで、事前に掃除をしておくことも必要です。思い立ったらすぐに依頼!という訳にはいかないのが訪問査定のデメリットだと言えるでしょう。
2-2.机上査定のメリットとデメリット
次に、机上査定のメリットとデメリットをお話していきます。
机上査定のメリットは、何と言ってもその手軽さにあるでしょう。机上査定は物件を見られることがなく、住所や間取り、築年数、面積などの簡単な項目をスマホやパソコンで入力するだけで良いので、場所も時間も選びません。
さらに匿名査定やAI査定など、個人情報を入力しなくても査定できる方法があり、非常にハードルの低い査定方法です。
このように、思い立ったらすぐに依頼できる手軽さが机上査定の最大のメリットだと言えます。
一方机上査定のデメリットは、過去の売却実績などのデータに基づいて算出するため、物件の状態や現地でしかわからない詳細が加味されない点です。机上査定は手軽に査定してもらえる分、査定項目が少なく、しかも実際に物件を見ていないので、査定額の精度はどうしても低くなってしまいます。
売却を視野に入れている場合は机上査定の後に訪問査定を行いますが、机上査定で良い価格が出ていても、実際に物件を見たら修繕が必要な箇所が多かった、築年数の割に劣化が目立った、窓を塞ぐように隣に建物が建っていて日当たりが悪い、などマイナス査定になる場合も大いにあり得るのです。
もちろんその逆に、最近最新のIHに取り替えていた、近くに駅が出来た、近所に大型スーパーが建築中など、プラス査定に働く部分もあるかもしれません。
いずれにせよ、机上査定は相場感を掴むのに有効な手段のため、複数社に机上査定を依頼した後、信頼できる不動産会社2、3社に訪問査定を依頼するのがよいでしょう。
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3.訪問査定と机上査定どちらにするかの判断基準
先ほど、訪問査定と机上査定のメリット・デメリットを解説しました。それらを踏まえて、訪問査定と机上査定のどちらが自分に合っているのかを判断していきましょう。
結論から言うと、
- 売却を決めているなら訪問査定
- すぐに売却するつもりがないなら机上査定
となります。では、それぞれの理由について詳しく解説していきます。
3-1.売却を決めているなら訪問査定
不動産の売却をすでに決めているなら、訪問査定を選ぶことをおすすめします。その理由としては、訪問査定の方が精度の高い査定額を提示してもらえるからです。
データ上の情報と実際の物件の状態の両方を併せて細かく査定していく訪問査定の査定額は、売却を見据えた現実的な価格です。いずれ売却価格を決める際にも参考にしていくものなので、売却を考えている人にとっては、最初から訪問査定を依頼した方が効率的です。
そして、査定額はもちろんですが、売却を依頼する不動産会社を選ぶ際にも訪問査定は決め手の1つになります。3〜4社に訪問査定を依頼して、その対応や会社の特徴などを比較して最適な不動産会社を選びましょう。
訪問査定の過程で自分が選ぶべき不動産会社を見極めるコツは、
- 査定までの対応が分かりやすく親切
- 査定額の説明をきちんと根拠立てて説明してくれている
- こちらの質問に丁寧に答えてくれる
- 実際に会ったときのフィーリング
- 実績があるエリア
- どのような集客方法を使うのか
- 想定期間内に売却できなかった場合はどうするのか
といった点です。
特に売却することが初めてで、何を準備すればいいのか、何をしたら良いのか分からない人にとっては、信頼できる不動産会社との出会いが何より大切です。そこで質問したときの反応や回答の内容、実際の訪問査定の現場での不動産会社の対応を見ながら、売却までを任せられるかどうかを判断しましょう。
そして、依頼をしようとする不動産会社がどのエリアに強いのか、どのような方法や方針で取り組んでもらえるかを把握しておくことも大切です。なぜなら、物件があるエリアに詳しく実績があり、買主の獲得に精力的に動いてもらえないと売却が成功しづらいからです。
そこで、自分が売却を希望する物件があるエリアでの実績がどのくらいか、どのような販売戦略を持っているのか、さらに想定期間内で売却できなかった場合にどのようなプランを持っているかも確認しておきましょう。
複数社に訪問査定を依頼することは少し手間と時間はかかりますが、最終的に納得のいく売却を進めていくためにも、惜しんではならない工程だと言えます。
3-2.すぐに売却するつもりがないなら机上査定
「参考までに物件がどのくらいの価格になるのか目安を知りたいだけ」
「売るとしても数年後になりそう」
といった人は、机上査定を選びましょう。その理由としては、気軽に依頼できる方法だからです。
机上査定は物件の住所や間取り、築年数など簡単な情報を入力するだけなので、時間も場所も問いません。物件の立ち会いも不要なので、現地調査のための大掃除に時間をとられることもないのです。
特に一括査定の場合は一度に複数社の見積もりをとることができますし、匿名AI査定では、個人情報を伝えずに瞬時に目安額を知ることができます。「今、この家いくらかな?」という目安をつけるのにはピッタリの方法です。
もし、今すぐに売るつもりがなく目安を知りたいだけなのに訪問査定を依頼してしまうと、査定前から査定終了まで、物件の掃除や書類の準備など、依頼主の負担になる作業が増えてしまいます。その上、訪問査定は査定時の状態で判断しているので、売却するのが数年後になってしまう場合は当時の査定額はあまり参考にならないでしょう。
つまり、売却を視野に入れていないのであれば、訪問査定を依頼することにあまり意味はないことになります。
そこで、売却を決めていないけれども物件価格のおおよその目安を知りたい場合は、いつでもどこでも気軽に依頼・査定ができる机上査定がおすすめです。
4.売却依頼先を見極めたいなら訪問査定の前に机上査定
先ほど、訪問査定と机上査定のどちらかを選ぶ際のポイントについて説明しました。その中で、机上査定は「すぐに売却するつもりがない」「概算価格を知りたい」場合に利用する方法だとお話しましたが、売却依頼先を見極めるために利用するのもオススメです。
机上査定で各社の見積額やサービスなどを比較して、最終的に複数社の中から信頼できそうな1社に売却を依頼するという流れです。
まずは机上査定を利用して、売却したい不動産の売却価格の目安を出します。オススメなのは、一括査定サイトです。必要事項を一度入力すれば10社前後から見積を出してもらえるので、各社を比較したい場合には最適です
10社前後に依頼した机上査定の中から、次は訪問査定を依頼したい3〜4社に絞ります。選別するポイントは、
- 概算価格が相場付近か(高すぎる見積額は顧客を獲得したいだけの可能性あり)
- 対応は親切丁寧か
- 質問にきちんと答えてくれるか
- これまでの実績や口コミ
- 物件のエリアに強いか
となります。これらのポイントを踏まえて3〜4社に訪問査定を依頼したら、最終的に売却の販売活動、契約締結までをお願いする1社に絞ることになります。訪問査定では、次のポイントを見ましょう。
- 担当者の説明は丁寧か
- 査定の様子、マナー
- 査定項目を詳しく説明しているか
といった点がポイントになります。
机上査定を経てから訪問査定を依頼すると、ピンポイントで訪問査定を依頼するよりも多くの不動産会社と出会うことができます。売主にとってはそれだけ選択肢の幅が広がるというメリットがありますし、不動産会社同士を自然と競わせることも可能です。ふるいにかけた中から選りすぐりの不動産会社に売却を依頼することで、成功に導けるという訳です。
もちろん、訪問査定の段階で10社前後に依頼するのはできないことはありませんが、時間がかかることや、10回前後も査定に立ち会わなければならないストレスは計り知れません。
だからこそ、まずは机上査定を利用してから訪問査定を依頼し、その中から売却を依頼する不動産会社を決めるという流れがオススメなのです。
◎一括査定についてより詳しくは、マンション売却の一括査定について書かれたこちらの記事をご覧ください。
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5.不動産の訪問査定の際に準備するもの
ここまで、不動産の訪問査定について、内容やメリット・デメリット、机上査定との違い、どちらを選ぶべきかなどについて詳しく説明してきました。
売却を視野に入れていて、訪問査定を依頼しようと考えている人も多いのではないでしょうか。
訪問査定は机上査定とは違い、物件調査の日までに準備しておかなければならないことがたくさんあります。具体的には、
- 物件の掃除
- 必要書類の準備
- 修繕が必要な箇所への対応(必須ではない)
という内容です。査定の際は物件の状態を見ますので、できる限り綺麗にしておくことで査定をする側へ良い印象を与えることができます。とは言え、査定のためにハウスクリーニングを頼む必要はありません。あくまでも通常の掃除に加え、壁紙の汚れを拭き取る、カビが目立つところは除去する、窓を拭く、といった家庭でできる清掃で十分です。
そして、必要書類については具体的には以下のようになります。
- 登記簿謄本
- 物件の公図
- 建物の図面
- 物件の周辺環境が分かる鳥瞰図
- 購入時の売買契約書
- 新築時の各種設計書
- マンションの場合は管理組合の規定や専有面積が分かる書類
- リフォームをした場合はそれに関係する書類
- 耐震診断報告書など構造に関する書類
です。たくさんあるように感じますが、つまりは物件に関する書類をひと通り用意しておけば良いということです。また、不動産会社によって準備する書類が異なりますので、必ず事前に確認しておくようにしましょう。
訪問査定での査定額がそのまま売却価格になるわけではありませんので、もし用意を忘れてしまった書類があっても後で提出すれば問題はありません。
ですが、できるだけスムーズな査定を行うためにも、訪問査定の際にひと通りの書類を揃えておくことをおすすめします。
【訪問査定ではできるだけ詳しく物件の説明をしよう】
訪問査定の際に必要書類を準備することはもちろんですが、書類がない部分についてもできるだけ詳しく説明すると良いでしょう。
例えば、
- 日当たり(訪問時以外の日当たりについて)
- 騒音(周辺からの騒音はあるか、トラブルはないか)
- におい
- 交通の便(駅やバス停までの距離)
- 近隣入居者の雰囲気
- スーパー・学校までの距離
- 雨漏りやすきま風など不具合はないか
といった点です。より精度の高い査定額を算出するためには、良いことも悪いこともつつみ隠さず伝えることがポイントです。
もし当該物件や周辺で事故や事件が発生したことがある場合も、事前に伝えておきましょう。
6.不動産の訪問査定の注意点4つ
不動産の訪問査定の日までに準備するものについてお分かりいただけたでしょうか。では次に、不動産の訪問査定で注意しなければならない点についてお伝えします。
不動産の訪問査定の注意点は4つあり、
- 複数社に依頼する
- 物件に関することは包み隠さず伝える
- たくさん質問して対応を観察する
- 査定額は売却価格ではない
です。それぞれについて詳しく説明していきます。
6-1.複数社に依頼する
不動産の訪問査定を依頼する際は、1社だけではなく複数社に依頼しましょう。その数に決まりはありませんが、多すぎると対応が負担になってしまうので、3〜4社程度がおすすめです。
査定額は不動産会社によって変わってくるものです。それは、得意とするエリアやこれまでの実績、提供しているサービスなどが違うからです。
例えば大手ネットワークがあり全国展開をしている不動産会社であれば、そもそも顧客が多いことや宣伝力がある点が魅力で、独自のネットワークを活かして広範囲から買主を呼び込めます。さらにサポート体制が充実している場合も多いでしょう。
当該物件が建つエリアにある不動産会社であれば、その地域の情報に精通しています。地域密着型なので、ピンポイントでそのエリアを希望する顧客をつかみやすい傾向にあるでしょう。
これまでの実績が多い不動産会社の場合、売却実績が多いということはそれだけ販売のノウハウを持っているということです。
このように、各不動産会社にはそれぞれ得意分野や特徴があり、それにより算出される査定額も異なるのです。1社だけに絞ってしまうと、そのほかの不動産会社ではどういう査定をしてくれるのかを知ることができません。「実はA社だったらもう300万円は高く査定してもらえた…」となる可能性もあるのです。
自分の希望価格と査定額をできるだけ同じ程度に持っていくためにも複数社を比較した方が良いでしょう。
6-2.物件に関することは包み隠さず伝える
不動産の訪問査定の際は、物件に関することを包み隠さず伝えるようにしましょう。もちろん、良いことはどんどんアピールしたいですが、マイナス面は「査定額がガクっと落ちてしまうかも…」と心配になり、なかなか言い出せないものですよね。
ですが、後々になって不具合が発見された場合、トラブルになってしまうこともあります。その方が精神的に負担が大きいですし、何よりありのままを適正な価格で査定してもらうことが一番良いのです。
自分で思っているほど査定に影響しない場合もあります。悪いことでも正直に担当者にお話しましょう。
6-3.たくさん質問をして対応を観察する
不動産の訪問査定の際は、担当者にたくさん質問をしましょう。なぜかと言うと、疑問や不安をできるだけ解消するべきだという点と、担当者の対応を観察できるという点があります。
質問する内容は、
- これまでどういう実績を積んできたのか
- どういう物件が得意なのか
- 類似物件はいくらくらいで売れているのか
- この地域について詳しいのか
- どのような販売戦略をしているのか
- もし希望期間以内に売れなかったらどうなるのか
というものが良いでしょう。不動産の売却は信頼できる不動産会社にお願いするのが一番です。丁寧に詳しく答えてくれる場合は信頼できる可能性が高いですし、曖昧だったり、不快に感じるような場合はその先のお付き合いをしないという判断ができます。
6-4.査定額は売却価格ではない
最後にお伝えしておきたいのが、不動産の訪問査定の査定額は売却価格ではないという点です。では査定額は何の数字なのかというと、おおむね3ヶ月以内で売れるであろう価格なのです。
実際の売却価格は、売主の希望価格を考慮して、不動産会社と協議しながら決めていきます。この際に、ハウスクリーニングや税金など売却にかかる諸費用も参考にしていくと良いでしょう。
すぐに売りたい場合は査定額よりも低めに設定することが多いですし、時間がかかってもできるだけ高い価格で売りたいという人は査定額と希望額を考慮して売却価格を決め、売れなければ段階的に値下げしていくと良いでしょう。
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7.まとめ
いかがでしたか?不動産の訪問査定について、訪問査定の特徴と机上査定との違い、訪問査定のメリットとメリット、訪問査定と机上査定のどちらを選ぶべきか、訪問査定と机上査定の両方を依頼する場合、訪問査定を依頼する際の注意点などについて解説してきました。
最後にこの記事をまとめると、
- 不動産の訪問査定とは物件の住所や間取りなどの基礎情報を基にデータ上の査定を行った上で、実際に物件を訪れて査定額を算出する方法。査定は無料で、査定額が出るまでは1週間程度かかる。
- 不動産の訪問査定で見られるポイントは、
- 築年数
- 間取り
- 構造(耐震や断熱性能など)
- 建物の状態(築年数に対する劣化具合)
- 設備の状態(不具合や破損はないか。最近新しく交換したものはないか)
- 日当たり(採光は良いか)
- 眺望
- 近隣の建物(病院や学校、商業施設などへの距離)
- 周辺環境(騒音や振動、臭気の有無)
- 街路状況(街灯の有無、歩道は整備されているか)
- 交通の便(主要道路からの距離、バス停からの距離、駅からの距離)
- マンションの場合は専有部分だけでなく共用部分、階数や位置(角部屋かなど)
- 不動産の訪問査定の流れは、
- 査定依頼
- 書類調査
- 机上査定
- 訪問査定
- 諸費用見積もり
- 査定額の算出
- 机上査定との違いは、訪問査定では実際に物件を見ることと、査定にかかる期間が長いという点。査定するポイントが多いため、より精度の高い査定額が期待できる。
- 不動産の机上査定を選ぶべきは、売却を決めていない人や不動産会社を選びたい人。
- 不動産の訪問査定を選ぶべきは、売却を決めている人。
- 不動産の訪問査定と机上査定の両方選ぶ場合は、まずは訪問査定を依頼する不動産会社を選びたい人。
- 不動産の訪問査定で準備するもの
- 登記簿謄本
- 物件の公図
- 建物の図面
- 物件の周辺環境が分かる鳥瞰図
- 購入時の売買契約書
- 新築時の各種設計書
- マンションの場合は管理組合の規定や専有面積が分かる書類
- リフォームをした場合はそれに関係する書類
- 耐震診断報告書など構造に関する書類
- 不動産の訪問査定の注意点
- 複数社に依頼する
- 物件に関することは包み隠さず伝える
- たくさん質問して対応を観察する
- 査定額は売却価格ではない
となります。物件の売却には訪問査定が原則必要です。売却を考えている場合は、訪問査定を依頼するようにしましょう。
この記事があなたのお役に立てれば幸いです。
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