【完全保存版】家を売る際の手順とは?事前準備やかかる費用、売却で損をしないためのコツを徹底解説!
「家を売る際はどんな手順で進んでいくの?」
「家を売るためのコツってあるの?」
と疑問に思うこともあるのではないでしょうか。不動産の売却は大きな金額になるからこそ、少しでも高い金額で売りたいと思いますよね。
不動産売却はどれだけ予備知識があるかが成功を左右すると言っても過言ではありません。
事前に売却の流れを把握しておけば、想定外の落とし穴を回避して、賢く売却を進めることができるからです。
そこで、この記事では、家を売る際の手順の詳細を紹介します。
家を高く売るためのコツや注意点も押さえておくことで、「損をしない」売却の方法を学ぶことができます。
それでは、家を売る際の手順について具体的に見ていきましょう。
[監修]宅地建物取引士 市野瀬 裕樹 中古マンション売買仲介を累計1200件以上監督。株式会社groove agentにおいて不動産売買の業務に3年従事。買い手をサポートしてきた経験を活かし、どうすれば高く売れるのか?を、買い手目線で不動産売却仲介のアドバイスを行う。
目次
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1.家を売る際の流れ|売却の全体像を把握する
家を売る際の手順は、以下のとおりです。
- 価格相場をリサーチする
- 売却査定を依頼する
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- 販売活動をする
- 買主と売買契約を締結する
- 引き渡し・決済をする
- 確定申告をする
家を売るプロセスは複雑で専門的だからこそ、多くの人が不安を感じているかもしれません。しかし、正しい知識があれば、スムーズな売却は決して難しくありません。
家族の大切な資産を、最大限有効に活用するための方法を見ていきましょう。
1-1.価格相場をリサーチする
家を売る際、最初の重要なステップは「相場を知ること」です。
物件の価格相場は、次に紹介する信頼性の高い無料の公的サイトを使えば、簡単にリサーチすることができます。
1-1-1.レインズマーケットインフォメーション
レインズマーケットインフォメーションは、不動産の相場を調べる際に信頼性の高いサイトです。
国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営しており、全国のほとんどの不動産会社が利用するレインズシステムの情報の一部を一般公開しています。
すでに売買が成立した物件の実際の成約価格を知ることができるため、市場の実態を反映した正確な価格情報を得られるでしょう。
<具体的な手順>
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▶️レインズマーケットインフォメーションで価格相場を調べてみる
1-1-2.不動産情報ライブラリ
不動産情報ライブラリは、国土交通省が運営する信頼性の高い不動産相場サイトです。
このサイトでは、実際の取引価格に加え、地価公示や都道府県地価調査の結果も確認できます。
つまり、市場の実勢価格と公的な土地評価の両方を参照できる点が大きな特徴です。
家の相場を正確に把握するには、このサイトとレインズマーケットインフォメーションの両方を活用することが効果的です。
<具体的な手順>
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1-2.売却査定を依頼する
家を売る際、適切な価格設定ができるかどうかは成功のカギを握ります。不動産会社に査定を依頼することで、自分で調査をした相場と照らし合わせることができ、売却価格の設定に役立つでしょう。
ここでは、不動産売却の重要なステップである「売却査定」について詳しく解説します。
売却査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があるため、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1-2-1.机上査定
机上査定(簡易査定)は、不動産売却を検討する際の最初のステップとして利用される手軽な方法です。
机上査定では、実際に物件を訪問せず、築年数や面積などの基本情報をもとに概算の査定金額を算出します。
数日で結果が得られる手軽さが魅力ですが、実際の物件状態を考慮していないため、立地条件や建物の劣化状況によっては、実際の売却価格との差が生じる可能性があります。
そのため、机上査定は大まかな相場感を掴むための参考程度と捉えましょう。
複数の不動産会社に依頼して、査定結果を比較できる一括査定サイトを利用するのがおすすめです。
関連記事:マンション売却におすすめの不動産一括査定サイト22選!
1-2-2.訪問査定
訪問査定は、より正確な不動産価格を知るための効果的な方法です。
不動産会社の担当者が実際に物件を見て評価するため、より精度の高い現実的な査定額が得られます。
さらに、専門家から直接アドバイスを受けられる点も大きな利点です。
例えば、価値を上げるためのリフォームの要否判断や、売却戦略についての助言なども期待できます。
また、対面での応対を通じて不動産会社の信頼性も判断できるため、パートナー選びにも役立つでしょう。
机上査定と訪問査定の詳細について知りたい方は、以下のページも確認してみてください。
関連記事:不動産査定の種類は2種類!査定額の算出方法や査定のポイントを解説
1-3.不動産会社と媒介契約を締結する
家を売る際、不動産会社に仲介してもらう場合は媒介契約を結ばなくてはなりません。
不動産会社との契約形態には以下の3つの種類があります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
それぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。
1-3-1.一般媒介契約
一般媒介契約は、複数の不動産会社と同時に契約できる柔軟な方式です。
この契約形態では、より多くの購入希望者に物件を紹介でき、売却のチャンスが増える可能性があります。
ただし、複数の会社に依頼をすることで競争が激しくなり、自社の努力が成約に結びつかないリスクがあるため、消極的になる可能性があります。
さらに、複数の会社とコミュニケーションを取らないといけないため、情報を管理することや意思決定がしづらくなるデメリットもあります。
一般媒介契約は、売却を急がずに複数の不動産会社に販売活動を依頼したい場合におすすめです。
関連記事:一般媒介契約を分かりやすく解説|おすすめな人と契約中の3つの注意点
1-3-2.専任媒介契約
専任媒介契約は、1社の不動産会社と3カ月間の契約を結ぶ方式です。
この契約では、不動産会社が物件に対し専任となるため、積極的な売却活動が期待できます。
また、14日に1回は売主に対して進捗報告の義務があるため、定期的な売却状況の報告を受けられるのも利点です。
一方で、1社のみに依頼するため、その会社や担当者の販売力が売却結果を大きく左右します。
売主自身が買主を見つけることは可能ですが、その場合でも契約した不動産会社への手数料が発生します。
専任媒介契約は、自分でも買主を見つけられるようなある程度の自由度を残したい方におすすめです。
1-3-3.専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は、1社の不動産会社と最も強い拘束力を持つ契約です。
この契約では、不動産会社が物件販売に全力を注ぐため、積極的な販売活動が期待できるでしょう。
また、頻繁な状況報告により、売却の状況を詳細に把握できる利点があります。
一方で、1社のみに依頼することで集客力が弱まるリスクや、売主自身が買主を見つけられないといった制約があります。専任媒介契約との主な違いは、売主による直接取引の可否です。
専属専任媒介契約は、時間がない方や不動産会社に丸投げしたい方におすすめです。
1-4.売却活動をする
不動産会社と媒介契約を結んだら、いよいよ売却活動を開始します。
具体的な売却活動の知識があれば、物件を魅力的にアピールし、理想的な条件での売却に近づけます。
1-4-1.店頭やインターネットに物件情報を掲載する
不動産会社は、物件の売却活動を始める際、まずインターネットや店頭の広告に物件情報を掲載します。
さらに、チラシを配布したり買主候補にアプローチするなど、あらゆる方法で物件情報の拡散を図ります。
ただし、近隣に売却を知られたくない場合など、特別な事情がある時は不動産会社に相談しましょう。
例えば、特定のエリアでの広告を控えるなど、柔軟な対応をしてくれるでしょう。
1-4-2.内覧の準備をする
内覧は、購入希望者の意思決定に大きな影響を与える重要な機会です。
中古住宅の売却では、実際に物件を見ることが購入の意思決定における重要な判断材料となります。
売主は、不動産会社と協力して内覧の準備を整えましょう。
まず、家全体の清掃と整理整頓をしてできるだけ空間を広く見せるようにします。
売却することを決めたら、早めに片付けを始めるのがおすすめです。
物が多い場合は、一時的に保管場所を確保するなどの対策をしておきましょう。
内覧時は、小さな子供やペットがいる場合、一時的に預けることで、見学者がゆっくり物件を見られる環境を整えることができます。
1-4-3.家を売る理由を明確にしておく
内覧時に購入希望者から家を売る理由を尋ねられることは珍しくありません。
この際、物件のネガティブな面を直接的に伝えるのは避け、前向きな表現や建設的な情報を提供することが重要です。
例えば、交通量の多い道路沿いの物件の場合、環境上の問題を指摘するのではなく、日々の生活の工夫や対処法を伝えるのが効果的です。
また、実際に住んでいた人ならではの有益なアドバイスを提供することで、購入希望者の不安を和らげることができます。
しかし、ポジティブに言い換えられない欠点を無理くりにPRするのは逆効果です。誠意をもって欠点もお伝えしましょう。購入者は、ある程度売主の人柄も見ています。何か怪しまれたりすることがあったり、不安を感じたら、契約に結びつかない可能性があります。
迷った際は、事前に不動産会社に相談して回答内容を準備しておくのも賢明です。
不動産会社の担当者はさまざまな物件の売却経験があり、適切な表現方法や説明のコツを知っているため、売却の可能性を高めることができるでしょう。
1-4-4.内覧の対応をする
内覧日には、購入希望者を歓迎する姿勢で臨むことが大切です。
事前に部屋の換気を行い、全ての照明を点灯させて、明るく清潔な印象を与えましょう。
売主は近所のスーパーや病院、教育施設など地域の生活情報を提供することで、購入希望者は生活のイメージがしやすくなります。
また、内覧対応の結果に一喜一憂せず、冷静に対応することが重要です。
全ての購入希望者が条件に合うわけではないため、断られても気落ちせず、次の機会に備えましょう。
1-5.買主と売買契約を締結する
内覧を経て、買主候補が見つかったら買主との売買契約を締結します。その際に、気をつけるべきポイントとして仲介手数料の適正額や、売主の重要な責任である契約不適合責任、さらには万が一のトラブルに備える住宅瑕疵担保責任保険など、知っておくべき重要事項があります。
スムーズな契約締結と、売却後のトラブル回避のため、正しく理解しておきましょう。
1-5-1.仲介手数料
不動産売買における仲介手数料は、取引の成功報酬として不動産会社に支払うものです。
法律で定められた上限額があり、多くの場合、400万円超の取引となるため「売買金額の3%+ 6万円(税別)」が上限となります。
実際の支払い額は、この上限を超えない範囲で設定されますが、あくまで上限であり、不動産会社の対応に問題があった場合などには交渉できる可能性があるでしょう。
仲介手数料は取引の重要な要素となるため、契約前に不動産会社と十分に確認し、合意しておくことが大切です。
1-5-2.契約不適合責任
契約不適合責任は、不動産売買における売主の重要な義務です。
以前は瑕疵担保責任として知られていましたが、民法改正により売主の責任がより明確になりました。
契約不適合責任は、物件が通常有すべき品質や性能を欠く場合に発生します。
例えば、雨漏りやシロアリ被害、土壌汚染などが該当します。
これらの問題が売却後に発覚した場合、売主は修繕や契約解除などの対応を求められる可能性があるのです。
対策として、事前にインスペクション(建物状況調査)を実施し、物件の状態を明確にすることが重要です。
発見された問題点は買主に事前に開示し、隠蔽することは絶対に避けましょう。
売却後に発覚した場合は、前述の通り契約解除や出費に繋がる可能性があるからです。
契約不適合責任を理解し適切に対応することで、売却後のトラブルを防ぎ、円滑な取引を実現できるでしょう。
1-5-3.住宅瑕疵担保責任保険
住宅瑕疵担保責任保険は、不動産売却後に発生する可能性のある修繕トラブルに対する保険で、契約不適合責任に関連する修繕費、調査費用、さらには買主の一時的な引っ越し費用の一部をカバーします。
加入は任意ですが、売主にとって大きな安心材料となります。
保険金の上限は2,000万円以上で、必要に応じて増額も可能です。
ただし、加入には国土交通大臣指定の保険会社を利用し、インスペクション(建物状況調査)に合格する必要があります。
1-6.引き渡し・決済をする
買主との売買契約が締結できたら、物件の引き渡しと同時に決済を行います。
引き渡しと決済で失敗すると、それまでの努力が水の泡になりかねません。
ここでは法的な手続きが関わってくるため、正しい知識を学んで対応漏れがないよう注意して行いましょう。
1-6-1.残金の入金と鍵の引き渡しをする
不動産取引の最終段階である引き渡し時には、重要な手続きが行われます。
この時点で、買主は残りの代金を支払い、売主は物件の鍵を引き渡します。
この同時履行は取引の完了を意味する重要な瞬間です。
物件に抵当権がある場合、残金の入金をもってその抹消手続きが行われ、買主は所有権を得ることができます。
同時に、買主が住宅ローンを利用する場合は、このタイミングでローンの実行が行われ、銀行から売主への代金支払いが完了し、買主は借入れを開始します。
この一連の流れは、不動産取引の安全性を確保する上で非常に重要です。
全ての手続きが滞りなく行われることで、双方にとって安心できる取引が完了します。
1-6-2.司法書士が登記の手続きをする
不動産の引き渡し時には、司法書士の役割が非常に重要です。
司法書士は、取引の法的側面を管理し、スムーズな所有権移転を確保します。
引き渡し後、司法書士は速やかに以下の登記手続きを行います。
- 売主の抵当権の抹消
- 買主への所有権移転
- 買主の抵当権の設定(買主が住宅ローンを利用する場合)
これらの手続きにより、不動産の法的状況が正確に反映され、買主の権利が保護されます。
司法書士の専門的な知識と迅速な対応により、複雑な法的手続きが正確に行われ、取引の安全性が確保されます。売主が司法書士へ支払う報酬金額の目安は、5万円前後です。
1-6-3.固定資産税の清算をする
固定資産税および都市計画税(固定資産税等)の清算は、不動産取引の引き渡し時に行われる重要な手続きです。
年の途中で所有権が移転する場合、新旧所有者間で税負担を調整します。
例えば、7月1日に引き渡しが行われた場合、7月1日以降の期間分を買主が売主に支払います。
1-7.確定申告をする
不動産の売却後、利益(譲渡所得)が発生した場合、確定申告が必要となります。
確定申告は重要な税務義務であるため、申告期間である売却した翌年の2月16日から3月15日までに必ず行いましょう。
確定申告は最寄りの税務署で行うか、国税庁のe-Taxシステムを利用してオンラインで行うことができます。
確定申告を適切に行うことで、不要なトラブルを避け、法令遵守を確実にすることができます。
税金の計算や申告手続きが複雑な場合は、税理士などの専門家に相談すると良いでしょう。
2.家を売る際にかかる費用や税金
家を売る際にかかる費用や税金は、以下のとおりです。
- 仲介手数料
- 測量費用(戸建ての場合)
- 譲渡所得税
- 印紙税
- 登録免許税
正しい知識があれば、予想外の出費を避け、適切な資金計画を練ることができるでしょう。
2-1.仲介手数料
不動産売却時の仲介手数料は、売買の諸費用において多くの割合を占める重要な費用です。
この手数料は売却価格に応じて変動し、法律で上限が定められています。
具体的には、以下のように計算されます。
- 200万円以下:売却価格の5%
- 200万円超400万円以下:売却価格の4%+2万円
- 400万円超:売却価格の3%+6万円
例えば、4,000万円で売却した場合、仲介手数料の上限は126万円で、これに消費税(10%)を加えると、138万6千円となります。
この金額は上限であり、実際の手数料は不動産会社との交渉により変動する可能性があります。
売却を検討する際は、この費用を考慮に入れ、総合的な収支計画を立てることが重要です。
2-2.測量費用(戸建ての場合)
家の売却時に土地測量が必要となるケースは、主に登記簿が古く境界が不明確な場合や、境界杭、フェンス、塀がない土地の場合です。
測量を行う際は通常、土地家屋調査士に依頼しますが、土地の状況によっては100万円を超えるケースもあります。
確定測量の際には隣地所有者の立会いが必要となるため、日頃から近隣との良好な関係を維持することが重要です。
測量を実施せずに売却を進めた場合、契約書に記載した土地面積と実際の面積に差異が生じると、契約不適合責任を問われる可能性があります。
これは潜在的に損害賠償請求につながる恐れがあるため、慎重に対応する必要があります。
2-3.譲渡所得税
家を売る際、発生した利益に対して譲渡所得税が課されます。
譲渡所得税を計算する際は、まず、譲渡所得を算出します。
これは売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた金額です。
取得費は家を購入した際の費用、譲渡費用は売却に関連して支払った費用を指します。
次に、算出された譲渡所得に税率をかけて譲渡所得税を計算します。
ここで重要なのは、税率が家の所有期間によって大きく異なる点です。
所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得として扱われて税率は39.63%、所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得となり、税率は20.315%となります。
このように、長期保有の場合は税率が大幅に低くなるため、売却で得られる利益をより多く手元に残すことができます。
したがって、税負担を軽減するためにも、可能であれば5年超保有してから売却を検討しましょう。
2-4.印紙税
印紙税は不動産売買契約書に課される税金で、収入印紙で支払います。
税額は売買価格によって異なり、令和9年3月31日までに作成される契約書には軽減措置が適用されます。
軽減措置は諸費用の削減に役立ちますが、期限があるため注意が必要です。
2-5.登録免許税
家を売る際、抵当権が設定されている場合は登録免許税の支払いが必要となります。
抵当権は住宅ローンの担保として金融機関が設定するもので、売却前に必ず抹消する必要があります。
この抹消手続きには登録免許税がかかり、その額は不動産1個につき1,000円です。
戸建ての場合は、土地と建物が別々に登記されているため、合計2,000円の登録免許税が発生します。
抹消手続きは一般的に司法書士に依頼して行います。
この場合、登録免許税に加えて司法書士への報酬も必要となるため、事前に見積もりを取得するなど、資金計画に入れておきましょう。
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3.家を高く売る際の7つのコツ
家を高く売る際のコツは、以下のとおりです。
- 早めに売却活動をする
- 家が売れやすいタイミングを把握する
- 適正金額で売出しを開始する
- 家をきれいにしておく
- 境界線を明確にしておく(戸建ての場合)
- 実績のある不動産会社に依頼をする
高く売るためのコツを知っておくことで、家を最良の条件で売却できる可能性が高まるでしょう。
3-1.早めに売却活動をする
家を売る際のタイミングは、物件の価値に大きく影響します。
築年数が増えるにつれて建物の価値は一般的に下がりますが、中古住宅の価格は土地の価値の変動にも影響されます。
土地価格が上昇傾向にあるエリアでは、建物の価値低下を相殺できる可能性がありますが、横ばいか下落傾向のエリアでは、時間の経過とともに物件全体の価値も下がるのが一般的です。
将来的に売却を考えている場合は、できるだけ早いうちに売れば、より高い価格で売却できる可能性が高まります。
市場動向を見極めつつ、適切なタイミングでの売却を検討することが重要です。
3-2.家が売れやすいタイミングを把握する
不動産売却には、年間を通じて特に売れやすい時期が2回存在します。
一般的には、以下のような時期が売れやすいとされています。
- 春先:新学期や新年度の始まりに合わせて引っ越しを考える方が多くなる時期
- 秋口:年末年始の引っ越しを見据えて物件を探す方が増える時期
これらの時期に合わせて売却活動を行うことで、条件が多少不利な物件でも売却の可能性が高まります。
ただし、繁忙期に合わせて売却する場合は、事前の準備がカギとなります。
具体的には、市場相場の調査、物件の査定、不動産会社との媒介契約などを前もって済ませておくことが大切です。
これらの準備を整えた上で、売却活動のスケジュールを綿密に立てることで、繁忙期のメリットを最大限に活かすことができるでしょう。
繁忙期に合わせて販売することを考えれば、少なくとも3か月前から準備はしておくようにしておきましょう。
3-3.適正金額で売出しを開始する
家の売却では、適正な売り出し価格の設定が成功のカギとなります。
不動産会社の査定を基に価格を決めますが、1社の査定に頼ると失敗のリスクがあります。
低すぎる査定で損をしたり、高すぎる査定で売れ残りの原因になったりする可能性があるためです。
これを避けるには、複数の不動産会社から査定を受け、根拠や納得のいく説明があるかどうかを見極めることが重要です。
売り出し価格は、希望価格よりもやや高めに設定することで、価格交渉による値下げにも対応できるようにしておくのがおすすめです。
最終的には、住宅ローンの返済や住み替え資金の確保など、売主の目的に合った価格で成約できるよう、戦略的に価格設定することが大切です。
3-4.家をきれいにしておく
内覧は購入希望者の印象を大きく左右する重要な機会です。
そのため、家全体を徹底的に清掃し、整理整頓することが不可欠です。
床、窓、玄関、収納スペースなど、細部まで清潔感を出すことで、好印象を与えられます。
特に水回りは購入希望者が注目するポイントです。
頑固な汚れがある場合は、プロのハウスクリーニングサービスの利用も検討しましょう。
さらに、不要な家具や物品を整理し、空間をできるだけ広く見せることも効果的です。
また、日常生活で慣れてしまい気づきにくい生活臭にも注意が必要です。
内覧前には十分な換気を行い、清々しい空間を演出しましょう。
3-5.境界線を明確にしておく(戸建ての場合)
家を売る際、境界線の明確化は極めて重要な手続きです。
売主には境界を明示する法的義務があり、これを怠ると将来的なトラブルの原因となる可能性があります。
確定測量図がある場合は、図面通りに境界杭が設置されているか確認してください。
境界杭が紛失している場合は、隣地所有者の立ち会いのもと、復旧作業を行う必要があります。
境界が未確定の場合は、土地家屋調査士に依頼して測量を実施します。
この作業は時間と費用がかかりますが、スムーズな売却活動のためには不可欠です。
3-6.信頼できる不動産会社に依頼をする
家を売る際、適切な不動産会社の選択は非常に重要です。
一見、どの会社も同じように思えるかもしれませんが、実際には会社ごとに大きな違いがあります。
各不動産会社は、集客力、ブランド力、特定エリアでの強み、保有する顧客層など、それぞれ異なる特徴を持っています。
また、担当者の経験や能力も会社によってさまざまです。
売却プロセス全体を通じて不動産会社と密接に関わることになるため、能力が高く、自分との相性が良い会社を選ぶことが重要です。
適切な会社選びができれば、スムーズな売却と好条件での成約につながる可能性が高まるでしょう。
4.家を売る際の注意点
家を売る際の注意点は、以下のとおりです。
- 不動産会社の言いなりにならない
- 査定は複数社に依頼する
- 売却前のリフォームが賢明とは限らない
- 希望価格=成約価格とは限らない
注意点を理解して適切に対応することで、より有利な条件での家を売ることができ、満足のいく結果を得ることができるでしょう。
4-1.不動産会社の言いなりにならない
不動産会社の査定額は、会社ごとに異なることが一般的です。
これは、各社が独自の方法で類似物件の売却実績などのデータを分析し、価格を算出するためです。
しかし、単に最高額の査定を提示した会社を選ぶのは賢明ではありません。
適切な売却価格の設定は、売主自身が判断する必要があります。
高すぎる価格設定は売却期間の長期化や大幅な値下げにつながる可能性があり、逆に安すぎる価格設定は利益を逃す結果となります。
そこで、レインズマーケットインフォメーションや不動産情報ライブラリなどのオンラインツールを活用し、自分で実勢価格を調査するのがおすすめです。
不動産会社の提案を鵜呑みにせず、自ら情報を収集し判断することで、より有利な条件での売却が可能になります。
4-2.査定は複数社に依頼する
不動産の査定を1社だけに依頼するのは、効率的に見えても実際には危険な選択です。
複数の会社に査定を依頼することは、確かに時間と労力を要しますが、適切な売却価格の把握と最適な不動産会社の選定に不可欠です。
1社に依頼すると、その査定価格が市場の実態を反映していない可能性があります。
また、その会社の売却活動が期待に沿わない場合、結局は他社に依頼し直すことになり、かえって時間と労力を浪費することになるでしょう。
複数社の査定を比較することで、価格の適正さを判断でき、各社の対応や提案内容も評価できます。
面倒に感じても、少なくとも3社程度の査定を受けることをおすすめします。
4-3.売却前のリフォームが賢明とは限らない
築年数が経過した家を売る際、リフォームを検討するのは自然な発想です。
しかし、独自の判断でリフォームを行うとかえって後悔につながる可能性があるのです。
なぜならリフォームにはコストがかかり、それが必ずしも売却利益で回収できるとは限らないからです。
特に古い家の場合、自分好みでリフォームやリノベーションがしたい、あるいはコストを抑えて購入したいと考える買主も多いです。
そのため、本当にリフォームが必要かどうかを判断する前に、不動産会社に相談しましょう。
なお、sumnaraではリフォームせずに「そのまま」の状態で売却することが可能です。
リノベーション会社が運営する、リフォーム前の家やリフォーム向きの家だけを集めた中古物件ポータルサイトだからこそ、安価に買える中古物件を探している買い手にダイレクトにアプローチすることができるのです。
家を手放す人は、そのまま売れば、無駄なお金も手間もかかりません。
家を探す人は、そのまま買えば、間取りもデザインも、自由に変えられます。
参考:sumnara
4-4.希望価格=成約価格とは限らない
不動産売却において、売り出し価格と希望価格、そして最終的な成約価格の違いを理解することは非常に重要です。
それぞれの違いは、以下のとおりです。
- 売り出し価格:広告等で公表する価格で、交渉の余地を含んだ金額
- 希望価格:住宅ローンの返済や新居購入費用などを考慮した、売主が実際に手にしたい最低限の金額
- 成約価格:最終的に合意された実売価格
多くの場合、買主との価格交渉でいくらか値引きが行われます。
そのため、売り出し価格は希望価格よりも高めに設定するのが一般的です。
この差額をどの程度にするかは、市場の相場と自身の希望価格を考慮して決定します。
\簡単30秒で査定依頼完了/
5.【築年数別】家を売る際のポイント
家を売る際、築年数は売却価格や売却戦略を考える上で重要ファクターになります。
同じ家でも、築5年の場合と築50年の場合では売却難易度に大きな差があることは容易に想像がつくでしょう。ここでは、築5年から築50年までの築年数別で、それぞれのポイントを詳しく解説します。
- 築5年の家を売る場合
- 築10年の家を売る場合
- 築20年の家を売る場合
- 築30年の家を売る場合
- 築40年の家を売る場合
- 築50年の家を売る場合
正しい知識を身に付ければ、築年数に合わせた最適な売却プランが立てられるでしょう。
5-1.築5年の家を売る場合
築5年の家は、比較的新しい物件として高い価格での売却が期待できます。
この時点で売却を検討しているなら、早めの決断が有利です。
時間が経つほど資産価値が下がる傾向にあるため、築5年程度であれば、建物や設備の劣化も少なく、高値での取引ができるでしょう。
ただし、税金面では注意が必要です。
所有期間が5年を超えると譲渡所得税率が約20%低くなるため、税金面でのメリットを考慮すると、所有期間は5年超経ってから売却する方が手残りが多くなります。
売却のタイミングは、物件の状態や市場動向、個人の事情を総合的に判断して決めることが大切です。
5-2.築10年の家を売る場合
築10年の家の売却を検討する場合も、早めの決断が有利となる可能性が高いです。
この築年数帯の家は、実際の居住には大きな問題がない場合が多いですが、建物の価値は新築時から下落していると考えられます。
時間の経過とともに価値はさらに下がる傾向にあるため、売却を考えているなら早めに行動することをおすすめします。
また、築10年ともなると設備の更新時期に差し掛かっている可能性もあります。
売却前に主要設備の点検を行い、必要な修繕や交換を行うことで、物件の魅力を高められることもあるので検討してみましょう。
5-3.築20年の家を売る場合
築20年の家を売る際は、まず、売却期間に余裕を持つことが大切です。
築年数が経過した物件は、買主が見つかるまでに時間がかかる可能性があるためです。
また、ホームインスペクション(建物状況調査)を実施して物件の状態を客観的に把握しておくことをおすすめします。
ただし、買主が自身の好みでリフォームを希望する場合があるため、大規模なリフォームは控え、現状のままでの売り出しを検討するのがおすすめです。
5-4.築30年の家を売る場合
築30年の戸建ての家を売る場合、その価値は主に土地にあると考えるべきです。
特に木造一戸建ての法定耐用年数22年を大きく超えているため、建物自体の資産価値はほぼないと見なされます。
そのため「古家付き土地」として売り出すことが一般的です。
この方法のメリットは、売主が解体の手間やコストを負担せずに売却できる点です。
買主にとっても、自身の希望に合わせて建物を利用するか解体するかを選択できるため、魅力的な選択肢となるでしょう。
5-5.築40年の家を売る場合
築40年の家を売る場合、通常の住宅としての価値はほとんどないと考えるべきです。
このような物件は「古家付き土地」として売り出すのが一般的です。
建物自体は老朽化が進んでいるため、その価値はほぼゼロに近く、実質的に土地の価値が売却価格のほとんどを占めることになります。
この年数の家を通常の中古住宅として売り出しても、買主を見つけるのは困難です。
多くの場合、建物はさまざまな箇所で劣化が進んでおり、大規模な改修が必要となるためです。
ただし、売却方法には他の選択肢もあります。
一つは不動産会社による買取です。
この方法は、早期に確実に売却したい場合に有効ですが、通常の売却価格よりも3割程度低くなるため、できるだけ高く売却したい場合はおすすめしません。
もう一つの選択肢は、空き家バンクへの登録です。
これは地方自治体が運営する制度で、移住希望者などに物件情報を提供するものです。
古い家でも田舎暮らしや二拠点生活を希望する方にとっては、魅力的な物件となる可能性があります。
5-6.築50年の家を売る場合
築50年の家の売却は、主に土地の価値に焦点を当てて考える必要があります。
築40年の家と同様に、木造一戸建ての場合、この年数で建物自体の資産価値はほぼゼロと見なされるため、買取や空き家バンクへの登録を積極的に検討しましょう。
ただし、近年古民家をリノベーションする需要が増えています。
建物の状態が良好で、独特の魅力がある場合は、このような需要を狙って売却することも可能かもしれません。
最適な方法を選ぶには、物件の状態、立地、市場動向、個人の事情などを総合的に考慮し、不動産の専門家に相談することが重要です。
6.まとめ
家を売るという決断は、人生の大きな転機となる重要な選択です。
この過程で不安や困難を感じるのは自然なことですが、この記事で紹介した知識を活用すれば、自信を持って前に進むことができるでしょう。
また、信頼できる不動産会社を選ぶことも、家の売却を成功させるためには大きな要因となります。
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